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ファンタムAMP、FETでもローインピーダンス出力(300Ω)
電子平衡出力回路の定番、「ショップス回路」はPNPバイポーラTRで構成されます、しかしこれまでその変形回路を含めてFETでの事例は見たことがありません。
今回、Pch-FETで出力インピーダンス300Ωという結果を得ることができました。(2013年にブレッドボード試作発表したことがあります)
これでFET回路でも低インピーダンス出力100m超えが可能となりました。
なぜ「変形・・・」、それはコンデンサマイクカプセルのインピーダンス変換回路からの信号の取り出し方の違いです。それは「ソースフォロワ」か「D-S位相反転」回路かの違いだけです。
筆者の場合、あくまで「ソースフォロワ」の長所を生かすため典型的な「ショップス回路とはやや異なり、「ドレイン側出力」を使いません。
P-fet circuitと組み合わせたファンタム式パナ改マイク(WM-61A改)「P-fetⅡ」の例
電子平衡回路のプロフィール
2010年、このサイトからファンタム式パナ改マイク「FetⅡ」が生まれ、高い評価を受けることになりました。
そのとき設計したファンタム動作AMP部は最小のパーツで最高品位の音を得られる方式としてさまざまなバリエーションをもって一般化・定着しました。
ただ1つこの方式には泣き所があります、それは中インピーダンスOUTの為、長距離延長できないことです。
それは「Nch-FET、ドレインOUT」となるためローインピーダンスにはなり得ない性質があります。
コンデンサマイク一般に、トランスレス(電子平衡)方式の定番は「ショップス回路」です、それはカプセル出力をソースフォロワ分割出力しPNP-TRの差動回路のエミッタ出力でトランス使用同様にローインピーダンス出力を得る方式です。
一方当サイトの長距離向けにはPNPバイポーラTRによる「変形ショップス回路」として、ECMのドレイン出力を用いない「Lz 」型ファンタムAMPを用いて長距離向けに対応しています。
その優位性は「増幅」を拒否しているため徹底的に「低ひずみ」であることです。
今回、その変形ショップス回路をPch-FETで実現できたわけです。
当サイトの各機種出力インピーダンス
※すべて「電子平衡」(半導体バランス)回路採用です。
FETでもローインピーダンスを
10年前、Pch-FETを使ったローインピーダンス出力型(P-fet1)のボード上実験をしたことはありますが消化不十分でそのままお蔵入りしていました。
従来、ミニサイズのP-ch FET(2SJ-105など製造中止品)はあまり一般的ではなく品薄の中安定供給の難しいデバイスでもありました。
イサハヤ電子の2SJ498はそんなときリリーフ的に登場してくれました、2SK-2880もそうですが生産中止品の行き詰った状況を変えるには十分です。
Nchの2SK-2880は2SK-30や2SK-330の代替として定番化しました。
その2SK-330のPchコンパチである2SJ-105の代替として2SJ498が登場しました。それは品薄な2SJ-105とは比較にならないくらい簡単に入手できるようになりました。ランクはイサハヤの(D)が東芝の(GR)に相当します。
2SK-330/J105譲りのミニサイズパッケージも使いやすさの大きなポイントです。
2SJ498(D)・・・イサハヤ電子(秋月で購入)
Idssの測定による選別ペア化は必須です。
クセも飲み込めば十分使いやすい
ミニサイズ「Pch FET」が安定入手可能とわかり、10年前ボード試作に終わった「P-fet1」というPch FETを使ったローインピーダンス回路を使って再試作チャレンジしてみた。
いざやってみると作りやすさの点ではPch-FET式が筆者には合っているように感じた。
Cut-off周波数は「Lz」型、「Lzb」型では4.8Hz、十分可聴域以下ですので賛否両論ありますがC・RによるハイパスフィルタのCut-off周波数は完全フラットにしたいという要望も強く、「P-fet circuit」の0.7Hzという値はMEMSマイクへの応用でもさらに期待できることでしょう。
無指向性マイク
(バリエーション)
ご注意:この件は基本的かつ重要です。
一部ネット情報による「音穴は正しく正面に向けなければならない」、は「MEMSマイク」では正しくありません。
日本のマイクロホンは純物理的特性を追求した結果やがて総崩れした貴重な歴史を有しています。
一般コンデンサマイクで正しいことがMEMSマイクでは誤りとなる不思議な事実は実体験によってしか分かりません。
頭だけの思い込みと不勉強をこのきわめてコアな世界に持ち込むことは許されません。
MEMSマイクのダイアフラムは音穴に連続した位置にある場合と、それとはまったく無関係な構造内に存在する場合とがあります。
(さいごに)
ちょっとトラウマになっていることがあります。
それはこの回路実験当初、Z-OUT=80Ω/1kHzまで下がった値を記録しています。そのあとドレインの22Ωを外したとき一瞬50Ω台を指したあと150Ω、280Ωと上昇した経緯があります。
そのあと、FETデバイスを替え、もう一度替え、回路を見直しながら測定するもその夢の再現はナシ。
「読み違え」にしては今一つ納得できていない・・・
作り変えをおこなっても結果は同じ。
「真夏の夜の夢」か
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以上
おしらせ
MEMSマイク使用、話題のProbeⅡ、L-730memsおよびFetⅡmemsおよびそのLzタイプなど、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作を承っておりますのでお問い合わせください
fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb は今や貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作を承ります
モノ作り日本もっと元気出せ!
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