世界一熱い投資会社の日記(β版) -10ページ目

資本市場を食い物にする金融事業

某社の話である。
(内容を読めばどこだかわかると思いますが、あえて社名は伏せます)

第三四半期までの経常利益実績が
通期業績予想の半分以下で
普通に考えたら達成なんて不可能なんだが、
(どんな業種で第4四半期に利益の半分以上を出せるものがあるのか・・・)
新聞に載っていたその会社の利益達成の根拠に対するコメントを見て
???となった。

1.子会社の証券会社を通じて、上場している子会社のMSCBを引き受けていて、
  そのMSCBによって利益を確保する。

2.子会社が上場するのだが、その子会社株式の売却によって利益を確保する

上記二つの理由によって利益達成は可能である。

この会社は本業は別にあるのだが、
昔から子会社を通じて投資(金融)事業を行っていて
そこからの利益が大半を占めていたのである。

ちなみに子会社は投資(金融)事業が本業であるため、
株式を売却しても特別利益になるわけではなく、
売上と原価となるので、非常に利益率が高く、
且つ売上高を大きく見せられるのである。

これ自体はそういう事業だと考えて評価すればよいのであって
問題はないが、
今回の取引は非常に問題があるように思える。

1.については、MSCBの設計上確実に10%は儲かるようにできており、
資本市場を顧客として確実な利益を得るという方法である。
しかも自分の確実にコントロールできる会社が発行体になるのである。
これこそ損失リスクがまったくない勝負をしているのである。
タネ銭が大きければそれだけ利益を含ませることができる。
損をするのは上場子会社の株主であり、資本市場なのである。

果たしてこのような取引が倫理上認められるのであろうか。
企業倫理を無視すればいくらでも利益は出せるという典型である。

2.については、この上場する子会社は株式交換で100%子会社になったものを
わざわざ別の金融子会社で運営するファンドに株式の一部を移動させてから
上場させているのである。
(そうすることによって株式を売却した利益を売上にすることができるからである)

自社の株式との株式交換で手に入れた株を
さらに資本市場で売却して利益を得る。
果たして誰が得をしているのだろうか。

これも資本市場を食い物にしているとしか思えない取引である。

最初のうちは純粋なファンドを通じたベンチャー投資で、
投資先が公開して市場で売却して利益を得ていたが、
今では企業規模が大きくなりすぎて、
いろいろな仕組みをつくらなくては、増収増益を続けることが難しくなってきた。

しかし、このようななんともいえない金融ビジネスで増収増益を続ける会社へ
投資をする意味はあるのだろうか。

本業が金融ビジネスであればそのような株価評価をされるべきであり、
現在のようなPER水準はありえない。

しかし、この会社は数々の話題によって株価は上昇しているのである。
中長期で株式運用をしようとする人にとっては
このような会社が存在することは市場のノイズであると思う。

この会社への思い入れがあるからこそ、敢えて苦言を呈してみた。
早く本当の本業で収益を上げて、このような金融ビジネスに依存しない会社に
なって欲しい


しかしそうなるには、
いまのような倍々ゲームを一旦リセットして
大きく業績を落込ませなくてはいけない。


それが許容できるような会社になって、
一から出直す覚悟ができたときこそ

私はこの会社に真の投資を行えるチャンスだと思っている。

従業員のモチベーションを向上させる秘訣

今日は某所で行われていた
大学生向けの勉強会にオブザーバーで参加してきました。

勉強会の内容は学生が企業訪問し、
見てきたものを報告し、
訪問した企業の社長が聞くというもの。

なかなか面白い提案や報告もあって毎回楽しみにしているのです。

そんななかで、今日は某コンビニに商品を納入している企業が登場。
社長さん自ら学生の発表を聞いて、
その上で会社の沿革から丁寧に会社の説明をしてくれました。

非常に熱心な社長さんで、財務分析をすると同業他社の方がすぐれているのですが、
この社長さんの熱心さだけでも投資に値するなと思えるほどでした。

しかもこの社長はオーナーではなく、三代目で、アルバイトからの叩き上げで
現場のことがよくわかっている人なのです。

であるからこそ、説明や質問への回答も非常に納得がいくものであるのです。

その社長に対して学生から質問がありました。

製造業の現場は単調な作業が続き、従業員のモチベーションが低くなりがちだが、
 そのための対策はどうしているのか


これに対して社長さんは
社長に就任してからIRに力を入れているのだが、
それと同じかそれ以上にIRで説明していることを従業員に対しても行うなど
ERを強化
している。
現に3ヶ月をかけて全国にある工場すべてを回って従業員との対話をしていると語っていました。
しかも工場を訪問した際には必ず仕事のあとに従業員と飲みに出かけており、各地の管理職には従業員と飲みにいくことを控えるようにはするなという号令を出しているといってました。

