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(「記事2108との重複部があります)
先に試作した「 2108 :ICS-40730(MEMS)差動使用遠距離
向け「LZ」マイクの試作 」の問題点として、ケーブルがゴワゴワに硬く、1m1000円という恐ろしい高価、今回それを改善し完成させました。
「3芯シールド線」は音響の中では一般的ではないが、探せばあります。
愛三電気「S-MVVS 7/0.12 芯数3 外径3.2 黒」 (1m50円)で確定しました。
最初はMOGAMI「2790」(3芯、外径2.45) 1m165円を試しましたがボディやブッシングとのバランスが悪く、あっさりあきらめました。
(なぜそんなにケーブルにこだわる?)
①MEMSマイクはそれ自身ローインピーダンス出力のOP-AMP ICです。ICS-40730単体の出力インピーダンスは+側不平衡OUTで180Ω、±差動出力で430Ωです。
使い方次第で、XLR-AMP以前である程度長距離延長が可能な形式である特徴を持ちます。
そんな使い方のマイクが実現できますが、やはり柔らかいケーブルが求められます。
②誘電体雑音
マイク動作時、ケーブルをさわると「パサパサ」「コキンッ」「パツン・パツン」とノイズが入るものがある、粗悪品ケーブルである。
絶縁物(誘電体)と誘電体、導体間の容量の帯電電荷の変動がコンデンサマイクのように音を出す現象、これがいかに抑えられているかは重要。
9年前のこの時点では「未評価」でしたが、今回の確認でOKとなりました。
ファンタム式パナ改マイク「LzⅡ」(b)は「FetⅡ」の遠距離伝送版として、10年近く好結果を得てきました。
その「LzⅡ」(b)のMEMS版第2弾として「LzⅡmems PRO」は高音質を以て完成しました。
細3芯シールド線 愛三電気「S-MVVS 7/0.12 芯数3 外径3.2 黒」 使用
「S-MVVS」はMVVSのソフトタイプ・ケーブルです。
前作、BELDEN 1804A・・・ゴチゴチのため「巻く」より「束ねる」の印象。
愛三電気「S-MVVS 7/0.12 芯数3 外径3.2 黒」 ソフトケーブル使用
前作、BELDEN 1804Aの場合
MEMSマイク ICS-40730は平衡中継時、4電極なので「3線シールド線」が必要となります。
このマイクではMEMSマイクの差動(平衡低インピーダンス中継430Ω)によりCMRRを確保し、マイクヘッド直近の照明系・誘導からのノイズ防止をはかりました。
そして、XLR出力インピーダンスは110Ωとして300mまでの延長距離を許容しました。
MEMSマイクの差動動作には愛三 3芯細シールドケーブルを採用し、一般MEMSより数dB~10dB SN比良好な最高峰MEMSマイク「ICS-40730」の能力をめいっぱい引き出して実現させました。
その差動出力により同MEMSシングル仕様比、約6dB出力レベル上昇すると「みかけ上のSN比改善」にも感じますが、実際これはシングル不平衡も差動型も同一値、しかし「気のせい」とは言いがたい・・・かも
(回路図)
(内部基板)
使用TRは「LzⅡb 」から採用を開始したPNPのミニサイズTR、2SA933sを使用しています。秋月の(ISA1284AS1-T112-E)・・・ミニサイズPNP-TRも互換使用できます。
※小さく作るには要点とコツがあります、「次元を変えて考える」ことのみでしょう。それがない限りXLRコネクタ内に回路を組むことはほとんど無理でしょう。
(課題)
ラベリア型(ピンマイク)、つまりセパレーツ型とした場合、マイク部側のケーブルは最低2線シールド線(Out+ Vdd Gnd(-) )の3線が必要です。
今回は Out+ Out- Vdd Gnd の4線が必要です、つまり1ワイアー増え、外形3mm前後の3芯シールド線が必要になります。
10年近くまえに「細ケーブル」各種の評価をおこなったことがありますが今でも市場条件はほぼ変っていないと思います。
求められる条件からすれば必ずしもBELDENが良い、と単純には言えないのです。
「温故知新」で「愛三のケーブル」を評価し直しした結果、すべてのファクターで合格となりました。
(さいごに)
コロナ禍のおり筆者はこの1年、秋葉原を歩くこともできずネットの情報のみですべての材料調達をおこなっている現状でいろいろ不自由だが、
「ピンマイク」にBELDENは禁物だが従来使わなかったメーカーのケーブルに「お宝」モノがあることを身をもって体験した。
ここまでの追求は貴重な経験であった。
XLR-AMPを通さずMEMS-OUTだけでも数十mは問題なく延長できるのはどちらの方式でもおなじですが、そんな使い方のとき「平衡中継」はありがたい。
※最新MEMSマイクの入手の難しいかたにINVENSENSE社 ICS-40730をお一人様2個限定で1回のみお分けします。
条件はリフローおよびICS-40730「SOLDERING PROFILE」を理解され、「プレヒート」と「クリーム半田」による手半田手順と「瞬間手半田」を自己責任で実施できるかたのみとします。
一般部品同様の扱いでは簡単に破壊し、マイク自作初心者のかたに取り扱えるデバイスではありませんのでその場合はご遠慮ください。 (下のメール窓よりお問合せください)
Memsマイクは一般的手順の手半田付けでは必ず破壊します。
「プレヒート」=一定の予熱処理により安定した手半田が可能になります。 https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12574034452.html?frm=theme
以上
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おしらせ
fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb など、読者のかたからのご注文により人気機種の製作領布を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作します)
FetⅡmems、およびProbeⅡ(Mems)マイク使用も同様にリリースしています。
モノ作り日本もっと元気出せ!
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