1302 :(低インピーダンス)ファンタム式パナ改マイクロホン P-fetⅡ | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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2024年追記

 

製作難易度 ★★★

今年も低インピーダンス路線でスタート    



昨年、試作レベルで中途半端になっていたFET使用の低出力インピーダンスのマイクロホンP-fetⅠ はその後どうなったの?と読者の方から質問がありました。

 

ウーン、バイポーラTR使用の超低インピーダンス出力に意識が向きっぱなしでした。

そこでP-fetⅠ をベースにこれを見直し、P-fetⅡ としてシリーズ同一音質を以って完成させました。

出力インピーダンスは265Ω(at.1kHZ、抵抗置換法実測)です。

 

「FETタイプのファンタム式パナ改マイク共通回路」の3.2kΩ、「fetⅡi 」の680Ω、「超低インピーダンスシリーズ」の58Ω、それぞれ一長一短ありますがすべて同一音質でそろえてあるのが特徴です。

 

今回のP-fetⅡ はファンタム平衡出力回路としては珍しい方式のひとつとしてまとめてみました。

 

 

【何をどうした?】


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P-fetⅡ に WS装着した外観

 


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P-fetⅡ 全景(既にこの形状は「定番」になりましたので機種を示すカードを添えておきました)

アッこの基板はノイトリックNC3-MXXBでないと入りません。

 

(回路)

ドレイン接地、ソース出力の平衡回路です。

2SK330のコンプリメンタリ相方である2SJ105を使用しました(普通サイズの2SJ103でも同じ結果が得られますが部品配置や筐体収容については別途お考えいただく必要があります)



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     P-fetⅡ 回路図)

 

2SK330の回路に慣れているShinにはこの回路の考案も基板製作も「何もかもアベコベの世界」にまぎれ込んだのに似た感覚で頭がクラクラした、何故だろう・・・

 

全電流は10mA弱と、やや多めになります。

ファンタム電源の技術規定は1chあたり14mA(max)ですが安価な民生用レコーダなどでこの規定を満足していないモノがありますので注意が必要です。
 

P-fetⅡ という名称はP接合(P-ch)のFETを使用することから決めました。

 

(製作)

基板サイズは4穴×10穴半と、やや長いためノイトリックの旧型XLRコネクタでは入りません、NC3MXX-B使用です。


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ちょっと海外製マイクを彷彿させる基板になりました。BPコン MUSEの「緑」

があざやかです。(ユニバーサル基板ですからそれなりですが)

基板は部品実装を低くし、厚さ7mmに抑えました。


 

 

※Shinさん的裏話

出力インピーダンスの事など考える余地もなく「ファンタム式パナ改」マイクの素晴らしさにその可能性の追求を行っておりました。        


ある日マイクの出力インピーダンスを測定してみました。

「抵抗置換法」で簡単に測定可能とわかり、「ファンタム式パナ改」を測定した。

予想外の値(3.2kΩ)と出たが数10mの延長では何ら問題なく、むしろ現状での高い評価は「出力レベルが高い」事による見かけ上の「SN比」の良さが一因して完結している事実があります。

そして「これは絶対公表しない。」と心に誓ったものの100mを超える長距離伝送ではハイ落ちがいかんともしがたくご迷惑をかける事があるかもしれない、と考え、値を公表しました。(これはのちに約1kΩまで低減・改良しております)

 

ピアノ用ステレオ・フリーバウンダリーマイクの要求を満足させるためには方式の変更・回路やデバイスの変更など土台からやりなおし、完成させました。

このインピーダンスは58Ωでした。

 

あのときP-fet1の試作でFET(Pチャネル)では300Ω以上であった事、同一音質へのチューニングの難しさからバイポーラTRにすぐ乗り換えて結論を急いだ。

 

しかしFETで何とかならないか、とも常に考え続けていました。

 

今回の結果は265Ωですが、考えてみれば低インピーダンスマイクの標準的な値です、このP-chドレイン接地FET回路での結果は貴重ですので、マイクロホンとしてまとめ上げた次第です。

 

fc(HZ)を考えれば1μFの必要はないはずですが、同一音質を追求する中で0.22μFから各値・各コンデンサでチューニングしていった結果です。

 

 

 

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