飲みに行くということが正しいのかどうかというところは意見がわかれますが、
食事を一緒にすると普通に同じ時間を過ごすよりも親密度が増すと
心理学では言っていたこともあるので、非常に効果的であるといえ、
やはり一般従業員(社員だけでなく、パートやアルバイトも含む)は
社長と会話をしたということ自体が誇りに思えて、モチベーションが変化したりするものです。

それを具体的に実施できているこの会社はいい会社だと考えています。

また、社長自ら挑戦を続けていくことがこの会社の発展のためには不可欠と考えていて、
それを全社員にも浸透させようとさせているということも非常に好感がもてます。

挑戦を続ける組織を作ることが一番難しいですが、
そこが達成できそうなこの会社は非常に今後も成長を続けていけそうな感触を得ました。

やはり社長の話を聞くということは非常に勉強になると実感した一日であった。

人材の流動性への考察

ベンチャー企業といえば
人材の流動性が高いといえる。
しかし、私の携わっている未上場ベンチャー企業は
人材の流動性が低い。

人が辞めないのである。

なぜなのだろうと考えた中ではいくつか思い浮かんだ

1.従業員の居心地がよい環境ができている
2.従業員と会社のベクトルがあっていてやりがいを感じている
3.ストックオプションを広く従業員に付与しているので、上場して行使するまではいなくては損だと思っている。
4.他に転職する自信がない

1.については、1年くらい前まではそう感じていた社員も多かったのではないかと思う。
上場をあまり意識せず、あまり変化をせずにそこそこの案件をこなしていく仕事は非常に居心地がよいと思う。
しかし、いまは上場を目指しているのであるのだから、
日々是変化である。
新しい社員は入ってくる。
新しい仕事がたくさん生まれる。
仕事の仕組みが劇的に変わる。
仕事のスピードが劇的に早まる。
こうした中では居心地がよい環境ではないだろう。

2.については、いま私が一番重要だと思って着手していることである。
しかし、まだ全従業員がビジョンや理念を理解して、
ベクトルをあわせて仕事をしているとはいえず、
いろいろな人がいるなぁという空気を感じるのである。

そういう意味では、もっと社長やマネジメント層が、
従業員とコミュニケーションをとる必要があり、会社のDNAを明確化し、
それを従業員に植え付けていく作業が必要なんだろうと思う。
強い会社にはここが重要。

3.については、私はここが一番の理由ではないかと思う。
ストックオプションの功と罪の罪の部分である。
上場前から在籍していたことが、最大の貧富の差につながるというところであり、
上場後に行使が行われれば、続々と市場で投げ売りをして
濡れ手で粟のキャッシュを手に退職をしていく社員が続出するのが、
大半のベンチャー企業が上場した直後の状況であり、
それによって会社の成長が止まってしまうことがよくある。

そういう意味では、ここでビジョンなどの共有なしに、
ストックオプションだけでつなぎとめられている人材がどれだけいるのか
ということを真剣に考えなければならないだろう。

こういった人たちはどんなにプレッシャーを与えても
したたかに上場を、そして、行使してキャッシュを得る時期を
待っているのであるから。

4.については会社の癌となる存在なので、
早急に対処が必要だろうが、
いま携わっている会社については、
それほどはいないのではないかと思う。

どちらにしても、ストックオプションとビジョンや理念を同期させることや
株式を持つということが、どのような意味があるのかという社員教育を行っていくことが、
上場後も見据えた強い会社を作るには必要不可欠なのである。

そうしなければ、上場後1年~2年でオリジナルメンバーがまったくいなくなり、
迷走を続ける企業をもう1社増やしてしまうことになりかねない以上に、
上場を果たすまでの期間が長引いてしまったときには、
上場を前に会社が空中分解しかねないだろう。

そのためにも、ビジョンの浸透とベクトルをあわせることと
上場準備を急いでやらなければならないのである。

経営理念やビジョン

これは未上場ベンチャー企業に限ったことではなく、
私の投資戦略全般に共通することである。

「経営理念」や「ビジョン」がそこで働くすべての人に浸透している会社ほど強い会社はない

「経営理念」とは会社の目指すべき最終形態である。

「経営理念」をより具体的に理解できるカタチにした長期的な目標が
「ビジョン」である。

「ビジョン」をいかに達成するのかを現したものが「中期経営計画」や
「事業計画」である。

これをさらに1年単位で示したものが「予算」や「売上目標」、
「業績予想」などと呼ばれるものであり、
そこを四半期予算や月次予算にして事業毎などで管理をする。

さらにそこから一人一人が週次予定や日次予定へと落とし込んでいく。

つまり、そこで働くすべての人の日次予定の積み重ねが少しずつ
「経営理念」や「ビジョン」の達成を近づけていると考えられるのである。

だからこそ、そこで働くすべての人が少しでも「経営理念」や「ビジョン」を
意識して働いているのかどうかということが重要なのであり、
毎日少しずつの差が1年、5年、10年と経ったときには大きな差となってしまうのである。

