#1.自己概念の障害
&看護者の働きかけに反応できる。幻覚、妄想などにとらわれないで生活できる。
$1~3ケ月
O-P
・患者が直面したストレスイベント
・問題解決技術
・防衛機制
・ストレス耐性
・不安
・幻覚、妄想
・興奮
・衝動性(自己損傷、暴力の可能性)
・外界への不信感、敵意
・させられ体験
・自閉傾向
・集中力
・奇異な言動
・セルフケア能力
・セルフマネージメント能力
・発病前の状態
・サポートシステム
・訴えの内容と程度
・一日の過ごし方、態度
・表情、意志の疎通性
・他患への影響
T-1.興奮を減少させるように環境を整える。
・明るく、広く、静かな空間を提供する。
・ストレスを増強させない。
・患者に触れることをしない。
・看護者の不安や恐れを伝えないように自信のある態度で接する。
・面会を制限する。
・興奮が強ければ医師と相談し、理由を明確に説明して患者を保護室に収容または拘束して 保護する
2.自己損傷や暴力行為の可能性があれば、スタッフ全員で情報を共有し、管理および援助を徹底 する。
3.薬物治療を確実に実施する。薬物治療の効果と副作用を観察する。
可能であれば薬物治療の必要性を理解してもらう。
4.患者に積極的な関心を示し否定的な批判は避けて、安全感のもてる環境を提供する。
患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
5.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
・患者の現実行動に対しては、具体的な指示を与え、できたことを確認してそれでいいことを 伝える。
指示を与えるだけでは安心感をもらえる体験にはならない。
・幻覚・妄想に関しては内容に触れない。否定は不信を抱き、肯定は確信を与えるので、
聞くだけ聞いて心配のないことを伝え、必要に応じて医師につなぐ。
・幻覚や妄想が起こった時や、それが活動を妨げる時には、看護者に伝えるように説明する。
感情表現を支持する。
E-1.家族の疾病の理解を助け、家族の不安を受け止める。また、保護室への収容や拘束に対する了 解を得る。
#2.不安
&入院を受容でき、安全、安心感を言葉で表現できる。
$6ケ月
O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
・患者が直面したストレスイベント
・問題解決技術
・防衛機制
・ストレス耐性
・外界への不信感、敵意
・脅威
・自閉傾向
・集中力
・セルフケア能力
・セルフマネージメント能力
・不眠
・食欲不振
・サポートシステム
・不安の程度や日常生活での障害度
T-1.安全感のもてる環境を提供する。
・積極的な感心を示し、否定的な批判は避ける。
・過剰な刺激を取り除く。
・患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
・他の患者との距離の調整に介入する。
2.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
・看護者の不安や恐れを伝えないように自信のある態度で接する。
・患者が看護者に対して、自分を受け止めてくれる、安心できる人だと思えるように、
全人的な態度で接する。
・ゆったりとした気持ちで患者の訴えに耳を傾けて十分話を聞く。
・患者の体験や欲求の言語化、明確化を助け必要に応じて医師との関係をつなぐ。
・セルフケア能力、セルフマネージメント能力にあわせて必要なケアを実施する。
不必要な世話はしない。
・患者の現実行動に対しては具体的な指示を与え、やったことを確認して、それでいいことを
フィードバックする。
患者が看護者の指示に従えなければ、指示の出し方をさらに細かく具体的にする必要がある。
・不安の強い患者に対しては受容的な態度で接する。
3.不安が減少すれば、不安の耐性を高めるために生活技能訓練などのトレーニングを実施する。
#3.自己損傷の危険性(希死念慮、自殺企図の可能性)
&看護者の働きかけに反応することができ、看護者の対応によって安心感を体験できる
$3ケ月
O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
・ストレス耐性
・問題解決技術
・防衛機制
・自己概念(価値観、態度、感情)の障害
・幻覚、妄想
・させられ体験
・脅威
・興奮の原因
・衝動性(内向・外向傾向)
・不信感
・自己損傷及び自己損傷企図の既往
・サポ-トシステム
・訴えの内容と程度
・表情、意志の疎通性
・危険行動の内容、程度
・危険行動の前、中、後の言動、奇異な行動
T-1.スタッフ全員で情報を共有し、下記の管理と援助を徹底する。
・危険物を預かり、使用時に看護者が付き添い出来ることはさせる
(ガラス製品、爪切り、鋏、除光液、鏡、針、カミソリ、ビニ-ル袋、ライタ-、電気器具 、 ベルト、ハンガ-、ナイフ、毛抜き等)。
・確実な食事摂取と服薬の確認。
・絶え間ない関心を向ける。
・行動範囲を病棟内に制限する。
・過剰な刺激を減少させる。
・必要に応じて面会を制限する。
