歯科個別指導でオルソパントモで指摘受けないためにすべきこと | 歯科個別指導対策 全国対応 懇切丁寧 現役歯科医師 秘密厳守のブログ

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オルソパントモは初診時にはすべての患者さんに撮影をした方が良いと思っています。
 
現在は、開業時にCTを導入される先生が増えているようですが、CTは現在保険診療では算定要件が厳しくて、実際には算定できないことになります。
CTでもオルソパントモのデータで出力して、画像としてみる機能があると思います。
 
なぜ、私がオルソパントモをすべての患者さんに撮影した方が良いかと思うのかというと、今、歯科疾患管理料の算定など1口腔単位での治療計画を立てて、総合的に治療を効率よく進めていくことが求められています。
その指針になるデータとして、総覧的に口腔内の様子を把握する必要があると考えるからです。
 
特に歯周病の進行状態、歯槽骨の吸収状態、根管内の状態、根尖病巣、根分岐部病変、埋伏歯などは、治療方針を立てるうえでとても重要なことなのですが、それを診るためにはレントゲン写真を撮らなければできません。
 
オルソパントモをすべての患者さんに撮影すると言っても、必要性に乏しい場合は、もちろん撮影はしないことになります。
無歯顎や残存歯が数本のような場合です。
 
オルソパントモを初診時にすべての患者さんに撮影することが、個別指導で指摘を受けると考えている先生もあるかと思います。
私の個別指導のサポートの経験からすれば、指摘を受けるのは撮影に見合った活用をしていないからだと考えています。
 
つまり、撮影してもしっかりと読影をして、その後の診療に関して診断に活用していることが伝わっていない場合です。
それをどうすれば良いかと言えば、オルソパントモの読影所見をカルテに書くことです。
 
私の研修会では所見は、検査などでは診療報酬40点に対して1行書くということをお勧めしています。
オルソパントモアナログなら317点=8行、デジタルなら402点=10行は書かないと、活用していると認められにくいということです。
 
レセコンにある定型文の1,2行程度を貼り付けるだけでは不十分ということになります。
私の研修会での配布資料に、「個別指導に耐えられるカルテ記載の例」がありますが、そこでの一例を示していますが、もっと具体的に学習ができるように、今回の研修で配布資料として作成してみました。
 
その抜粋をここにコピペします。
 
オルソパントモ所見記載例
ポイント:オルソパントモの撮影目的に沿った記載をする

オルソパントモの撮影目的の例
・歯周病検査の目的
・主訴に基づいた傷病に関するレントゲン検査
・総覧的な状態の確認     等
 
所見記載のポイント
【 歯周病検査の目的 】
歯槽骨の状態を中心に記載する。
・どの部位に垂直的な骨吸収があるか 吸収の進行はどの程度か 
・どの部位に水平性の骨吸収があるか 吸収の進行はどの程度か
・どの部位に根分岐部病変があるか 根分岐部病変はどの程度か
    
【 総覧的な状態の確認 】
・残存歯、欠損歯について記載する
・歯槽骨の状態を記載する(歯周病検査の場合を参照)
・叢生歯、埋伏歯の有無、部位、状態を記載する
・う蝕歯の部位、進行状態、歯冠の崩壊、残根の有無、状態を個々に記載する
・歯冠修復の有無 部位 インレー様、CR様 などの修復物を個々に記載する
・歯冠補綴の有無 部位 FMC様 HJK様 根管内鋳造物などの補綴物を個々に記載する
 ブリッジ様 支台歯、支台装置、欠損部位を個々に記載する
・修復物、補綴物の不適合、二次カリエスについて個々に記載する
・根管充填の状態 根管充填済の部位、状態 根尖病巣の有無を個々に記載する
・顎骨骨体に関する所見 透過像、不透過像の範囲、異物の形状部位などを記載する
・上顎洞に関する所見 左右の比較、不透過像の範囲 炎症症状、粘膜の肥厚状態等
・顎関節に関する所見 下顎頭の形状 左右差
・側頭骨の茎状突起に関する所見 過長などの所見

研修会でオルソパントモの説明をして、所見を8~10行書くことをお勧めすると、とてもそんなに書けないと意見が出ることがあります。
確かに、習慣化していないと書きにくいことは理解しています。
今回お知らせしたチェック項目参考にしていただくと、10行でも足りないくらいに映ると思います。
 
個別指導でオルソパントモの撮影で指摘を受けるのは、レントゲン写真の撮影条件を除くと
「撮影所見がない」
「撮影が傾向的にされている」
「撮影が頻回、撮影間隔が短い」
「前回の撮影から状態が変わっていない」
「撮影目的が不明確」
「残存歯が少ない」
 ・・・・
こんなことが挙げられているようです。
 
また、撮影を根拠のあるものとするためにレセプト病名を付ける場合があります。これも指摘を受けます。
「多発性う蝕症」
「埋伏歯」
「永久歯先天性欠如の疑い」
「顎関節症」
 ・・・・
 
あるいは摘要欄に
「開口障害」
「嘔吐反射が強い」
 ・・・・
と記載して、オルソパントモの撮影に根拠があるようにします。

しかし、それが撮影を正当化するための理由付けだとしたら、指摘を受けることになるだろうと考えます。
 
私の経験からお伝えすると、撮影したらそれに見合う活用をすればよいです。
そのためには、カルテ記載を充実させておくしかありません。


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