私はいま、未上場ベンチャー企業において
マネージャークラス以上を対象に会社のビジョンを理解してもらうということをやっている。

たしかに、短期的には時間の無駄かもしれない。
だが、マネージャークラスがしっかりとビジョンを理解していなければ、
日々業務で接する一般社員や協力してくれているスタッフ、アルバイトは
ビジョンを理解した働きができないのである。

この小さな積み重ねが将来の競争力の大きな差になると確信しているからこそ、
試行錯誤しながら、全社的にビジョンを浸透させることを推進しているのである。

まずはビジョンをもっと具体的に落とし込むことも大事なのかもしれないし、
その中で会社の真の強みを再確認できることにもなるかもしれない。

会社の最大の財産は人であり、組織なのである。
だからこそ、働くことのベクトルが同じ方向である組織力が
最大の競争の源泉になるのである。

本を読むこと

経営者は本を読むのが仕事なのではないかと思うくらい、
彼らは本を読んでいる。

だから先を見越した意思決定ができるのだろうし、
新しい発想が湧いてくるのだろう。

ビジネスで通用するには、日々の業務に忙殺されずに、
落ち着いて本を読む時間を作るのも
とっても大事なんだと思う。
(彼らは出張中の移動時間に本を読んでいる場合が多いようだ)

私も本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を観たりすることは好きなので
それをご紹介する息抜きテーマを作ってみました。

初回は最近はまっている心理術の本
中国へ出張する途中で読みふけりました。

「ヤクザの実践心理術 なぜ彼らの言いなりになってしまうのか」
(向谷 匡史著 KKベストセラーズ刊)

ビジネスをしていく上では、もちろん実力も重要です。
それともにその実力を100%発揮させるための
振る舞いを覚えることも重要です。

そういう観点から何冊か心理術の本を読んでいるのですが、
この本もなるほどと思えるエッセンスがいくつもありました。

相手が知っていって自分が知らないと致命的なのが、
心理術のテクニック。
そういった事態を回避するためにも身に着けていたいものだと思っています。

マンションディベロッパーの戦略

先ほどテレビを眺めていたら、
とあるマンションデベロッパーの企業紹介番組風CMがやっていた。

その中で、中野区の1LDK(40㎡程度)の物件を購入した方が
購入時は独身であったが、その後結婚をしたという人が出ていた。
現在は10万円程度のローンを払っているのだが、
将来、子供ができたときには別の家に引っ越さねばならないと語っていた。

そこで、マンションデベロッパーの関連会社の人が登場し、
購入しているマンションは、マンションディベロッパーの関連会社が
17万円弱で借り上げる保証をしていると語っていた。

それであれば、いまも別のところに住んで
借り上げてもらえば毎月儲かるのではないだろうか。

それとともに、借り上げる保証をするということは、
貸し手が見つからなかったときには、
マンションデベロッパーの関連会社が損をするということになるのでは
ないだろうか。

こういった保証を連発しているようであれば、
1LDKや1DKで販売したマンションを購入した人が
事情によって大量に移住し、借り上げなければならず
物件がだぶついて賃料収入が保証した金額を下回ったときには
逆ザヤになってしまい
将来にわたって莫大な債務を抱えることになるのではないか。

また、これがいろいろな制約条件があって、
購入者への借り上げが実行されにくい状態であれば、
あたかも必ず借り上げるととれるような広告をして
販売をしているということであれば、
それもまた将来に問題を残すこととなるだろう。

どう考えても世の中に絶対に儲かる仕組みなどないのであり、
このような確実に儲かる仕組みにはどこかに落とし穴があるのであるから、
非常にこの企業の先行きに対して不安を覚えた。

以前にとある上場企業は、
販売した商品を必ず買い戻すことを約束し、業績を拡大させていたが、
買戻しが始まるとともに莫大な在庫を抱えて
黒字倒産をしたということがあった。

