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こんなバイノーラルマイク有っていいのか!
結論は複雑な問題の中「失敗」とします。
失敗の中からあまりにも多くを学べるので以下、記事とします。
それは人間の「脳」のはたらきに対して「脳」機能を持たない機械である「マイクロホン」との決定的な違い、その違いが解決できない限りこのようなバイノーラルマイクロホンは絶対に成り立たない、ということです。
逆にマイクロホンが高度な「Ai脳」を持てばその問題は解決する、とも言えます。
(注意・危険)耳に深刻なダメージを起こす可能性が有ります、筆者の自己責任でおこなった実験、試作です。
★良い子はけっしてマネをしてはいけません。
リアル(実)外耳道挿入型バイノーラルマイク
このまま耳かきのように外耳道に入れた。(外耳道長は約3cm)
位置A・B・Cおよび×点で実験。(耳を傷つける恐れがあります)
とにかく小さい。 IM73A135V01にMogami 3019(3芯シールド)を半田付した。 (このまま超極小マイクとしても使える)
このまま耳に挿入しました。(半田付部は紫外線固定接着剤処理)
バイノーラル収音法にもいくつかありますが人間のリアル外耳道に仕込む方式はマイクの大きさなどの問題でこれまで実現できなかった方式です。
*もし現実に存在する場合は管理人まで教えてください。
MEMSマイクの極小で優秀な品種が現れたことにより「夢の?」バイノーラルマイク」を試作してみましたが・・・・・
それは極小マイク(IM73A135V01)を実際の外耳道に挿入して収音する方法です。
それは危険を伴うかもしれません。
しかし「耳かき」同等の大きさにつき自己責任で試作・テストしました。
でも決して同一実験はおすすめしません。
★外耳道バイノーラルの異次元の特徴を学ぶことになりました。
マイクはヒトの耳に代われるのか
答えは「ノー」、はるかに及ばない。
(図1)
(記事巻頭に注意あり)
特にB・Cまたは鼓膜位置はマイクロホンとしてはあり得ない位置であり、決定的問題によりこの方式は原理的に成り立たないことがわかった。
(特徴)
1.自分の耳の外耳道にマイクを装着することにより、いつも聴いている音にもっとも近いリアルな音が実現するはずだ・・・と早合点していた。
半閉管の開き口、Aでは2.8~3KHzのピークが急峻で激しい、管共鳴だ。
ピークレベルはB、Cと外耳道奥に行った場合、2.8KHzの急峻な尖りが少しなだらかになる程度で、今回の実験ではきわだった変化はみられなかった。
外耳道の浅い位置ではその奥をふさげばよい、ノイマンがこの位置だ。
2.ただし特筆したいのは外耳道内ではバイノーラル収音者自身によるアナウンスがきわめて自然な音で収音できること、骨伝導より遥かにリアル、これは使えるバリエーションだと感じた。
また、耳たぶ位置(×)ではその恩恵はない。
★高騒音下のアナウンス放送・収録などには条件付きで使える印象を持った。
(短所)
1.2.8~3KHz付近のピークが発生し、外耳道の開口部ほど強い。
それは外耳道の径と長さから成る円筒共鳴器(レゾネーター)になっています。
近隣で発生しているその効果は耳たぶ位置でもわずか影響されている。
2.耳たぶ(耳貝)によるハイパスフィルタが構成される。
3.「鼓膜」には触れない範囲で自ら装着してテストしましたが、身体にたいして安全な範囲、音の自然な範囲を何回か考えて装着する必要がありました。
4.背面側に定位しがち、耳の奥に行くほどフロント定位はせず背面定位または頭内定位となる。
しかし耳たぶ位置ではその問題は薄れ、ワイドレンジかつ一般的なバイノーラルに近くなる。
5.三半規管を刺激するためか、耳から外した直後短時間だが平衡感覚に違和感を感じた。
参考
なお耳の構造を模したノイマンの「Dummy Headマイク KU 100 」では疑似外耳道端から1cmくらいの位置にマイクがあるが、その奥の構造はない。
外耳道構造まで作り込んだ場合はこの実験と同様に使い物にならないマイクになるでしょう。
なぜ耳は3kHz付近のピークを感じないのか
ヒトの外耳道の音響的役割は、「半閉管」構造の外耳道の共鳴周波数を3kHz付近をブーストして会話を聴きやすくするしてあることが指摘されている。
そしてヒトの聴感覚は「脳の働き」でフラット化させるという神の領域の構造・機能を備えている、「そこまでやるのか」と感動するやら・・・
これを備えていないマイクロホン(機械)では耳の代替にはなり得ない。
人の耳とマイクとの決定的違いがに現れた
「脳」による補正機能を持たない「マイクロホン」では鼓膜部に装着しても絶対にまともな音にならず、ホワイトノイズと3kHzが強烈に持ち上がったような音が関連文献と今回の実験から予想されます。
しかしヒトの脳はそれをフラットな音として認識するわけで、とんでもない能力を我々は備えています、「マイクは音響理論」でしか動作しないが、ヒトの耳では難なくそれを補正してしまう。
「音響心理」をはるかに超えた聴覚を備えているといっていいでしょう。
他の生き物の場合もおそらく進化の歴史のなかで、独特の聴こえ方を有しているのでしょう。
「脳内イコライザー」同等のイコライザー及び定位機能を備えたAI機能を備えた場合、はじめて外耳道マイクは成り立つのでしょう。
その意味でノイマンの「Dummy Headマイク 」はこの問題とも向き合い良く研究された作品であることに深い敬意を払います。
参考文献 :誠文堂新光社「音質のすべて」
回路図
ファンタムAMP部はIM73A135v01のノーマルポジションに合わせた回路アレンジをしました。
実装状態
差動入力につきミニXLR側は4Pブラケット(M-XL-4-14)使用
左右マイク部
イヤーホルダーとして使った100均グッズ(キャンドゥ)
なお今回は音源のアップはおこないませんが、文面やスペアナ波形から読み取っていただけばそれ以上の結果はありませんのでご了解ください。
今回の結論は「失敗」とします。
★ 本記事の無断ネット盗用は犯罪です。
以上
おしらせ
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