年末調整の時期です 準備は早めに

　源泉徴収義務者にとって大変重要な年末調整事務の時期がやってきます。
　年末調整をする給与は、１２月の最後に支給する給与について行われます。

　したがって、年末調整の計算は、今年の最後の給与の支給日の前までに行わなければなりません。
　そして、計算した結果、所得税額が徴収不足となる受給者からは、その今年最後の給与の支給金額から徴収することとなります。また、超過となっている受給者には、源泉徴収義務者が他の者から預かった納付すべき所得税から還付することとなります。

　年末の忙しい時期ではありますがスケジュールを立てて誤りのない年末調整事務を行わなければなりません。

　年末調整をする日までに少なくとも次の事項を手当てしておくことをお勧めします。


　給与の受給者に対しては、次の指導を行う。

◆「扶養控除等申告書」が提出されていない受給者には早急に提出するよう指導する。
　　「扶養控除等申告書」が提出されていない受給者については年末調整ができません。
　　他に給与の支払いを受けている者に対しては、当事業者が主たる給与の支払者となる場合には当事業者に提出するよう指導します。

◆中途就職者については、前職に係る源泉徴収票を入手するよう指導する。
　　前職に係る源泉徴収票がなければ年末調整をしないで、受給者が個人で前職分と合算して確定申告を行わなければならないことを説明し、早期に入手するよう指導することが大事です。

◆提出されている「扶養控除等申告書」を受給者に返戻して各記載事項について再確認し、補正又は追記を行ってから再提出をするよう指導する。
　　指導の際に、次の扶養親族等の所得金額に注意するよう指導してください。

◆控除対象配偶者や扶養親族等の今年１年間の所得金額（把握日以降も働いている場合は１２月３１日までの見積金額）を年末調整時期までに的確に把握するよう指導する。特に、
　イ　アルバイトをしている親族についてはその者の収入金額を的確に把握するよう指導する。
　ロ　控除対象者となる親族に退職所得、譲渡所得及び一時所得等があった場合には、控除対象者に該当しないことがあるので注意を促す。
　ハ　所得金額と収入金額の違いについて説明する。

◆添付すべき証明書類（保険料控除証明書等）については、わかりやすい説明書等を交付して提出もれとならないよう指導する。（扶養親族等の所得金額と合わせた説明書を作成するとよいと思われます。）
　

　年末調整事務担当者は、次の事項の確認等をする。

◆現金支給手当で源泉徴収簿に記載されていないものを確認し、各人ごとに集計しておく。

◆経済的利益のうち給与課税となるもので源泉徴収簿に記載されていないものを確認し各人ごとに集計しておく。

◆未払いとなっている給与が源泉徴収簿に記載されているか確認する。

◆外国人でも居住者に該当する人は年末調整の対象者です。
　　扶養控除等申告書等の関係書類が提出されているか確認しておく。