今日は便秘について勉強いたしましょう。
まず、便秘症は男性に比べて女性の方が多いです。
特に多いのが家事や仕事が忙しくて便通を催しても我慢してトイレを
後回しにされてしまう女性がおられます。
結果、便を我慢する習慣に身体が慣れてしまい便意を感じにくくなり
便秘症へと繋がってしまうケースが非常に多いのです。
さて、便とは何か?それは、身体にとって不必要な老廃物であります。
所謂、「毒素」です。
この「毒素」が体外へ排泄されずに大腸に長時間居座るとドロドロの
脂を含む津液が体内に残ってしまいます。
そして、このドロドロの津液は腎で再吸収されます。
再吸収された非生理的な脂を含む津液は血液の中にも入って
行きます。
血中に余分な「毒素」が入ると肝の解毒作用が働きますが肝で完全
に解毒できない時は肩甲骨の内側(膈兪穴周り)の空間で停滞します。
(この辺りの凝りや痛みを自覚される)。
そして、その空間で「毒素」が汗として体外へ排出されずに溢れ出る
と皮下に「毒素」が溜まりアトピーなどの皮膚炎を発症します。
他には閉経後の女性に多い「高脂血症」や解毒作用で忙しい肝に熱
が発生しその熱が肺へ影響しての「喘息症状」などです。
つまり、便を体内に溜め込む事は様々な病を引き起こす原因にな
ります。
いくらお顔がキレイな女性でも身体の中が「ババだらけ」では頂け
ません。 私はキレイな女性であれば気にしませんが(笑)
特に女性の方はお肌が気になると思います。
お肌の荒れやシミが気になってたまに美容鍼灸に来られる方もお
られますが皆さん共通して便通がよろしくありません。
そして、私はその都度「ババ」の治療を施しているのです。
冗談はこれくらいにして何度も言うようですが便を体内に溜め込む
事は身体にとってよくありません。
(改善方法)
鍼灸で便秘に効く特効穴は残念ながらありません。
人によって便秘になる原因や病理が異なるからです。
便秘薬の効き目のある人、また、そうでない人を見れば理解される
と思います。
巷では穀物や野菜、果物などの「食物繊維」の摂取量を増やす事
が便秘症の改善に繋がると言われています。
確かに、「食物繊維」を摂る事で胃腸の働きは促進されます。
しかし、生まれつき胃が弱く全身に十分な栄養素を供給できてい
ない人の場合は「食物繊維」を摂ってもあまり効果はみられません。
それよりも五味をバランスよく摂りその季節に合った「旬の食材」を
摂取して胃自体の機能促進に努めるべきなのです。
胃の働きが正常に近づけば身体全体のバランスが良くなり大腸の
熱、乾燥、津液不足が除かれ便秘の改善に繋がるのです。
五味とは(酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味)の事です。
鍼灸では便秘(大腸の熱、津液不足)が何処の臓腑の問題から波
及しているのかを見つけ出してアプローチしているのです。
例えば、腎の虚熱が便秘症の原因だとすると腎にアプローチを施す
事で大腸に余分な熱が及ばなくなり便秘が解消されるという事です。
ただ、実際の臨床ではそう簡単にはいきません。
鍼灸治療+患者さん個人に合った五味のバランス+患者さん個人
に合うストレス解消法の3点セットが早く便秘症を治すコツです。
長々と喋ってきましたが私は「全日本プロレス」のファンでした。
おしまい。
島川はり灸院
http://www.shimakawa-harikyu.com/