漢民族の漢字文化の研究は中国語では出来ない! | 日本の歴史と日本人のルーツ

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日本で漢字の読みを知りたい場合は漢字の辞書を開けば、50音の仮名文字で書かれており、発音が呉音、漢音、唐・宋音の区別を付けて記されている。また、文章の中の漢字の横に振り仮名として小さな仮名が添えられていることもある。

これに対し、中国で漢字で書かれた中国文の中の漢字の読みを知りたければ中国の漢字辞書を引くことになるが、音を表す仮名文字に相当するものがなくて、昔は漢字で漢字の発音を表す反切と言われる手法を用いていた。現在はピンインと言うローマ字を用いている。

この反切と言う手法は紀元1世紀頃に発明されたもので、3600年前の殷の時代の甲骨文字の発明時には存在していなかった。また、反切では漢字で漢字の発音を説明している為、漢民族の当時の言語の発音と漢字の読みの対応を今となっては知ることは困難となる。だから、日本の漢字辞書のように、たとえば呉音、漢音、唐・宋音と言うような発音の時代区分は出来ないことになる。

だから、漢民族の漢字文化の研究は中国語では出来ず、日本語の漢字辞書や文献が必要となる。

ただし、中国語の方言に古い言語が残っており、例えば客家語が最も古く、日本の漢字辞書にある漢音を伝えていると言われている。この中国語の方言と古文献を比較することなどで研究出来ないことは無いとは思うが、相当困難を伴うであろう。




雑談1

現在、中国では殷墟で出土した甲骨文字を解読、研究しているが、中国研究者単独では無理と考えられる。現在、解読に懸賞金がつけられているようだ(レコードチャイナより)。


雑談2

定説では、漢字は6世紀ころ百済から仏教の経典と共に渡来して、仮名文字は10世紀の国風文化の中で生まれたとされている。日本最古の文字文献は8世紀に書かれた古事記で、漢字を仮名文字とする万葉仮名を使っている。中国での漢字音を表す反切は1世紀ころ発明されている。

もし、以上の定説が正しいなら、漢字の呉音とか漢音などの音読みは、中国の紀元前の漢字音であるが、どのように記憶・記録されたのであろうか?

日本には元来、文字が無かったので、古事記は稗田阿礼が暗記して、太安万侶が漢字で書いたと言うが、膨大な漢字とその読みを記録した漢字辞書を暗記していたのであろうか?反切を用いたのであろうか?万葉仮名の辞書があったのであろうか?漢字のみの文例集の類いを用いたのであろうか?日本書紀に関しては多くの書物を参照しているが、何だったのか?他にも文字が記された書物が沢山あったのでは!?

推測であるが、現代の日本の漢字辞書に相当するものが、殷の甲骨文字が作られた時代に同時に作られ、アップデートされて来たと考えられる。

現存する日本最古の辞書は空海が編集したとされている。つまり、空海が唐から持ち帰ったことになるが、殷の末裔がアップデートしたものを空海を含む遣唐使が書写して持ち帰ったのである。また、奈良時代に、より古い辞書「新字」もあったようであるから、さらに古い「旧字」と言う類の辞書もあったはずだ!漢字の使用と辞書は一体として存在したと考えられる。


雑談3

遣唐使が唐から持ち帰った経典の漢字は呉音で読み、インドのサンスクリッド語の発音を音写した漢字も呉音であった。しかし、唐の都の言葉を書いた漢文は漢音で読まれた。

推測であるが、唐の僧侶は漢音で漢字を読む現地の漢民族では無く、呉音で漢字を読む人々であった。唐帝国には皇帝以下、殷人の末裔であった支配階級と一般民衆の漢民族が同居していたが、僧侶達は前者の殷人の末裔であったのかも知れない。


参考

① 反切(はんせつ、半切、コトバンクより)

漢字の音を示すために用いられる表音法の一つ。「A,BC (ないし切) 」の型で表されるもので,問題のA字 (反切帰字) の音を,Aと声母 (紐〈チュウ〉ともいう。語頭子音) の同じB字 (反切上字,父字) と,Aと韻母を等しくするC字 (反切下字,母字) の組合せで示す。たとえば,「東」の字の音を知るには,「東,徳紅ノ反」から「徳」tək のt-をとり,「紅」 ɦuŋ の-uŋ とを組合せれば,「東」= tuŋが得られるわけである。単音文字をもたない中国で,漢字の音を示すのに便利な方法として近年まで用いられた。日本では五十音図を用いて反切を行う「仮名反 (かながえし) 」が行われた。上の例でいえば,「トク」 (徳) からタ行子音を求め,それに「コウ」 (紅) の子音を除いた部分を組合せて「トウ」 (東) を導き出した。


② ピンイン【拼音】(コトバンクより)

《〈中国語〉》中国語の音を表音文字で表したもの。特に、1958年公布の漢語拼音方案に基づいて、普通話(現代中国の共通語)をローマ字で表したものをいう。


③ 漢民族は漢字の発音を漢字で記述する半切を1世紀頃に発明し、また日常生活で喋る口語に合わせた白話文と言うものを唐王朝時代に発明したが、現代中国語については、ここ100年かけてピンインと言う一種のローマ字を漢字の発音学習に使用して、北京あたりの普通語の白話文を普及させている(参考)。


④ 漢文は漢字を読み書きする民族の間のエスペラント語であった(参考)。、、、殷人が呉人や漢民族と会話するために作られた。


⑤ 仮名文字は漢字と同時か、または、より早く成立していた(参考)。


⑥ 漢文を日本語に変換する漢文訓読法は殷で作られた(参考)。、、、漢字の音読みの呉音は呉人と会話するため、漢音は漢民族と会話するために、殷人が作った。


⑦ 日本語の起源(参考)、、、かつては東アジアに広く喋られていた。ここでは縄文人の同族の殷人と末裔達が原日本語を喋っていたのであった。


⑧ 日本最古の辞書

武将ジャパン(参考)

奈良時代の『新字』が最古だとされています。ただし現存していないため、内容は不明です。現存する最古の辞書としては、平安時代に空海が編纂した『篆隷万象名義(てんれいばんしょうめいぎ)』があります。

近代に入ってから中国の人が『篆隷万象名義』を参考に、中国の古典を収集することができたとか。



⑨ 漢字の起源、殷の甲骨文字がルーツであった。