【講座レポート】講演「ポイ捨て・不法投棄ゼロを目指す新大宮川の取り組み」とゴミ拾い体験 | 「新大宮川を美しくする会」のブログ

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比叡山のふもと、琵琶湖に面する大津市比叡辻を流れる通称「新大宮川」とその周辺の環境・美化清掃活動をしています。

12月2日(土)講演「ポイ捨て・不法投棄ゼロを目指す新大宮川の取り組み」とゴミ拾い活動体験を予定通り開催しました。

めちゃめちゃ、いい天気でした!

が、喜んでばかりは言ってられません。

雨が降らず、琵琶湖もマイナス60cm超の水位低下、先日植えた花苗も水不足でしおれているのが複数発生しています(泣)。

まずは、ご発表、ご受講してくださった皆様、ありがとうございます。

 

10時から、会長挨拶・当日の注意事項説明などが始まり、次に大津土木事務所の立木様より、大津市内の管轄(道路:38路線、約237km、河川:75河川、約184km)の「不法投棄の現状」についてお話しいただきました。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、「滋賀県ごみの散乱防止に関する条例(通称:クリーン条例)」のお話しに始まり、滋賀県と大津市の啓発チラシのご紹介、散在ゴミ、投棄ゴミの回収作業の現状(実状)と回収後の処理、護岸の木々の伐採、琵琶湖の水位低下についてお話しいただきました。それにしても、少ない人数で日々、回収作業をしていただいているのが、よく分かります。これほど、大変な作業をせれているのを知ると、益々、軽い気持ちでゴミを投棄する人たちは許せません。

続いて、河川管理パートナーの松村様から、「河川管理パートナーの活動紹介」と題してお話しいただきました。まず、滋賀県河川管理パートナーについて、概要をお話しいただきました。いつもながら、よくまとめてくださっています。平成22年度に策定された滋賀県の「河川整備計画」において、住民と行政の協働と住民の積極的参加により、地域の川を育て維持管理することを目的とする「ふるさと川づくり協働事業」の次の3つ柱(① 河川愛護支援 ② 地域活動支援 ③ 河川管理パートナー)の一つとのこと。現在、滋賀県内で51名(大津市内9名)が、それぞれの担当の一級河川の月2回の巡視と滋賀県土木事務所への月1回の状況報告、県市町との情報交換と連携、地域の仲立ち的活動、情報発信などをしているとのことです。ちなみに、筆者も、一河川管理パートナーとして、かれかれ9年、近隣の7本の一級河川の管理をしています。尚、報告については、7つの報告事項(①土手・河川敷の樹木や雑草の繁茂、土砂の堆積、②護岸、堤防、水門、河床ブロック、魚道、階段や遊歩道などの損傷・崩壊、③管理用道路の異常、④無許可の工作物、土地の掘削、⑤流木などが橋にひっかかっていないか、⑥不法投棄物・土砂の投棄、⑦散乱ごみ)があるが、特に、不法投棄物・土砂の投棄散乱ごみが多いとのことです。実際に、松村様が担当されている大津市南部の7河川についての状況もお話しくださいました。 温暖化の影響なのか、雑木・雑草の繁茂が著しく、また、昨今の豪雨の影響か河川内支障物も増加しているとのこと。ポイ捨てゴミが減らないにもかかわらず、理由は分からないが、令和3年頃から不法投棄が激減しているとのこと。また、ご担当されている長沢川の浚渫工事後の河川の状況変化から、土砂堆積の凄まじさを語られました。ちょうどその辺りを説明されているときにパソコンがハングアップ、固まり、プロジェクター投影に不具合発生(大泣)。再起動など何度か試みるが復旧の見通しがたたず、急きょ、プロジェクターの使用はあきらめ、パソコン画面を皆さんにご覧いただきながらの説明をいただくことにし、その間にバックアップ用の携帯プロジェクターを用意し(ここで、発表時間30分遅延(大泣))、次の地元小学生のお子さんの発表はそれを使用しました。さて、再開後の松村様のお話しですが、江戸時代の土砂止め、国分川の堰板溝、天ヶ瀬ダムに滞留する大量の川ごみ、琵琶湖底のプラスチックゴミの実態調査結果、川ごみが削減できない理由の考察、川ごみ対策の提案などで、大変参考になりました。ありがとうございます。
       
