日本の歴史と日本人のルーツ

日本の歴史と日本人のルーツ

日本の歴史と日本人のルーツを解明します。

基本的に山口県下関市を視座にして、正しい歴史を探求します。

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漢字の中に日本だけに存在して中国には無い漢字があり、訓読みはあっても音読みが無い国字と呼ばれている。

国字の1字1字の成立時期は異なるのは当然であるが、原始農耕の焼畑に由来すると思われる畑(はたけ)は、漢字の起源に当たる甲骨文字の中にあっても良さそうだが無い。

例えば、畑や畠は「はたけ」と訓読みするが、音読みは無い。例えば、畑は元々、野に火を放って畑地にする焼畑のことで、また、畠は水を張らない土だけの耕作地のことであり、これを「はたけ」と呼んだと思われ、野菜や陸稲を栽培していた。水田に水稲を植えるより古い農耕文化と考えられる。

漢字のルーツの殷王朝の甲骨文字には「田」に関わる文字があり、四角く区画された田や畑のことである。関連する漢字にも、それぞれ音読みと訓読みがある。殷王朝の時代には既に水稲栽培を中心とする田が存在し、これを「た」と呼んで「田」と書いた。ただし、殷王朝の周辺の異民族は田を「デン」と(呉音で)音読みしたのであろう。この当時、既に黄河中下流域や揚子江中下流域には広大な水稲を中心とする田が普及して、焼畑のような土地は無かったのであろう。

だから、縄文時代の日本では既に「はたけ」を耕作していたが、弥生時代に水稲を中心とする田「た」が開墾されて、そして漢字の田が入って来た時に、「はたけ」に対して国字の畑を作ったと考えられる。

当時、田の訓読みの「た」と音読みの「デン」が揃って渡来して来たと考えられる。訓読みの「た」が無く音読みの「デン」のみが渡来して来たとすると、漢字「田」の訓読みは「はたけ」になって、国字「畑」が作られなかったかも知れない。

すなわち、日本列島においては、畑の「はたけ」が最初にあり、田の「た」が後から普及したが、国字の「畑」は漢字の「田」の後に作られたと考えられる。国字の「畠」(はたけ)は乾いた田を指し示す為に国字の「畑」と同時に発明されたと考えられる。

陸稲を植えた畠(はたけ、参考)


参考

① 漢字の音符   音符 「田デン」〈区画さるた耕地〉(参考)

 デン・た  田部
区画された耕地を描いた象形。甲骨文は当時の耕地のありさまを表している。田は部首となり、また音符ともなる。
意味 (1)た(田)。たはた。耕作地。「田園デンエン」(2)水をはる田。「水田スイデン」「田畑デンばた」(水田と畑)(3)ものがとれる地域。「塩田エンデン」「油田ユデン」(4)いなか。「田舎いなか

イメージ 
「耕作地」
(男・佃・畑・畠・鴫)   
 耕作地は「たいら」(鈿) 
音の変化    デン:田・佃・鈿
                 ダン・ナン:男
                 はた:畑・畠
                 しぎ:鴫

耕作地

 ダン・ナン・おとこ  田部
「田(耕作地)+力(スキ)」の会意。力は耕地を掘り起こすスキの象形。田で耕作をすることを表し、田地を耕作する管理者を言った。この管理者がのち爵位をえて男爵となった。男女の「男性の汎称」は、戦国(列国)期以後に使われるようになった。
意味 (1)おとこ(男)。成年のおとこ。「男子ダンシ」「男性ダンセイ」 (2)むすこ。「長男チョウナン」「嫡男チャクナン」(正室の生んだ長男) (3)世襲的身分である爵位のひとつ。「男爵ダンシャク」(公・侯・伯・子・男の五等の爵位のうちの第五位)

 デン・つくだ  イ部
解字 「イ(人)+田(耕作地)」の会意形声。田を耕す人。日本では開墾して作った耕地をいう。
意味 (1)田畑を耕す農夫。「佃戸デンコ」(小作人)(2)(国)つくだ(佃)。開墾して作った田畑。「佃人つくだびと」(佃を耕作する人)「佃煮つくだに」(江戸の佃島でつくり始めた魚貝類の煮つめ物)

 <国字> はた・はたけ  田部
解字 「火+田(耕作地)」の会意。焼畑のこと。草地や林地を焼いて、その焼跡に種をまいて穀類などを収穫する田地。のち、水田に対して水をはっていない耕地をいう。
意味 (1)はた(畑)。はたけ(畑)。水田に対し水をはっていない耕地。野菜・穀物・果樹などを栽培する。「畑作はたさく」 (2)専門の領域。「医学畑いがくばたけ

 <国字> はた・はたけ  田部
解字 「白(乾いている)+田(耕作地)」の会意。白は何もない意があり、ここでは水がなく乾いている意。畠は乾いた田。

意味 はた(畠)。はたけ(畠)。水をはっていない耕地。野菜・穀物などを栽培する。「畠山はたけやま」(姓。地名)

 <国字> しぎ  鳥部
解字 「鳥+田(水田)」 の会意。水田に飛来する鳥。
意味 しぎ(鴫)。水辺に棲み貝・カニ・ゴカイなどを捕食するシギ科の鳥の総称。中国では鷸イツと書く。「田鴫たしぎ」(シギ科タシギ属の鳥。水田によくいることからこの名前がある)「鴫立つ沢しぎたつさわ」(鴫が飛び立つ沢。西行の和歌のフレーズ)

たいら

 デン・テン・かんざし  金部
解字 「金(きん)+田(たいら)」の会意形声。平らに延ばした金の意。黄金をたたいて薄くして作った飾りが原義。のち、貝を薄くして飾る細工にも言う。
意味 (1)かんざし(鈿)。金の華飾り。「鈿車デンシャ」(金や薄い貝で飾った車)(2)貝をはめこんだ飾り。「螺鈿ラデン」(貝を薄くしてはめ込んだ細工)

<紫色は常用漢字>

バックナンバーの検索方法
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② 殷の甲骨文字に、訓読みと音読みがあった