今回はセンターポストを再現。
この箇所もまた円形のため、図面は平面図と側面図の2枚で足りる(図1)。
(図1)センターポストの正面図と平面図
センターポストは下から大きく3つの部分、ポスト、キャップ、カバーに分かれる。
1. ポスト部
ポストの構造は、簡単にいって中空の円錐台。接地面にはフランジ(帽子のツバ状のもの)が張り出し、最上部にはベアリング・カップ(ベアリングの受け口)が組み込まれている。円錐台とフランジの接合部は8本のバットレス(控え壁)で補強(図2)。
(図2)ポスト部完成図
バットレスはPartワークベンチの押し出しで1つだけ作成後、Draftワークベンチで円形に複製。それ以外はほぼ回転押し出しだけで作れる。
2. キャップ部
キャップは、ポストとクレードルを接合するためのもので、その構造は、キャップ本体、半球状のベアリング、ボルト&ナット6本からできている(図3-1)。
(図3-1)キャップ部完成図
円盤状の本体は加工箇所が多く、縁を丸めるフィレット加工、三角形の凹みを作るポケット加工、ボルト穴を開けるホール加工が必要になる。こうした作業はPart Designワークベンチが得意とするので、作業をこれで行うとデータがシンプルにまとまる(図3-2)。
(図3-2)キャップ部本体
(Partワークベンチでは「押し出し」に相当)
(Partワークベンチでは「回転押し出し」に相当)
(Partワークベンチでは「円形に複製」に相当)
次に本体の底にベアリングを取りつける(図3-3)。ベアリングの形状は下側が半球形、上側が円筒形のスタッド(鋲)で、本体底にある凹みにハメ込む仕組み。これも回転押し出しで作れる。
完成したキャップは、ベアリングがポスト部のベアリング・カップに収まる(図3-3)。
(図3-3)ベアリングとポストの関係
最後にクレードルをつなげるためのボルトとナットを作る。どちらも単純な動作で作れる。ボルトは円柱形状をそのまま使えるし、ナットはスケッチの多角形を使って六角形を描き押し出しする。あとは円形に6個複製すればできあがり。
(図3-4)ポストとベアリング完成図
3. カバー部
正確にいえば、カバーはセンターポストの部品ではなく、クレードルに取り付ける部品なのだが、その目的はセンターポストを覆うことなので、便宜的にここで扱うことにした(図4-1)。
このカバーを取り付ける場所は、クレードルの上面を覆う木の板の上なので、ここでは宙に浮く形で示すことになる。また実際にはフランジ部分に、取り付け用のボルト穴を空けるのだが、ここでは省略している。
(図4-1)カバー
この部品の作り方も前節、前々節と同様に、押し出しと回転押し出しと円形に複製でできる。また基本形状ばかりなので、むしろPart Designワークベンチで作業した方がデータがシンプルにまとまってスマートにできる。
以上でセンターポスト完成となる(図4-2)。
(図4-2)センターポスト完成図
次回は、転車台の本体となるクレードルの製作。
おまけ
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