急性呼吸不全患者の看護計画 | ナースマンの部屋

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私のひとりごと

呼吸不全とは

 原因のいかんを問わず動脈血ガスが著しい異常値を示し、そのため生体が正常な機能を維持できなくなった状態と定義されている。

呼吸は延髄にある呼吸中枢からの司令が脊髄、末梢神経、神経筋接合部をへて呼吸筋に伝えられ、胸郭が肺を動かすポンプ機能を発揮し、気道の通気性が保たれ、効果器である肺が機能してはじめて成立する。

このシステムのどこかに破綻がおこりガス交換ができなくなるのが呼吸不全である。

呼吸不全の診断基準は、厚生省特定疾患「呼吸不全」調査研究班によると、室内気吸入時PaO2が60mmHg以下である。

PaCO2が45mmHgを越えないものをⅠ型(低酸素血症型)、45mmHgを越えるものをⅡ型(肺胞低換気型と混合型)と分類する。

急性呼吸不全は何らかの原因によって呼吸器系の機能が急速に損傷を受け、生体が防御機構を立て直すいとまもなくエネルギー代謝の危機に陥る状態であり、生命の危機を伴う場合がある。

呼吸不全の原因疾患には以下のようなものがある。

 1.呼吸中枢の障害
脳血管障害、薬物中毒、代謝障害など

 2.脊髄、末梢神経、呼吸筋の障害
高位頸髄損傷、重症筋無力症など

 3.胸郭および胸膜の障害
肋骨外傷、気胸、血胸

 4.気道、肺の障害
上気道の炎症、浮腫、異物、腫瘍など肺炎、喘息、肺挫傷、肺水腫、ARDS

 5.肺血流障害
肺塞栓症など

アセスメントの視点

 呼吸は生命を維持するための基本的な生理機能であり、呼吸不全はこの機能が急速に低下し生命危機にさらされる状態を意味する。

酸素化の障害が急性かつ進行性であること、また低酸素による他臓器への影響も大きいことから、迅速な呼吸状態の把握と対処が求められる。

 一方、患者にとっては呼吸困難として認識されるため、「息ができない。」という生命の危機的状況に陥り計りしれない死の恐怖、苦痛、不安を生じていることが予測される。

医療的な処置と共に精神的なサポートが必要となってくる。 

また呼吸不全の進行により意識障害が出現し、呼吸苦を自覚したり、自ら訴えることができないことも予測されるため意識レベルを含め全身状態の観察が必要である。

症状

 1.自覚症状
呼吸苦、息が吸えない、胸が苦しい、だるいなど表現もさまざま。呼吸苦を訴えられないほどの状況もありうる。

 2.全身状態
 1)呼吸
努力性呼吸、異常呼吸のことがある。

 2)意識
PaO2<40mmHgの急性低酸素血症のでは患者は興奮、失見当識を認め不穏となる。PaO2<20mmHgになると、昏睡となりショック、徐脈、チェーンストークス呼吸が出現する。一方高炭酸ガス血症では、PaCO2基礎値(35~45mmHg)に10~15mmHg蓄積すると傾眠傾向としてあらわれ同時に発汗、羽ばたき振戦、高血圧がみられる。30mmHg以上の蓄積で昏睡ときに乳頭浮腫が出現する。

 3)脈拍
急性低酸素血症と高炭酸ガス血症はカテコラミンを遊離し頻脈を誘発する。またPaO2<40mmHgでは不整脈が、PaO2<20mmHgでは徐脈が出現しやすい。

 4)血圧
乏尿を伴う血圧低下はショックを意味する。PaO2<20mmHgが原因のこともありチェーンストークス呼吸、徐脈を伴う。高炭酸ガス血症では脈圧増大を伴う高血圧がみられる。

 5)低酸素血症でチアノーゼ、CO2ナルコーシスで顔面紅潮

 6)悪心、嘔吐

 7)咳嗽
肺炎、心不全などでみられる

検査

・ X-P
・ 血液ガス分析
・ 血液一般検査
・ 心電図
・ 肺シンチ
・ 喀痰培養検査

治療

 1.酸素療法
吸入ガスの酸素濃度を上げることで肺胞内の酸素分圧を上げる。ただし、高濃度の酸素は生体にとって有害であること、また酸素療法は対症療法であり根本的な治療ではないことを念頭におく。気道の確保の必要があれば肩枕、エアウエイ挿入、あるいは気管内挿管を行なう。

