1511 :ありがとうWM-61A おせわになりました | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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トピック

あのWM-61Aとお別れの時が訪れました。

2011年製造中止が公表されて約4年になろうとしています。

そして国内代理店である秋月電子が今年(2015年)2月、在庫分の完売に至りました。

 

これに関しては海外事情も同様あることがわかりました。

世界中からパーツをかきあつめる会社に見積もってもらいました

 

電子工作から現場の業務用に至るまでマイク作りを経験された方は一度は手にしたことがあるはずの世界的な名カプセル。

 

WM-60から始まったこのシリーズによってかつて「ECMの音」と嫌われてきた超高域にクセのある独特のサウンドを実際の製品で完全払拭し、ECMの地位向上を果たした功績はあまりも大きい。

 

 これによってパナソニックのカプセル使わないメーカーの小型マイクにおいてもECMと純粋コンデンサ型との区分けを従来ほど厳密に言わなくすることでコンデンサ系マイクロホンは飛躍的に設計の自由度が増し、良い製品が登場するようになりました。

 

またWM-61Aの-35dBという図抜けた感度と優れたSN比のたぐいマレなる高品位カプセルとして多くの支持を集めた事は当然といえます。

 

(パナ改)

Siegfried Linkwitz氏 (米)の提唱による「Linkwiz-Mod」日本呼称:「パナ改」はWM-60、61などWM-6x系の素性の良さとソースフォロワ改造によってこれらのカプセルの持つ能力を最大限引出し、 多くの録音家、マイクロホンクラフト・マンの間で支持されてきました。

 

しかし残念ながら「伝送」という重要なファクターの軽視、ミニ・プラグジャック及びミニ・ステレオプラグジャックの欠陥軽視による不安定さ、そして外付け回路兼電池BOXの必携という実用マイクロホンとして使い勝手の悪さによりこの形式の衰退を確実にしました。

 



(ファンタム式パナ改)

Shin (筆者)(日本) により2009年11月、Linkwitz氏 「パナ改」をベースに

問題点を取り除きこれを「業務用途」として再構築したシステムをファンタム駆動実現させました。

「優れたプロ用コンデンサマイクにしたい」という想いだけで出来上がったマイクロホンです。

 

これにより外付け回路兼電池BOX」の撤去と併せて圧倒的小型化をはかりました。

 

ファンタム式パナ改マイク第1号(試作)

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10382343115.html

 

fetⅡhttp://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10465233115.html

翌年(2010年)2月10日多くの音響技術者を集めたセミナーの会場で行われたあるメーカーの大型超高級マイクの発売前デモ時、fet1fetⅡの原型機同時参加し、ピアノのPAが行われた。

参加エンジニア驚愕!、どこの馬の骨ともつかない手作りマイクがメーカー気鋭の新進機を破るという前代未聞のパフォーマンスでプロデビューしました。


 ステレオペアとして試作したfetⅡ

 

このマイクロホンは前作を更に小型化し、技術的ノウハウはSiegfried Linkwitz氏以上に全公開している為、一気に広まり、Linkwitzスタイルの「パナ改」からShinの「ファンタム式パナ改」への移行は急速に進み、今では「パナ改」という言葉は「ファンタム式パナ改」を指すようになりました。

同時に市販レコーダーのミニプラグ・ジャック入力方式を一気に衰退させ、XLR入力・ファンタム電源の装備はあたりまえ、と市場を変化させました。

 

(WM-61Aを3線式改造したもの)

 

メーカーでは絶対にやれないのがWM-61Aのソース・フォロワー改造=パナ改です。

製造上の問題だけでなく品質管理・品質保証の立場からメーカーではやりたくてもできないのです。

ココは手作りマイクの優位性、重要ポイントです。

 

そして、fetⅡ では伝送面で出力インピーダンスは決して低くない「1kΩ平衡型」であるため、近距離用とし、遠距離延伸が命であるホール3点吊りなどでは2~300mのケーブル長に楽に対応し同一デザインでその後発表した、50オーム台のLZⅡが現業で活躍しております。

 

LZⅡhttp://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11361654313.html

 

そんな数々の技術的エポックを生み出してきた優等生ECMカプセルもいよいよ一般入手はきわめて難しく、仮に入手できても10倍以上の価格は当たり前、もはや「100円マイク」などではない高嶺の花となってしまいました。

 

お兄さん指秋月、Digikeyなどで代替の用意はあり、音色類似性はあるものの高域の伸びや低域のロールオフ特性を含めて総合的に「似て非なるもの」、決してオリジナルのWM-61Aの音を求めることはできません。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11899449808.html

 

 

ありがとう WM-61A お世話になりました。

 

 

 

(お知らせ)・・・Shinはこれまで通りWM-61A使用。

fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)   (Shin)

 

 

モノ作り日本もっと元気出せ   

 

 

 

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