横浜市林市政下のコンプライアンスの劣化について
横浜市林市政下のコンプライアンスの劣化について
林市長を望まない票数がこの4年で373,659票も増え、前回に比較し、96,245票を減らした林市政が始まった。
自民党、公明党、民進党の一部と組織票を総動員しても、今回の結果は非常に厳しいものがあった。
私は横浜市のコンプライアンスに関して、何度も警鐘を鳴らしてきた。推薦はしたが、林市政におけるコンプライアンス推進に関しては懐疑的である。
https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11931240208.html
https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11835485187.html
平成26年度4月のコンプライアンス推進室長の人事には驚き、“コンプライアンス” とは異にする体質へ逆戻りするのではと、市民及び市職員にブログなどで警鐘を鳴らした。
8月30日、日本経済新聞、読売新聞などで横浜市のコンプライアンスに関する記事が掲載された。残念ながら読売新聞の記事はネットでは読めないので、ここで紹介しようと思う。
“外部委員と2年間議論せず ” 横浜市は30日、コンプライアンス(法令遵守)などをテーマに話し合う庁内の専門家委員会を、今月まで約2年間、委嘱した有識者の外部委員3人を交えずに開いていたことを明らかにした。
外部委員の郷原信郎弁護士は同日の市長記者会見に同席し、「不祥事が多発し、憂慮している」と影響を指摘。
市によると、市幹部が地位を利用して職員を政治資金パーティーに参加させ、88人が処分された問題を受け、市は2006年、郷原氏らに外部委員を委嘱。
年に数回、外部委員が参加する委員会を開き、市幹部と再発防止策などを協議していたが、15年を最後に開かれなくなったようだ。
郷原氏の指摘を受け、市は29日に委員会を開催し、林文子市長ら約30人と意見交換をした。
外部委員が参加しなかった時期に、原発事故後に転入した小学生へのいじめについての対応が問題視されており、郷原氏はこの日の記者会見で「市教委の組織対応が不十分だった」と指摘。
過去5年で16回委員会が開催されたうち、外部参加は3回に留まったことを踏まえ、「専門委員会を中心とした取り組みが十分でなかった」とも述べた。
3期目がスタートした林市長も会見で「1年に最低2回は外部を交えて議論する」と改善を約束した。
つまり、横浜市コンプライアンス推進室は、平成26年度後の2年間、横浜市コンプライアンス外部評価委員を排除してきたということである。
結局、私の警鐘どおりの方向をたどったことになる。
http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/mayor/interview/2017/170830.html
もちろん、このような状況は総務局長にも責任がある。2016年に総務局長に女性を途用したものの、大きな変化はなかったことになるのでは。
http://www.kanaloco.jp/article/162404
横浜市が内部告発者名を企業側に漏洩という記事が報道されたが、平成15年当時から少しも変わっていないので、私としては特に驚かなった。
この横浜市の告発者に対する配慮欠落という根本的な体質について、私は15年間かけて問題提起をし続けてきたといっても過言ではないからだ。
http://www.asahi.com/articles/ASK7M4SDXK7MULOB018.html
https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12002018365.html
中田市長が設立したコンプライス推進を、横浜市初の女性市長である林市政下8年の間に後退させてしまっていたという事実に、私は非常に驚いている。
また、横浜市不正防止内部通報制度がまともに機能せず、組織内のパワハラ、セクハラ対策も進まず、我々のような議員に個々の相談が絶えない理由もこの事実でよくわかった。
これでは、女性進出のメリットが説明できなくなる事態を結局、林市長自身が招いていたことになる。
今回の記者会見において、郷原氏は以下のように言及している。
「今後は通報者の配慮に欠くようなことは絶対起こさないという姿勢が重要なのです。ところが、その姿勢が全然この中から見受けられず、非常に当たり障りないような、当たり障りなくはないのですが、実はそういう報道発表で終わってしまっています。
これはやはり、そもそも通報というものに対してどう対処していくのか、どう活用していくのかという姿勢自体が欠けているのではないか、そこが私は一番問題だと思いました」と。
的を得た言及である。郷原弁護士を含め今後、外部委員らがこの硬直した組織を是正できるのか、1年に最低2回では大きな期待は難しいかもしれない。
そして、市長が3期目の今頃になって、自戒している、改善するといわれても、この8年間の組織体質の劣化は深刻な問題である。
残念ながら、横浜市は正直者がばかをみる組織だと、職員らから嘆かれていることをよく耳にする。
結局、だれも怖くて本当のことなど言えないのだ。
昨年度、こども青少年・教育委員会でも様々な指摘をさせて頂いたが、ほとんどの議員が私を含め、言いっぱなしでその後の確認作業を怠る傾向にある。
それを行政側も心得ており、行政側に隙を与えてしまう。質問や指摘、要望などに対して、本当に議論対応をしてくれているのか?
喉元過ぎれば熱さを忘れるという体質が、横浜市職員にも議員にも蔓延していると言われるが、仕方がないと思う時がある。――残念だが。
大口病院問題は、殺人事件が絡んできるわけだが、犯人検挙もならず今にも風化しそうである。
横浜市のコンプライアンスは15年経過してもよくならない。「告発した者は逆に、排除される」と、私に相談してくる職員の方達から伺う。
所管局である総務局幹部職員は、良い仕事をしてきたという誇りが持てるのだろうか。―心配だ。
大事なことの一つは、行政にとっても政治家にとってもきちんとした成果を残すことにあるのでは。