2416 :マイクロトランス(SMD ED8)のブッチギリ優秀な「巻線間容量」について | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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はじめに


「静かだ」「圧倒的に静かだ!」

その能力発見から1年半、マイクロトランス「SMD ED8」トランス使用のMEMS型マイクが熱い。

入手先によって10倍以上価格が違うのも不思議なパーツ。

 

 

前々号では「ファンタム式パナ改マイク」:LZ-T 」を発表したばかり、

なぜこのマイクロトランス式のマイクロホンLZ-Probe-T 」は小さいのにノイズ環境の良くないホールの長距離伝送でも問題なく良い結果をだせるのか、今一度考察することにした。

 

そもそも、このトランスの採用は2022~3年、ホール・吊り回線とマイクロホンのEMC問題を解決させることを目的に、XLRコネクタの中に組み込めるサイズの優秀なトランスを血まなこで探し求める中、たまたま怪しいトランスに出会った。

 

「SMD ED8 /合金 鉄ニッケル變壓器/ 600Ω:600Ω」

 

  すなわち「パーマロイコアトランス」のことらしい、別に騙されてもいい、ダメモトで入手した見ず知らずの超小型トランス。

トランスのインピーダンスなんて使い方で何とでもなるし・・・

そして入手してみて驚いた、その優秀な音声に思わず「おっ!」。

 

 

その驚きといきさつは、かつてこのサイトで発表した記事、AMAZON「激安中華マイク改造」の時とよく似ている。

 

それは国内だけでなく世界的にブームを巻き起こした「簡単な改造で2500円のコンデンサマイクが10万数10万円の高級コンデンサマイクと対等に勝負できる」というこのサイトのヒット作。

その大ブレークの余韻は今なお続いており、これはメーカー製品に大きく影響してきた。

 

 

 

(SMD-ED8 トランスの場合)

価格も同一品が91円から1,500円まで16倍以上の差がある、貴方ならどれを買う?

 

 

 

 

 

Probe-T 」の実態から見えるもの

 

そしてこの怪しいトランスを初めて搭載し、回路上一切のアクティブ素子を排したMEMS型マイクProbe-T 」は公共ホールでの3桁万円級の超高級マイクの不満を解決し、これをあっさりと降ろす決断をさせたりして話題を作りつつあるが、これは単なる素人自作マイクなのか。

 

世界の常識は「実は非常識」だったのではないのか。

 

 

(回路図)

 

 

 

 

  トランスのアイソレーション

ここに11種類のアイソレーショントランスを準備した。

P(一次巻線):S(二次巻線)で両者の関係は「M」=Mutual Inductance「相互インダクタンス」だけで成り立っているように見えるが、1次側、2次側の関係は実際にそうなのだろうか、答えは「ノー」です。

 

 

 

 

 

実際、各トランスはどの程度の線間容量なのか測定し、またその等価結合インピーダンスを算出しました。

 

       (今回測定した11個のトランス)

 

 

 

 

 

各種トランスとの比較

まず最初に「SMD ED8」 5Pマイクロトランスの「巻線間容量」を測定し、次に「EI-14絶縁トランス」を測ってみた。600Ω:600Ωの併売機種であるが、その値は天国と地獄ほどの違いだ。

驚いて、手持ちのトランスを次々測定していった結果記録です。

 

 

 

(筆者手元の11種類のトランスを測定)

容量測定は下記3台のLCRメーターを用い、それぞれ測定した平均値をとった。

1.CM-7115A(秋月)  2.ELC-100  3.DM6243(秋月)

 

 

この表から見えるのはマイクロトランスのストレー(浮遊)容量である「巻線(P-S)間容量」がいかに小さいかです。

マイクロトランス「SMD ED8」 のそれ「ブッチギリ」だとわかった。

その値は老舗であり国内一流といわれるが、概して結果に結びつかない「TAMURA」の、なんと1/100です。

これはいったい何を意味するのだろう。

 

等価結合インピーダンス値もあわせてご参考ください。

 

 

(マイクロトランス SMD ED8の使用例)

 

 

 

 

 

(Chat GPTに聞いてみたら)

「トランス 巻線間容量が少ない場合の利点とは?」

  1. 高周波ノイズの低減

    • 巻線間容量が少ないと、一次側から二次側への高周波ノイズのカップリングが減少します。これにより、マイクロホンの出力信号に対する高周波ノイズの影響が少なくなり、よりクリーンなオーディオ信号が得られます。
  2. 信号の忠実度向上

    • 巻線間容量が小さいと、一次側と二次側間の不必要な電気的結合が減り、信号の忠実度が向上します。特に高周波成分が多い音声信号では、これが重要です。
  3. 絶縁性能の向上

    • 巻線間容量が少ないと、一次側と二次側間の絶縁性能が向上します。これにより、外部の電磁干渉(EMI)や電源ハムノイズの影響を受けにくくなります。
  4. 周波数特性の改善

    • 巻線間容量が小さいと、トランスの周波数特性が改善されます。これにより、より広い帯域でフラットな周波数応答が得られます  

 

 こう答えてくれました。

 
      以上

 

 

 

 

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