 2.機械的人工呼吸
換気の改善、酸素化効率の改善、呼吸仕事量の軽減の目的で行なわれる。気管内挿管が基本として行なわれる。

 3.膜型人工肺(ECLA)
膜型の人工肺で血液を直接酸素化するもの。副作用として抗凝固剤使用による出血傾向、体外循環による感染、空気塞栓、血栓症などがある。

 4.薬物療法
原因疾患や、病態によって選択される。吸入療法、気管支拡張剤、ステロイド、利尿剤、交感神経刺激剤、抗生物質など

 5.肺理学療法

経過と管理

1.呼吸管理

 1)酸素療法
 換気抑制がなければ酸素吸入の適応になり、換気抑制があれば人工呼吸器による酸素投与と換気補助が必要となる。症状あるいは検査データに応じて適切な酸素投与法を選択する。酸素療法の目標は臨床症状の改善とPaO2が80~100mmHg、SpO2 が95%以上とする。

 2)機械的人工呼吸管理
 酸素吸入下の自力呼吸でも血液ガスの維持ができない場合や病態の改善が期待できない場合は人工呼吸管理を行なう。気管内挿管が基本として行なわれる。気管内挿管方法は患者の状態や予測される挿管期間などを考慮して選択される。気管内挿管時は絨毛運動による気道内分泌物の運搬は不可能となることや、挿管チューブによって声門の閉鎖が妨げられ自力での効果的な喀痰の排泄が困難になることから喀痰の吸引が必要になる。喀痰の貯留は気道閉塞や無気肺から肺炎を合併するので1~2時間毎の吸引が望ましい。また人工呼吸器の設定は、患者の血液ガスデータや、自発呼吸の有無や強さに応じて決定される。人工呼吸中はファイティングがおこると換気不全となるため、筋弛緩薬や鎮静剤の投与で自発呼吸を抑えたり、または患者の自発呼吸の能力を観察し補助呼吸の設定などに変更していくことがある。

2.循環管理
 呼吸状態の急変により突然の頻拍や徐脈を呈することがある。不整脈がみられることも多い。呼吸状態とあわせて十分にモニターをチェックする必要がある。また急性呼吸不全に引き続いて循環不全を起こし、全身状態が悪化することも少なくない。逆に心不全などの循環系疾患でも呼吸不全を起こすことがあり、循環動態のチェックが必要である。このためスワンガンツカテーテルを留置し血行動態を把握したり、水分バランス、頚静脈の怒張や浮腫の有無などの全身状態の観察が必要となることがある。ドーパミンの持続点滴などを行なうこともある。

3.精神的サポート、苦痛の緩和
 「息ができない」という危機的状況に陥り、死の恐怖や不安、苦痛を生じている。不安によりさらに呼吸困難を増強させるため、心の安静が必要である。患者に状況をわかりやすく説明したり、処置やケア前に声かけを行なっていく。症状が強いときにはできるだけ傍につきそい患者に安心感を与えるようにしていくことが求められる。また気管内挿管中は声がでないため意志の疎通が十分にできないことや、挿管による苦痛などつよいストレスとなっていることが予測される。コミュニケーションの方法を工夫するなどのサポートが必要である。低酸素血症では不穏、興奮が出現するおそれがある。病態とあわせて評価し、状況に応じて薬物による鎮静が考慮される。呼吸苦がある時には安楽な体位をとるようにする。ファーラー位や半座位、起座位は横隔膜が下がり呼吸面積が広くなり換気量が増加して呼吸がしやすくなる。また肺鬱血がある場合は下半身からの静脈還流が減少し肺血流量、心拍出量が減少して呼吸が楽になる。

4.脳神経障害
 呼吸不全に伴う脳神経障害はCO2ナルコーシスによるものと低酸素血症によるものと にわけられる。原因を把握したうえで対処していく。症状がみられるのは状態が悪化していることをあらわすので、緊急性が高く迅速な対応が求められる。

5.輸液の管理
 PaO2<40mmHgやPaC02>65mmHgも乏尿の原因となりうる。腎機能にも影響がでることもあり、血圧や使用される抗生物質の影響にも注意しなければならない。また、心不全の悪化など循環動態にも影響を及ぼすため厳重な輸液管理、水分バランスのチェックが必要である。

合併症

 1.酸素の加湿・加温の問題
 加湿されていない酸素を吸入すると気道粘膜の乾燥を招く。6~8時間の乾燥ガス吸入でPaO2低下がみられる。低温ガスでも同じ障害をおこす。一方、過剰な加湿はチューブ 内の水の貯留や分泌物の過剰喀出を招く。また過剰な加温は体温の上昇や肺熱傷を合併する危険がある。

