鬱病 | 島川はり灸院(院長ブログ)

島川はり灸院(院長ブログ)

堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんにちは。

今日は鬱病で私の治療院に1年少し通院されている38歳の女性

の患者Kさんの症例を紹介いたします。

主訴は倦怠感、情緒不安定(イライラする)。

日常の生活は朝は起きれずに昼過ぎまで寝ている。

食欲はあり便通も良好であるが寝つきが悪い。

仕事は対人関係が苦手なので長続きしない。

以上が1年前のKさんの鬱の症状です。

さて、治療のほうですが初めの3ヶ月は週2回ペースで来院しても

らいました。

病理は「気虚」と診断し腎虚で治療を行いました。

上半身、特に背部に発疹が多く見られたのと肩こりが酷い事から

腎経と肺経の栄穴、経穴を中心に募穴の巨闕穴や背部兪穴の

腎兪穴をメインに鍼灸を行いました。

鍼の刺激量は接触鍼で軽めに施しました。

以上が初めの3ヶ月の間に行った主な治療です。

結果、上下のバランス、つまり、心腎の交流が少しずつ正常になっ

てきたのに伴い背中の発疹が取れだしイライラ感も減っていきました。

また、寝つきの悪さも改善され朝が起きれる日が増えてきました。

現在。

身体の状態は倦怠感も無く朝も起きれるようになっています。

また、感情の起伏はまだ少しあるが仕事復帰されています。

週2回のパート勤務です。

それから、精神安定剤の方もイライラが頂点に達した時以外

は服用されていません。

今回の患者Kさんは今も月2回、継続治療を受けられています。

疲労やストレスを溜め込み再び体調を崩されるのを防ぐため

の予防です。

今回の鬱の症例を含め神経疾患の治療は本当に難しいです。

「改善してきた=調子を崩す=改善してきた=調子を崩す」

といった状態を繰り返して良くなっていく人もおられるのです。

ですから、神経疾患が改善されても「これで治りましたよ」とは

言えないのです。

また、重度の神経疾患などは鍼灸師が簡単に引き受けるもの

ではなく専門医に任せるべきでしょう。

そろそろ終わりにしようかと思いますが鬱病は鬱になる原因分

子を取り除かないかぎり完全治癒することは難しいと思います。

生活環境を変えて快適なハワイにでも引っ越す余裕があれば

別ですが。

 

 

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