肩こりのメカニズム(痰飲編) | 島川はり灸院(院長ブログ)

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堺市ではり灸院を営んでいます。
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はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんにちは。

今日は肩こりになる原因の1つである痰飲について勉強いたしましょう。

まず、痰飲とは「飲食の不摂生」や「ストレス」、「過労や老化」が五臓

六腑に影響して起こる水液代謝が原因して現れる異常体液を指します。

言い方を変えれば痰飲とは「不完全な栄養素」とも言えるでしょう。

そして、この痰飲は身体の至る所に滞留いたします。

つまり、痰飲が肩や肩甲骨に滞留しているものが肩こりになるのです。

さて、上記の痰飲を生む「飲食」「ストレス」「過労や老化」がどのように

五臓六腑に悪影響を及ぼすかを簡単に説明いたします。

まず、「飲食」ですが冷たい物や油もの、甘い物を過剰に摂り過ぎると

脾胃の働きを弱らせます。

脾胃は飲食物を消化吸収させ正常な栄養素を作り出し肺へ供給して

そこから心の力を借りて全身に栄養が隈なく行くようにしています。

しかし、冷たい物や甘い物の過剰摂取により脾胃が弱ると正常な栄養

素が作られず「不完全な栄養素」つまり、痰飲が生じてしまうのです。

次に「ストレス」を溜め込むと肝の疏泄作用に狂いが生じてきます。

肝は肺や脾胃の働きを円滑に行えるように協力しています。

しかし、「ストレス」により肝の働きが低下すると肺や脾胃の働きにまで

影響を及ぼし痰飲が形成されてしまいます。

「過労や老化」は腎を弱らせたり腎の機能低下を意味します。

腎の働きの低下は水液の気化や運行の機能障害に繋がります。

結果、痰飲が生じます。

ここで、痰飲から生じる症状の特徴をお教えいたします。

まず、重だるい、鈍痛があり痛みや凝りのある部位が移動しない。

肩こりでいえば凝る部位がいつも同じであります。

では、どうすれば今回の肩こりが解消されるのでしょうか?

答えは「飲食の不摂生」を改め四季に合った旬の食材を中心に摂取する。

「ストレス」を溜め込まない事。「身体を酷使し過ぎない事」。

以上の3つの事が実践できれば「老化」を遅らせることができます。

結果、痰飲という病理産物が体内から無くなり肩こりも解消されます。

生活環境的に前述した3つを実行する事が難しい人もおられるでしょう。

そういう人はウオーキングなどで適度に身体を動かし適度な汗をかく

事をお勧めいたします。

身体を動かす事で体内の水液代謝を汗を出す事で高めるのです。

以上が今回のテーマである痰飲による肩こりでした。

次回は「気滞」or「血虚」から生じる肩こりになる予定です。

 

 

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