 2.酸素中毒
 高酸素分圧には生物毒性があり、長期投与すると絨毛の運動抑制や肺水腫、肺出血を引き起こす。

 3.感染
 加湿に用いる水も細菌繁殖の温床となりやすい。また、気管内挿管中は挿管チューブにより口・鼻腔や咽・喉頭に存在する感染防御機構をバイパスする結果、肺感染症の合併を招きやすくなる。特に制酸剤やH2ブロッカーの投与で胃内pHが4~6に上昇するとグラム陰性菌が胃内で増殖する上、経鼻胃管が胃内の細菌の上行感染を助長するので注意が必要である。

 4.CO2ナルコーシス
 不用意にO2を投与すると、低酸素による刺激がなくなりCO2蓄積による意識障害を引き起こす。

 5.不整脈
 呼吸不全が悪化し低酸素症が著しくなると心室頻拍や心室細動などの致死性不整脈の出現するおそれがある。

 6.人工呼吸器使用中の合併症
 気道内圧上昇により気胸を起こすと短時間のうちに緊張性気胸となりショックから心停止に至ること


看護計画

Ⅱ.問題リスト

#1.ガス交換障害による低酸素血症、高炭酸血症
   [要因]・低酸素血症:
         1)肺胞酸素分圧の低下
          (1)酸素供給不足(肺胞換気低下、吸入酸素低下)
          (2)酸素消費量(高体温、過激な運動)
         2)血液への供給能力
          (1)拡散障害
          (2)換気血流比の増加
          (3)毛細管血流量の著減
         3)静脈血の混合
          (1)無気肺、換気血流比の著減(肺内シャント)
          (2)心大血管シャント、動静脈瘻(心内シャント)
       ・高炭酸ガス血症:
         1)肺胞換気の低下
          (1)呼吸運動低下
          (2)気道の広範囲な狭窄、閉塞
         2)肺血流の減少
          (1)高度な肺梗塞 
          (2)高度な間質障害

#2.呼吸不全に関連した循環障害
   [要因]・器質的変化及び低酸素性肺血管攣縮からくる肺血管抵抗による肺高血圧症
       ・肺高血圧症に伴う右室の肥大、拡張による肺性心
       ・低酸素血症による左心不全、ARDSや敗血症に伴う肺水腫
       ・低酸素血症、低カリウム血症、酸塩基障害による不整脈

#3.人工呼吸器使用中における合併症
   [要因]・分泌物貯留による気道閉塞、肺、気道感染
       ・気道確保に起因する気道の損傷、チューブトラブル
       ・人工呼吸器の管理面での問題
       ・気道内容圧に起因する肺損傷、循環抑制

#4.精神的不安
   [要因]・呼吸苦、死への恐怖
       ・状況を理解していないことによる知識不足
       ・言語的コミュニケーション障害
       ・治療的環境に関連した不安

#5.原因疾患の存在
   [要因]・呼吸中枢の障害
       ・脊髄末梢神経呼吸筋の障害
       ・胸郭及び胸膜の障害
       ・気道、肺の障害
       ・心、血管系の障害

#6.呼吸不全に関連した脳神経障害
   [要因]・炭酸ガスに由来するCO2ナルコーシスと低酸素血症による脳障害

#7.呼吸不全に関連した消化器系障害
   [要因]・低酸素血症、高炭酸ガス血症、アシドーシス、ストレス、栄養障害による胃潰瘍や上部消化管出血

#8.臥床安静による褥創発生
   [要因]・免疫能の低下
       ・低栄養
       ・鎮静剤使用による体動制限


Ⅲ.看護目標

1. 適切な治療処置により呼吸状態が安定する

2. 呼吸不全に関連した合併症の早期発見と予防に努める

3. 不安、苦痛が緩和され危機的状況から脱し精神的安静が保たれる



Ⅳ.看護問題

#1.ガス交換障害による低酸素血症、高炭酸ガス血症
   [要因]・低酸素血症:
         1)肺胞酸素分圧の低下
          (1)酸素供給不足(肺胞換気低下、吸入酸素低下)
          (2)酸素消費量(高体温、過激な運動)
         2)血液への供給能力
          (1)拡散障害
          (2)換気血流比の増加
          (3)毛細管血流量の著減
         3)静脈血の混合
          (1)無気肺、換気血流比の著減(肺内シャント)
          (2)心大血管シャント、動静脈瘻(心内シャント)
       ・高炭酸ガス血症:
         1)肺胞換気の低下
          (1)呼吸運動低下
          (2)気道の広範囲な狭窄、閉塞 
         2)肺血流の減少
          (1)高度な肺梗塞 
          (2)高度な間質障害


