3月に退団した公務員キャリアデザインスタジオでは、私が辞めるまでの2年近くの間、公務員おしゃべりカフェという事業を行っていました。
公務員おしゃべりカフェは、勉強会とかワークショップではなくて、単におしゃべりをする場。
対象を現役公務員もしくは公務員という職業に興味がある人としていたので、そこにはその都度、現役公務員が来たり、公務員志望の学生さんが来てくれたりしました。
そこでホスト役の私がしていたのは、“公務員はこういう職業だ”という私が考えていることを伝える、ということではなくて、
来てくれた人たちが想っていることをお聴きすることでした。
想っていることの中に、疑問に想っていることがあって、それに私が答えられるのなら、結果的に質問に答えるようなこともありましたが、基本的には私から“問い”を投げかけて、そこから対話が始まる場を作っていました。
公務員おしゃべりカフェという事業を企画したときは、現役公務員である私や他のメンバーから学生さんなどに、公務員のリアルをお伝えするという流れをイメージしていたのですが、実際に2年間やってみたら、最後に私が辿り着いたのは、考えを伝えるのではなく、逆に参加者から聴き取りその対話の相手になることでした。
問いをポンとテーブルの上に置いてみる。
それに対して考えを語ろうとする人がいる。
語られた考えに、また問いを重ねてみる。
沈黙する。内省する。
そして、深まった考えを語ろうとする人がいる。
それを私は受け止めて、
必要なら更に問いを重ねる。
私自身が、そんなやり取りの中で問いを投げかけ、問いを重ね、相手の言葉を受け止める、その役割を担うことが増えてきたような気がします。
それは仕事の中でも、業務外の2枚目の名刺的な活動でも。
いや、もしかしたら増えてきたのではなくて、自覚するようになって、気付くことが多くなっただけなのかもしれません。
トヨタのカローラに乗り始めたら、とたんに街なかでカローラを見かけることが多くなった、みたいな。
この役割、なんだか壁打ちの壁みたいですよね。
大学でテニスサークルに入って、上手くなりたくて壁打ちをやりました。
コートを借りて仲間と練習すれば上達するかもしれないけれど、コートは簡単には借りられないし、一緒にテニスをやる人数も集まらない。
そんなときでも壁打ちで練習するかどうかが、上達スピードに影響する気がします。
壁打ちの壁になるということ。
世の中、情報は多く手に入るし、技術も発達して多様なコミュニケーションも可能になった気がします。
一方で、だからといってコトが簡単に解決できるようになったわけではなくて、むしろ課題の多様性は増す一方で、もはや正解なんて小学生の算数ドリルの中にしかない、そんな社会になってきて。
だからこそ、
自分の考えを深めるために、広げるために、彩りを変えるために、単なるインプットだけではなくて、
自分の考えを伝える相手
それに対して何かしらの言葉や“問い”を返してくれる相手
そういう人を、私たちは求めている気がします。
壁打ちの壁となってくれる誰かを。
私はこう考えているんだ。
そうなんだね、それはどうして?
うん、だってね……だから。
そっか、それは……ということ?
そうだな、少し違うかも……ってことかな。
なるほどね、それは具体的に言うと……
私自身が、こうやって問いを重ねたり、言葉を受け止める“壁”の役割を担うことが増えて(もしくは自覚するようになって)きたのは、年齢を重ねたことも大きいのですが、何らかのモヤモヤを抱える人と会える機会があること、そして、そういったモヤモヤを吐き出す場に居合わせることが多いことも影響しているのかもしれません。
自分でワークショップを創って、皆さんに語り合っていただく場を創ることも、無関係では無い気がします。(そもそもワークショップ自体に、他者との相互作用によって学びを促進するという側面がありますし)
いずれにしても、そうやって壁を求めてもらえるのだとしたら、期待に応えられるように、安心して言葉をぶつけてもらえる壁でありたいと思いますし、相手の状況に合わせた“問い”をお返しできる壁でありたいと思います。
皆さんは、如何お考えでしょうか。
そんな“壁”として成長するために読みたいのがコチラの2冊。
人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
【ブックレビューのブログ記事】
公務員の教科書 vol.18 人を助けるとはどういうことか/エドガー・H・シャイン
【ブックレビューのブログ記事】
公務員の教科書 vol.19 問いかける技術/エドガー・H・シャイン
今日は午後から月イチで定例化している、大学での研究会(という名の、秘密結社の定例会議)だったので、午前中のうちに家族でお茶会。
いただきもののトリュフチョコと妻が淹れてくれたコーヒーの組み合わせが最高すぎです。
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