※ この記事は公開から12年以上経過していることにご留意ください。
2024年追記
マイクロホン自作熱は根強く盛んな様子です。
そんなマイクロホン・クラフトの世界、Shinもひょっとするとそれに油を注いでいるのかも知れません。
いくつかのパターンがあるようで、ECMに直接シールド線を半田付けして簡単に済ます方、金属材料やミニプラグなどをケースにしてGNDとシールドを強化なさる方、意外に多いのが市販マイクの中身を捨ててその中にお気に入りECMを収納するヤドカリ型(見た目の自然な作品になり、あまり手間がかからない)等々。
ミニXLRコネクタをケースに使用した単一指向性ピンマイクの例(KUB-8223使用)
※黒色焼付け塗装を行ってある。
◎これも某巨大テーマパーク向けの試作マイク(3年前)
Shinさんといえば「ファンタム式」、なぜそれ以外の方式は見向きもしないのでしょうか。
Shinは熱心なマイクロホン・クラフトファンには、ぜひとも
「ファンタム動作マイク」への転向をお薦めする次第です。
そして確実に次元の異なる可能性を手に入れてください。
「ファンタム動作」のマイクロホンに転向すると思わぬ感動を経験されると思います。
それは電子式で「長距離伝送」が可能になる、このことが最大のメリットでしょう。
特に最近発表のLZ-Ⅱ やLZG では2~300m程度の伝送では何の変化も起こりませんから脅威的です。
プラグイン・パワーの裸のカプセルや従来型の「パナ改」では絶対に得られない世界がここにはあります。
誘導ハムを強烈に受けた録音に「自作マイクは素晴らしい音だ」とおっしゃる方、それで満足なら実に幸せなことですが音源などは門外不出でどうぞ。
【ケースの大切さ】
マイク自作で最大のネックはその「ケース」でしょう、裸のカプセルが1番だと思うかたは電気的に完全な誤りであることには気づいていません、まことに残念なことです。
ケースは外観デザインや装飾的要素だけでなく、静電シールド容器(ファラデーシールド)でもあるわけでこの大切さを無視したマイクロホンは有り得ません。
またシールドとグラウンディングには原理・原則に基づいた分布定数回路でしか表せない独特のノウハウがあり、「音響」の世界などではなくEMC(イーエムシー)=電磁環境両立性技術は無線技術そのもの、それを無視すれば間違いなくノイズマイクと化する。
耳の良さだけでは極められないジャンルだ。
したがって金属でなければ意味のない事を付け加えておきます。
(各ECMカプセルに合う外筐ケースに適する部材)
φ6 カプセル用 無指向性用(パナWM-61A、WM-E13UYほか)
※写真上から
・Amphenol KM2PB-AU:3.5mmミニプラグ
・REAN(旧ノイトリック)NYS231BG3.5mmミニプラグ
・ノイトリックNTP3RC-B 3.5mmL型ミニプラグ
・クラシックプロAXP211変換アダプタ(φ6メス→XLRオス)薄地、加工しやすい
・アキバ、小沼電気にある変換アダプタ( 〃 )厚地、ハイグレード、加工し難い
その他どんなものでも
・内径6mm以上の金属パイプ(銅・真ちゅうなど半田の付くものが良い)
・3.5φ金属製ミニプラグ(カプセルの入るもの)
《作品例2》
「1215 :さんしん(三線)用クリップオンマイクのNEWデザイン fetⅡi - CL」=
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11223311118.html で紹介したクリップオンマイク(ノイトリックNTP3RC-B 3.5mmL型ミニプラグ使用)
φ8 カプセル用 単一指向性用(ホシデンKUB-8223など)
※写真上から
・ミニXLRオス
・RCAピンプラグ(内径φ8.8)
※RCAピンプラグの中には適するものが多くある。(加工はつきものです)これらの場合ケーブル引き出し口にポリエチレン製のブッシングを追加する必要があります。
《作品例3》
ミニXLR使用の製作例(ホシデンKUB-8223使用)・・・スピーチ専用
「美しくなければマイクじゃない」と言い放った頃、まさかの某巨大テーマパーク関連の依頼を受け某海外有名メーカーと四つに組んだ試作合戦、本気で次々アイデアをカタチにしていった。当然ながら敗退したものの、アクションの速さだけは評価された。本気度200%、そんな記念碑的マイクだ。(冒頭の黒マイクもその時の試作品です)
《作品例4》
RCAピンプラグを使い、上の試作合戦と同時に「プレ試作」したポップなマイク((KUB-8223使用)
φ9.7or10 カプセル用 単一指向性(フォーリーフ UEB-5261、パナWM-55A103、アオイECM-120など)
※写真上から
・ノイトリックNP2XまたはNP-3Xシリーズに速度成分取り込み穴を加工。
・ノイトリックNP2RXシリーズ(L型:速度成分取り込み穴を加工。
・RCAピンプラグ(内径φ10.4)
《作品例5》
読者である友人の作品です(写真をお借りしました)=ノイトリックNP-2X使用(ECMカプセルはフォーリーフのUEB-5261使用)、高品位な単一指向性マイクです。
友人は速度穴のあけ方改善や筒内の音響処理に益々熱が入っているようです。
φ13.7or14 カプセル用 (フォーリーフUEB-5361ほか)
・TOMOCA 3-12LN (L型:速度成分取り込み穴を加工)
これは近日とんでもないマイクに変身します、ご期待ください
《作品例6》
fet-u1 の例 (フォーリーフ UEB-5361使用)
・水道管材料を加工して力づくでカタチにする(おすすめしません)
(その他)
・Shinさん流合体ワザやアイデア次第で可能性は無限です。
【重要事項】
①GNDに関し、マイクを構成するすべての金属はメインの金属に電気的に
落ちている事が大変重要です。(いい加減にすると誘導ハムが取れない、マイク前面に手を近づけると誘導ハムが出る。)このEMC概念は理解されにくく、海外一流メーカー製品にもしばしば瑕疵が見られる。
②無指向性では「小さく・細く」が良い音の決め手になる。(流体と向き合うような感覚が必要)
③単一指向性マイクでは「速度成分取り込み穴」を省略すると、f 特のよくない「無指向性」になってしまいます。
「指向性マイク」が「指向性を持つゆえんは、全面的にこの「穴」にかかっている。
④カプセル背面の構造(=音響空間の機械的成り立ちを音響回路と呼び、電気の等価回路に置き換えられる)によって音質は激変する、安易にカプセルのせいにするべからず。
⑤「吹かれ」「ハンドリングノイズ」などは単一指向性マイクは無指向性比約14dB不利になります、カプセルのフローティングやインシュレーションには特別な注意を図って丁寧に作品をお作りください。
【参考にしていただきたい記事】
マイクロホン自作でつまづいたり、疑問に思う点のヒントや解決法が必ず見つかるはずです。
1230 :「単一指向性」 マイク自作の最重要ポイント
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11318307437.html
1130 :甘くないぞ「単一指向性マイク」の自作 ①
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10953746406.html
1131 :甘くないぞ「単一指向性マイク」の自作 ②
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10960420736.html
1148 :本気で音楽・楽器と向き合える単一指向性ECMカプセルの入手
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11005943688.html
1121 :「単一指向性コンデンサマイク」自作のツボ (前編)
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10896210475.html
1122 :「単一指向性コンデンサマイク」自作のツボ (後編)
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10895835421.html
1033 :単一指向性超小型マイク(ファンタム式)試作善戦苦闘記
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10603710346.html
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