統合失調症患者の標準看護計画(慢性期) | ナースマンの部屋

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私のひとりごと

#1.自己概念の障害
  &・自分の欲求、不安、満足感を表現できる。
    ・ストレスを体験した時、そのことを表現できる。
  $・3ケ月
    ・6ケ月

O-1.以下のことを観察しアセスメントする
     ・患者が直面したストレスイベント
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・ストレス耐性
     ・不安
     ・幻覚、妄想
     ・引きこもり
     ・集中力
     ・受身性
     ・セルフケア能力
     ・セルフマネージメント能力
     ・サポートシステム

T-1.患者に積極的な感心を示し否定的な批判は避けて、安全感のもてる環境を提供する。
    患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
    a.会話の内容がつながらなくても自由に話を続け、患者が避ける話題を追求しない
    b.幻覚・妄想に関しては内容に触れない。否定も肯定もせず、患者固有の主張としてまとめ看護婦には感じられないことを伝える。
    c.患者の体験の言語化、明確化を助け、必要があれば他者との間の橋渡しをする。
    d.セルフケア能力、セルフマネジメント能力を査定し、必要なケアを実施する。患者ができることは可能な限りさせ、不必要な世話はしない。
    e.集団精神療法、作業療法、レクリェーションへの参加を勧める。参加に際しては集団への送り出しと受け入れを援助して集団への出入りを補助し、他者と一緒の集団の中にいられる体験を支援する。

#2.セルフケアの不足
  &・病棟の日課に沿ってセルフケアを実践できる。
    ・日常生活の不安を軽減できる。
  $・6ケ月
    ・6ケ月

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
     ・セルフケア能力
       摂食
       保清
       更衣
       排泄
       道具使用(電話をかける、洗濯機の使用、食料の調達と調理、交通手段の利用、
       薬物管理、金銭管理)
       安全保持
     ・セルフケアに必要なコミュニケーション能力(意思伝達、危機伝達)
     ・セルフマネージメント能力
     ・薬の副作用
     ・無為、自閉傾向
     ・自分で自分を楽しませる能力(テレビを見る、本を読む、音楽を聞く)
     ・サポートシステム

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて安全感のもてる環境を提供する。
    患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
  2.患者のセルフケア能力のアセスメントに基づいて、1日の生活活動計画と援助方法を明確にし、患者と共有する。
     ・生活活動計画は、無理がなく実践可能であること。
     ・計画通り実践ができるように患者を励まし、できたことは評価する。
     ・看護者は根気強く援助し、患者のセルフマネージメント能力を育てるために、生活リズムの枠を与える人としての信頼感を築くように努力する。
  3.現実的な行動能力、表現能力を活性化し、活動性を高める。
     ・患者のできることは可能な限りさせる。不必要な世話はしない。
     ・適切な気分転換活動を日課に取り入れ、積極的に支援する。
     ・集団精神療法、作業療法、レクリェーションへの参加を勧め、表現を促進する。
      参加に際しては集団への送り出しと受け入れを援助して、集団への出入りを補助する。

E-1.家族に患者のセルフケア能力と援助方法について指導、患者とも共有する。

#3.ノンコンプライアンス
  &・治療に対する不安や不満を表現できる。
    ・継続治療の必要性を受け入れる。
  $・1ケ月
    ・6ケ月

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
     ・自己概念(価値観、態度、感情)の障害
     ・疾病および治療に対する認識
     ・非現実的な不安
     ・幻覚、妄想
     ・セルフマネージメント能力
     ・病状の変化
     ・服薬拒否
     ・薬の副作用
     ・苦痛の訴え
     ・外来通院中断の既往
     ・治療者との関係
     ・サポ-トシステム
     ・コンプライアンスを阻害する内的、外的因子

T-1.コンプライアンスを阻害する因子が明確になれば、患者の能力に合わせて援助方法と教育プランを検討する。
  2.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
  3.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
     ・会話の内容がつながらなくても自由に話を続けさせ、患者が避ける話題を追求しない。
     ・幻覚、妄想に関しては、否定も肯定もせず、患者固有の主張としてまとめ、看護者には感じられないことを伝える。
     ・患者の体験の言語化、明確化を助け、必要があれば他者との間の橋渡しをする。

E-1.心理、社会教育プログラムを活用する。
     ・継続治療と薬物治療の必要性と薬の副作用について指導する。
     ・治療に対する不安や苦痛が発生した時の対処方法を教える。
     ・退院後の対応についても、患者、家族と対応方法を共有する。