・脅威的な幻覚、妄想によって不安や興奮が高まる可能性があれば医師と相談し、保護室への収容や拘束に関しては、
できる限り説得し、力づくでの対応はしない。対応は3~4人のスタッフメンバ-が必要である。
2.現実的な生活行動に対しては、具体的で明確な指示を与え、指示通りにできたことを確認して、
それでいいことをフィ-ドバックし安心感をもたせる。
E-1.家族が患者の疾患と病状の理解ができるように援助し、保護室への収容や拘束に対する了解を得る。
#4.暴力の危険性
&看護者の働きかけに反応することができ、看護者の対応によって安心感を体験でき、
行動を起こす前に表現することができる。
$3ケ月
O-1.以下のことを観察し、アセスメントする。
・ストレス耐性
・問題解決技術
・防衛機制
・自己概念の障害
・幻覚、妄想
・させられ体験
・脅威
・興奮の有無、程度
・敵意
・衝動性
・不信感
・暴力行為の既往
・サポートシステム
・訴えの内容と程度
・一日の行動、言動
・表現、意志の疎通性
・危険行動の内容、程度
・危険行動の前、中、後の言動
・服薬の状況
T-1.興奮を減少させる。
・明るく、広く、静かな環境を提供し、ストレスを軽減する。
・患者に触れることをしない。
・患者の不安や恐れを伝えないように自信のある態度で接する。
・患者の現実的な生活行動や、自分で自分をコントロールするための枠に関しては具体的で明確な
指示を与え、指示通りにできたことを確認して、それでいいことをフィードバックし安心感をもたせる
・脅威的な幻覚、妄想によって不安や興奮が高まる可能性があれば、医師と相談して保護室に収容し、
必要に応じて拘束する。
保護室への収容や拘束に関しては、できる限り説得し、力ずくでの対応はしない。
対応は一貫性をもって行い、対応時には3~4人のスタッフメンバーが必要である。
・暴力に対しては、制止するとともに絶対に暴力を振るってはいけないという強固な態度で接する。
E-1.家族が患者の疾患と病状の理解ができるように援助し、保護室への収容や拘束に
対する了解を得る。
2.興奮が減少すれば、攻撃性を放散させる活動を勧める。(散歩、スポーツ)
#5.社会的相互作用の障害
&引きこもりによって自分を守ることができる。
$3ケ月
O-1.以下のことを観察し、アセスメントする。
・対人関係パターン
・自己概念の障害
・ストレス耐性
・問題解決技術
・防衛機制
・現実認識
・不安
・外界への不信感
・幻覚、妄想
・引きこもり
・セルフケア能力
・セルフマネ-ジメント能力
・社会的孤立
・サポ-トシステム
・他患、医師、看護者等との接し方
・一日の過ごし方
・働きかけに対する反応
T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。患者が他者との間に とろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。また、他の患者との距離の調節に介入する。
・患者の訴えには耳を傾け、十分に話を聞き、患者の反応を観察しながら働きかける。
2.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
・会話が続かなくても一緒にいる時間をもち、ゆったりとした態度で接する。
・患者の現実行動に対しては、具体的で明確な指示をだす。指示通りにできたことの評価をフィ-ドバック
して安心感をもたせ、患者-看護者の反応的関係を形成する努力をする。
・幻覚、妄想に関しては内容には触れない。聞いて心配のないことを伝え、必要に応じて医師に連絡する。
・医師の指示で面会を制限する。
3.医師に指示で、必要に応じて保護室を利用し、患者を保護する。患者には十分に説得し実施する。
E-1.家族の病状の理解を助けて、家族の不安を受け止めて指導する。
#6.家族機能の変調
&・患者を怖がらないで見守れる。
・対応に行き詰まった時は援助を求める
$・1ケ月
・1ケ月
O-1.以下の項目について家族を観察し、アセスメントする。
・家族構成
・家族の状態(家族が抱えている問題と資源、世代間の境界)
・疾病および患者の病状についての理解
・患者に対する感情
・価値観、世間体へのこだわり
・役割意識
・問題解決技術
・防衛機制
・過保護および自己犠牲的な行動
・情緒的な巻き込まれ
・不安、おそれ
・無力感
・感受性
・対人関係パターン
・現実検討能力
・欲求不満の耐性
・感情保持能力
・表現力
・内省力
・サポートシステム
・家族間の力関係と相互作用
T-1.家族が患者の疾病と病状を理解できるように援助する。
E-1.家族が対応に行き詰まった時の援助を求める方法を指導する。
2.患者への対応を指導する。
・患者の現実行動に対しては、おだやかに指示し、できたことを確認してそれでいいことを フィードバックする。
特に服薬が確実にできるように注意する。
・否定的な批判や避難をしない。
・患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づきすぎない。
・患者に触れることをしない。
・対応に行き詰まった時は、医師と連絡をとる