次は、地元の小学生でいつも当会の講座、イベント、活動に参加してくれているお子さんから「ポイ捨てをめぐる私の挑戦」と題してご発表いただきました。昨年は、飛び入り参加で発表してくれましたが、その後も、ゴミ拾いと調査を続けてくれているとのことです。素晴らしい!月に1回のゴミ拾いの結果、タバコのポイ捨てが圧倒的に多いとのことです。また、特定の場所に大量に同じ種類のタバコのポイ捨てがされていることから、同じ人が捨てているのではと推測しているとのことです。新しい問題として、自販機横のゴミ箱があふれていて、ペットボトルや空き缶以外のものも捨てられていることに気づいたとのことです。最後に、ゴミ拾いをして考えたこととして、「ゴミはすてるタイミングで分別するのが一番いい。後で分別するのはとても大変。」とのこと。また、「たばこを吸う人は、携帯灰皿を使ってください。飲み物は最後まで飲み切ってリサイクルボックスに捨ててください。」と、皆さんに対してお願いしてくれました。さらに、「これからも、自分にできることをさがしていきたいです。」とのことです。頼もしいですし、うれしいですね。これからも、できる範囲でできること続けてくれるとうれしいです。ありがとうございます。


続いて、私(筆者・会長)から、各行政部署からご提供いただいた資料を発表させていただきました。資料のご提供、ありがとうございます。まず、大津市産業廃棄物対策課様ご提供の資料「令和5年度不法投棄・野外焼却の状況」からは、「大津市全体の概況としては、不法投棄場所の傾向として、近年は市街地の大型ごみが増えていたが、経済活動が元に戻るにつれ、以前のように山間部に投棄される傾向に戻りつつある」と、また、「新大宮川の状況としては、以前と比較し、不法投棄及び野外焼却の通報件数は減少していて、直近一年間の大型ごみの不法投棄の通報は1件のみで、継続した取り組みが効果を表している」とのことです。大津市環境政策課ご提供資料「大津市路上喫煙等の防止に関する条例について」(昨年ご提供資料と同じ)からは、「禁止区域以外での路上喫煙防止の啓発活動や、たばこのポイ捨てを減らすために、さらなる市民の皆様の意識啓発をはかっていく必要があります」とのことでした。滋賀県循環社会推進課様ご提供資料「滋賀県の散在性ごみ問題とその対策」からは、滋賀県ごみの散乱防止に関する条例(クリーン条例)とそれにもとづく施策(美化推進地域の設定、自動販売機自主規制地域の設定、環境美化の日の設定、環境美化監視員の設置、罰則)とその他散在性ごみ対策(散在性ごみ定点観測調査、淡海エコフォスター制度、琵琶湖岸漂着物等実態把握調査、台風等で大量の漂着物が打ち上げられた時の琵琶湖岸環境美化活動の手引、美しい湖国をつくる会、ごみ減量化と環境美化に関する標語・ポスターコンクール)について発表させていただきました。毎年、最新情報をご提供くださり、ありがとうごいます。これからも、協働を進めて、ポイ捨て・不法投棄ゼロを目指しましょう!

最後に、当講座のメインタイトルでもある「ポイ捨て・不法投棄ゼロを目指す新大宮川の取り組み」について、直接、私(筆者・会長)から発表させていただきました。大筋は、昨年度発表内容と同じなのですが、今年度の更新分として、ポイ捨て・不法投棄対策にナッジ理論の検討・採用、しが孤独・孤立支援ポータルサイトや滋賀県淡海エコフォスター制度に賛同、加入し、「しがCO₂ネットゼロムーブメント」への賛同の表明、立正佼成会様から「一食地域貢献プロジェクト」の贈呈について報告しました。また、「他人にある行動をとってもらいたい。彼がそうすることは正しいとあなたは考える。ただ、彼はそう考えていない」の場合の対処として、オーストラリアの法社会学者ジョン・ブレイスウェイトが唱える3通りの対処法(理由を示して説得する、相手の利害に訴える、力ずくの手段をとる)も考慮して、今後、対策を考え、実践していくことを話させていただきました。ご清聴、ありがとうございました!

 

 

 

 

その後、会場の後片付けなどを終え、いよいよゴミ拾い活動体験です。パソコン、プロジェクターの不具合で予定より30分遅れで、皆様にはご迷惑をお掛けしました。申し訳ございません。

 

さて、大型の不法投棄は、年に数回しか発生しなくなり、ポイ捨ても、7年前の活動時に比べて、1/100~1/120くらいに減っていますので、実際は、ゴミ拾いというよりも、現地を歩いていだいて、今までの施策と現状を実際に見ていただくことが目的です。ゴミ拾いの結果ですが、実は、この2か月くらいゴミ拾いをしていませんでしたが、燃えるゴミがおよそ10Lと空き缶2個でした。これも、日頃からご協力いただいている皆様のおかげです。特に、最近では、私や当会の活動以外でもゴミ拾いや花壇の草抜き、水やりをしてくださったりしてくださる方をお見受けするようになりました。ありがとうございます。

 

これからも、ポイ捨て・不法投棄ゴミゼロを目指す取り組みを続けて行きますので、ご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

 
 
 

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