O-1.呼吸
     1)自発呼吸の有無、呼吸苦の程度、チアノーゼの有無、顔色
     2)呼吸数、深さ、型、呼吸音
     3)呼吸様式(努力呼吸、起坐呼吸、下顎呼吸、無呼吸発作、陥没呼吸の有無)
     4)胸郭の動き
     5)喀痰、気管内分泌物の量、性状
  2.意識状態及び神経症状
     1)意識レベル
     2)瞳孔径、対光反射
  3.随伴症状
     1)バイタル変化(血圧、脈拍、不整脈、発熱)
     2)頭痛
     3)眩暈
     4)錯乱
     5)発汗
  4.検査データ
     1)血液ガス
     2)SpO2モニター
     3)胸部X-P
     4)喀痰培養
     5)気管支ファイバー
     6)一般血液(Hb、Ht)

T-1.気道確保、肩枕の使用、必要時挿管の準備及び介助
  2.効果的な酸素吸入
     1)低濃度酸素投与(経鼻カニューラ、ベンチュリーマスク)
     2)高濃度酸素投与(リザーバー付き酸素マスク、テント)
     3)加圧による酸素投与(IPPB、ベンチレーター、アンビュー)
  3.安楽な体位を工夫する(呼吸仕事量軽減のためセミファーラー位にする)
  4.薬物療法の介助
     1)気管支拡張剤
     2)利尿剤
     3)抗生物質
     4)ステロイドホルモン剤
     5)酸塩基平衡の是正
     6)輸液
  5.対症療法の実施
     1)肺理学療法(体位排痰法、リラクセーション、胸郭可動域訓練、呼吸訓練)
     2)体位変換1~2時間ごと
     3)吸痰介助
     4)酸素消費を増加させることは避ける
  6.気管支ファイバーの介助

#2.呼吸不全に関連した循環障害
   [要因]・器質的変化及び低酸素性肺血管攣縮からくる肺血管抵抗による肺高血圧症

  &異常の早期発見と適切な治療により循環動態が安定する
  $早急

O-1.循環系
     1)血圧(初期時は上昇、進行期は低下)
     2)脈拍(初期時は増加、徐々に減少し徐脈)
     3)心電図(不整脈の有無)
     4)血行動態(肺動脈圧上昇、中心静脈圧、心拍出量、肺動脈楔入圧)
     5)時間尿量と水分バランス、比重、浸透圧
     6)体温
     7)皮膚温、皮膚色、冷汗
     8)自覚症状(動悸、眩暈、嘔気)
  2.全身状態(浮腫、静脈の怒張、肝腫大)
  3.検査データ(腎機能、電解質、胸部X-P)

T-1.医師の指示による確実な薬物投与
     1)強心剤
     2)抗不整脈剤
     3)肺動脈圧上昇に対して血管拡張療法
     4)利尿剤
     5)アルブミン製剤
     6)酸塩基平衡の是正
  2.末梢の保温


#3.人工呼吸器使用中における合併症
   [要因]・分泌物貯留による気道閉塞、肺、気道感染
       ・気道確保に起因する気道の損傷、チューブトラブル
       ・人工呼吸器の管理面での問題
       ・気道内容圧に起因する肺損傷、循環抑制

  適切な人工呼吸療法が受けられ、合併症を起こすことなく呼吸状態が安定する
  人工呼吸器離脱まで

O-1.呼吸状態
     1)呼吸様式、呼吸パターン、呼吸数
     2)呼吸音
     3)胸郭の動き(左右対称性、呼吸筋力低下の程度)
     4)ファイティング、バッキングの有無
     5)気管内分泌物の性状
  2.バイタルサイン
     1)血圧低下、心拍数増加
     2)発熱の有無
  3.血行動態(心拍出量の低下)
  4.時間尿量と水分バランス
  5.血液データ(WBC、CRPなど)
  6.人工呼吸器
     1)設定条件(モード、FiO2、呼吸数、分時換気量、I:E比)
     2)実測値(気道内圧、呼吸数、換気量)
     3)アラーム設定値
     4)チューブ、回路のリーク、閉塞
     5)加温、加湿

