横浜市 林市政下のコンプライアンス劣化2018 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市 林市政下のコンプライアンス劣化2018

横浜市 林市政下のコンプライアンス劣化2018

 

約1年前、横浜市の林文子市政下におけるコンプライアンスの劣化について、このブログで言及させて頂いたことがある。

 

郷原信郎弁護士の訴えで中田市長が設立したコンプライスの推進を、横浜市初の女性市長である林市政下8年の間に後退させたという事実が明らかにされた。

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12311701760.html

 

そもそも横浜市のコンプライアンスの考え方だが、法令遵守を徹底することだけを行えば良いということではなかったはずである。

 

市民の信頼を失墜させるような行為も問題だというものだった。そして、横浜市役所では毎年のように外部講師を招き職員のコンプライス研修を行ってきた。

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11104526223.html

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11093216386.html

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11931240208.html

 

もちろん、その研修には市税が投入されているし、勤務時間内に行われている。ところが、横浜市ではその成果が全く生かされていないことがよく起こる。

 

今年、8月30日、横浜市西区市道の交差点で、市営バスが横断歩道上に停車し、バス後方から横断しようとした女児が車にはねられ、死亡する事故が起こった。

 

横断歩道と停留所の距離は約5メートルしかなく、死角ができないよう30メートル前後離すことを求めた県警の基準(指導)に適合していない。この事故以前に近隣住民には危険な交差点として認識されていた。

 

ところが9月1日の読売新聞の報道によると、横浜市はこの状況を受けて「法令違反などはない!」としているとあった。

 

つまり、「死角ができないよう30メートル前後離すことを求めた県警の基準(指導)など」が出来る前に設置されたバス停なので「法令違反などはない!」と主張したいのだ。

 

さらに、横浜市交通局は “停留所の設置場所や停車位置に違反はない。停留所を変更するかどうかは事故原因がわかってから検討する” とあった。

 

しかし、平成9年以降からバス路線・バス停を新設する時には、常に県警からこの項目について指導・注意喚起を受けていることは周知の事実。交通局も内部資料で注意喚起を行ってきている。

 

安全を重視し、事故の未然防止を考えるならば、この様なバス停の改善をしてくるべきであったはず。道路を横断する時は、「横断歩道を」と、子ども達に指導している道路管理者や交通関係者が、横断歩道上に車を停車して「死角を作り 良し!」としてきたことが問題なのでは。

 

この様に考えると、10年以上にわたる横浜市役所内(交通局含む)のコンプライアンス研修も台無しになるような回答を行っているのでは。

 

 “横浜市職員は、上司に目が向いていて市民を見ていないとの声を良く聞く。『市民の皆様ともっと向き合いましょう』 ” という改革を行ってきたと自負して対外的にもよく発信している林市長だが、この事故後の横浜市交通局の言及は市民と向き合あっているとは到底思えない。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO3266245005072018000000?channel=DF041220173308&style=1&

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO32857200R10C18A7000000?channel=DF041220173308

 

この事件を受け、交通局常任委員会の委員である私は96日に現場の視察を行った。9月7日には神奈川新聞がこの交差点の問題を指摘した記事を書いた。

http://www.kanaloco.jp/article/358750

 

結局、横浜市と県警が現場を視察したのは、9月18日のことである。

http://www.kanaloco.jp/article/361142

 

また、平成28年9月24日、大口病院の点滴内異物混入殺人事件が明るみなった。事件発覚の約2か月前から、横浜市医療安全課へは院内の異常実態を知らせる内部告発があったが、医療安全課は市民の訴えに向き合わなかった。

 

市民に衝撃を与えたこの事件発覚直後の924日でさえも、横浜市保健所の医療安全課長は、「適切に対応した。」と言及している。今回の事故後の横浜市交通局の言及と非常に酷似している。

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12204633379.html

 

横浜市が告発者からのメールにすぐ対応しなかったことは、NHKのクローズアップ現代でも指摘され疑問視された。この時も市職員は「正直な話(立ち入り検査は)きちんとやったと、私共は考えておりました。」と主張している。

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3871/1.html

 

そして、殺人事件発覚後約3週間後、院内の資料がすでに神奈川県警に押収されている中で臨時立ち入り検査を行っている。さらに全国的にこの対応が疑問視されるようになると、検証委員会を発足している。

https://www.sankei.com/photo/daily/news/161011/dly1610110013-n1.html

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12209424641.html

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/soudanmadoguchi/shiryo/28kennshouhoukokusho.pdf

 

平成30年2月に旧大口病院を再開にする時、市が現地確認を行っている。人員を増加させ、常に1チームは臨時検査を行える体制を構築したという。

https://www.asahi.com/articles/ASL2W2HJ9L2WUBQU004.html

https://www.sankei.com/region/news/180314/rgn1803140016-n1.html

 

また当時は、50人の死亡を不思議に思わない医師である病院管理者らに対する疑問も生じている。

http://agora-web.jp/archives/2033768.html

https://www.dailyshincho.jp/article/2016/10120557/?all=1

 

さらに、3人目の被害者である78歳の女性は足のけがで入院して死亡している。その女性は大口病院では病死とされていたが、容態急変に不審に思った県警が同院以外の医師にカルテなどを示して意見を求めている。

https://www.asahi.com/articles/ASL8L4GG1L8LULOB005.html

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180819-00028706-kana-l14

 

また、告発者と思われる方のツイッターを読むと、横浜市医療安全課が  “告発者は匿名であった” という偽りの情報発信をしていることが書かれている。その後、横浜市医療安全課と内部告発者との関係が修復できたかどうかも未だ見えてこない。

 

容疑者逮捕後は、事件に関する情報が次々と発信され、「犯人一人の責任に終わらせて良いのか!」という疑問を呈する訴えもあり、事件は終結していないともいえる。これも、横浜市職員が市民に向き合わなかったために起こった悲劇的な事例の一つであろうか。

https://twitter.com/ngu19690604

 

さて、この2つの事例をとってみても、実際、林市長が自負する改革など役所内には浸透していないのではと私は思っている。

 

“ 横浜市のコンプライスとは法令順守のみであって、市民の信頼とは関係ない ”と行動基準を変えてしまえば、一貫性を保つことができるだろうに。

 

常に曖昧な表現を駆使し、場面によって使い分けることは、賢明な人が行うことではない。林市政が検証される日が来た時に、その齟齬は致命的な欠陥となるかもしれないと危惧している。