#4.社会的相互作用の障害
  &・集団の中で安全感がもてるようになる。
   ・生活技能および対人関係の向上がはかれる。
  $・3ケ月
   ・6ケ月

O-1.以下のことを観察し、アセスメントする。
     ・対人関係パターン
     ・自己概念の障害
     ・ストレス耐性
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・幻覚、妄想
     ・非現実的な不安
     ・引きこもり
     ・意欲の減退
     ・セルフケア能力
     ・セルフマネ-ジメント能力
     ・気分転換活動
     ・社会的孤立
     ・サポ-トシステム

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。
    患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
    また、他の患者との距離の調節に介入する。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
     ・会話の内容がつながらなくても自由に会話を続けさせ、患者が避ける話題を追求しない。
     ・幻覚、妄想に関しては否定も肯定もせず、患者固有の主張としてまとめ、看護者には感じられないことを伝える。
     ・患者の体験の言語化、明確化を助け、必要があれば他者との間の橋渡しをする。
     ・患者自身の言動で生じる不安の耐性を高める。
  3.現実的な行動能力、表現能力を活性化して活動性を高める。
     ・患者のできることは可能な限りさせる。不必要な世話はしない。
     ・適切な気分転換活動を日課に取り入れ、積極的に支援する。
     ・集団精神療法、作業療法、レクリェーションへの参加を勧める。必要があれば、集団への出入りを補助し、他者と一緒に集団の中にいられる体験を支援する。
  4.ほとんどの患者は社会的孤立の状態にある。患者の引きこもりを尊重しながら、声をかけ、持続的に社会的孤立の状態に置かないように努める。

E-1.心的エネルギーが回復したら、対人関係能力を高めるために生活技能訓練を行い生活技能と対人関係能力を補強する。

#5.家族機能の変調
  &・患者との間に適切な距離をおいて対応できる。
   ・患者の服薬とリハビリの必要性を理解し、患者を支援できる。
   ・対応に窮した時は援助を求めることができる。
  $・3ケ月
   ・1ケ月
   ・1ケ月

O-1.以下の項目について家族を観察し、アセスメントする。
     ・家族構成
     ・家族の状態(家族が抱えている問題と資源、世代間の境界)
     ・病気および継続治療の必要性の理解
     ・患者への感情表出(怒り、敵意、悲観)
     ・自己概念および役割意識
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・過保護および自己犠牲的な行動
     ・情緒的な巻き込まれ
     ・不安
     ・感受性
     ・対人関係パターン
     ・現実検討能力
     ・欲求不満の耐性
     ・感情保持能力
     ・表現力
     ・内省力
     ・無力感
     ・怒り
     ・世間体へのこだわり
     ・サポートシステム
     ・家族間の力関係と相互作用
E-1.家族が患者の病気と薬物療法を継続する必要性を理解できるように援助する
  2.患者のセルフケア能力、セルフマネージメント能力を家族と共有し、患者のできることは可能な限りさせる
    不必要な世話をしないための援助方法を指導する
    特に服薬管理の重要性を強調する
  3.患者への対応方法を教示する
     ・会話の内容がつながらなくても自由に話を続けさせ、患者が避ける話題の追求はしない
     ・幻覚、妄想に関しては、否定も肯定もせず、患者固有の主張としてまとめ、家族には感じられないことを伝える
     ・患者の引きこもりを尊重しながら積極的に声をかけ、社会的孤立状態に持続的に置かない。
     ・家族の患者への批判、非難、強制的な態度が再発を促進することを教示し、患者の言動に感情的にならず、
      おだやかに親切に対応する。
     ・家族の過保護や自己犠牲的な行動、情緒的な巻き込まれが再発を促進する因子になりやすいことを教示し、
      患者が家族との間にとろうとしている距離を見極めて対応する
  4.患者の活動性を高め、社会的能力を向上させるために、現実的な行動能力と表現能力を活性化する必要があることを指導し、
    退院後の活動プランを患者を交えて検討し、活動計画と援助方法を共有する
     ・適切な気分転換活動や作業を日課に取り入れ、積極的に支援する
     ・デイケア、外来集団治療等のプログラムを活用する
     ・患者が生活活動の枠を活用できるように根気強く支援する
     ・家族が対応に窮した時の援助を求める方法を共有する