T-1.気道閉塞、肺、気道感染に対して
     1)気管内吸引
     2)吸引後はアンビューで加圧
     3)肺理学療法
     4)体位変換
     5)医師の指示による薬物療法(去痰剤、抗生物質)
     6)口腔、鼻腔内保清
  2.気道損傷、チューブトラブルに対して
     1)チューブの固定の工夫(ある程度の可動性をもたせる)
     2)気管内吸引
     3)2週間毎のチューブ交換
     4)加温、加湿
     5)カフ圧チェック
     6)患者の鎮静(医師の指示のもと鎮静剤投与)
  3.肺損傷、循環抑制に対して
     1)緊急的対症療法(胸腔ドレーン)の介助
     2)気道内圧を低下させる工夫(換気条件の変更、患者の鎮静)
     3)輸液による循環血液量の維持
     4)医師の指示による強心剤、昇圧剤の投与


#4.精神的不安
   [要因]・呼吸苦、死への恐怖
       ・状況を理解していないことによる知識不足
       ・言語的コミュニケーション障害
       ・治療的環境に関連した不安

  不安・苦痛が緩和され危機的状況から脱し精神的安静が保たれる
  できるだけ早急

O-1.患者の言動、行動、表情を注意深く観察
  2.睡眠状態

T-1.患者が訴えやすい環境を作る
     1)声かけを頻回に行なう
     2)訴えをよく聴く
  2.不用意な言動は慎む
  3.効果的なコミュニケーションを図る(50音字表、指文字、筆談)
  4.危機的段階に応じた援助
  5.気分転換を図る(ラジオ、音楽)
  6.夜間睡眠がとれるように配慮
  7.面会の配慮
  8.医師から十分に説明が受けられるように仲介
  9.医師の指示による鎮静剤の投与
  10.必要時抑制帯の使用

E-1.集中治療室に関する説明
  2.処置、検査、ケアに関する説明
  3.抜管すれば再び会話できることを説明

#5.原因疾患の存在
   [要因]・呼吸中枢の障害
       ・脊髄末梢神経呼吸筋の障害
       ・胸郭及び胸膜の障害
       ・気道、肺の障害
       ・心、血管系の障害


O-1.呼吸状態
  2.バイタルサイン
  3.意識レベル

T-1.原因疾患に対する治療処置の介助

#6.呼吸不全に関連した脳神経障害
   [要因]・炭酸ガスに由来するCO2ナルコーシスと低酸素血症による脳障害

  異常の早期発見に努め、二次的合併症が起こらない
   呼吸状態が安定し意識状態が回復する
  
O-1.意識レベルと症状チェック
     1)CO2ナルコーシス(頭痛、倦怠、傾眠、記銘力・思考力減退、昏迷、昏睡)
     2)低酸素血症(企図振戦、不随意運動、意識消失)
  2.血液ガスデータ

T-1.異常時は速やかに医師に連絡
  2.環境を整え、転落や自己抜管などの危険を防止
  3.不穏時は抑制帯の使用や医師の指示による鎮静剤の投与
  4.声かけし不安の除去


#7.呼吸不全に関連した消化器障害
   [要因]・低酸素血症、高炭酸ガス血症、アシドーシス、ストレス、栄養障害による胃潰瘍や上部消化管出血

  

O-1.胃部・腹部症状(心窩部痛、嘔気、嘔吐、腹部膨満、吐血、下血の有無と性状)
  2.バイタルサイン
  3.血液データ
  4.栄養状態
  5.精神状態、ストレス状況

T-1.腹圧を高めることは避け、安楽な体位を工夫
  2.出血を起こした場合は速やかに医師に連絡し指示を仰ぐ
  3.環境の整備に努め、落ち着いた雰囲気をつくる
  4.薬物療法の介助


#8.臥床安静による褥創発生
   [要因]・免疫能の低下
       ・低栄養
      ・鎮静剤使用による体動制限
  褥創が予防できる
  離床できるまで

O-1.皮膚の状態(褥創好発部位の皮膚色、発赤の有無)
  2.循環障害の有無
  3.疼痛の有無
  4.一箇所に長時間の圧迫はないか

T-1.体位変換
  2.良肢位の保持
  3.エアマットの使用
  4.清拭
  5.シーツ、寝衣のしわをのばす
  6.SpO2センサーは2時間ごとに位置変換し圧迫壊死を避ける
  7.発赤時はデュオアクティブ貼用