こういった約束をする企業は短期的には業績を押し上げるかもしれないが、
非常に危険であり、投資はしたくないと思っている。

株主優待と会計処理

先日、とある上場企業の方と話をしていたなかで
株主優待について話すことがあった。

その方の企業は株主に対して
株主優待券として、2,000円程度の金券を送っているのだが、
この株主優待券の会計処理は一見すると
売上値引きなどになると思いがちだが、
どうやら交際費になるという税務当局の見解だという。

これは株主であったとして、金券の贈与が営業活動の一環ではなく
特定の者に対して便宜を図る(利益を供与する)という行為に該当する
ということのようである。

販売促進費などにも思えるが、
それともまた違うという見解のようである。

割引券でも売上値引きにならない場合があり、
製品などの提供もその原価が交際費になるということのようである。
(特に、株主限定オリジナル製品だと確実に交際費扱いのようである)

そう考えると、交際費となるのであれば
税務上は損金不算入のため、
財務上は費用となっても、税金を減らす効果がないために
株主に帰属する税引後当期純利益を押し下げる効果がある。

株主優待を行うことは、株主公平の原則(株数に応じて権利を得る)
ということに反するという一部の意見などもあるが、
税務まで考えると、株主優待を大規模に行う企業ほど
大株主が得られるべき会社の利益を減じさせてしまうことになる。

そういう意味では、税務上の問題までを考えると
株主優待という制度は変な制度である。

そうはいっても、何かもらえるとうれしいものではあるが。

ネット企業は社会に新たな経済的価値を生み出しているのか その3(最終回)

インターネットを利用したサービスは確かに
ユーザーに利便性を提供し続けている。

家にいながらにしてショッピングができたり、
オークションで自分のモノを手軽に販売できたり、
音楽やソフトウェアをダウンロードしたり、
店頭に行かなくても金融取引ができたり、
チケットを購入するのに電話をかけなくてすんだり
ポータルサイトではそれらのサービスを総合的に利用できたり
ニュースをみたりすることもでき、
コミュニティを使えばいろいろな人と交流することができ、
そこに広告を流せば、効果を簡単に測定できる。

こうしてみるとインターネット上で流れるお金とモノの量は確実に増えている。

しかし、その動きは新たな需要を生んでいるのだろうか?

たしかに、インターネット・オークションを利用することによって
これまでにはほとんどなかった
CtoCのお金とモノの動きは大幅に拡大をしている。

一方でCtoCの動きが拡大して直接的に利益を出している企業は
オークション運営会社のみであり、
ヤフージャパンやビッターズなどの数えるほどの企業であり、
その金額はその取り扱い金額に比べて微々たる金額である。

経済全体の需要創出としてカウントされるのは、
企業活動を通じた付加価値の創造であり、
CtoCは個人間の資産移転にしかならず、
経済全体では新たな需要を生んでいないのではないか。

むしろ、CtoCでのお金とモノの動きが拡大するにつれて
BtoCでのお金とモノの動きは縮小するのではないだろうか。

また、インターネットを通じたBtoCのサービスについては、
従来のサービスがインターネットを利用することによって
手数料を低くしたり、利用時間を気にしなくてすんだり、
ECにおいては安さなどをメリットとして提供しているだけであり、
これは従来のリアルで生じていたお金をモノの動きを
インターネットに置き換えた(トランスファーした)だけなのではないだろうか。

むしろ、リアルよりも販売価格を安くしたり、
手数料を引き下げたことによって、
経済全体でみると付加価値を減少させているということも
考えられるのではないだろうか。

インターネット広告にしても、新たな市場を生み出しているのではなく
他のメディア(特に新聞、雑誌、ラジオなど)から
移転しているだけなのではないだろうか。

こう考えるとインターネットを通じたサービスは
社会に新たな経済的価値を生み出しているとはいえないのではないだろうか。

そういう意味で、新たなテクノロジーで新たな価値を生み出している企業が
ほぼ不在ともいえる日本のネット企業群は、
そのサービスの需要がリアルから移転を続けている間は、
確かに成長をするかもしれないが、
その移転がほぼ完了したときには、
企業価値はリアルの小売や金融などとの比較で割安、割高を判断するべきであろう。

特にインターネット金融取引については、近い将来にリテール部門の需要の大半が
移転することが目に見えており、
インターネット金融サービスが中心となっているネット企業の企業価値は
他の金融機関との比較で見るのが適切なのではないかと私は考えている。

革新的なテクノロジーで、従来までにリアルではないサービスを提供し、
そこに新たな需要が生まれたときに、
真のインターネットサービス企業として企業価値を評価して投資すべき対象が
生まれたことになるといえる。

そういう意味では、現在の一人あたり数百円を徴収するモデルから、
多くの個人に何百~何千万円も支出をさせる自動車や住宅などと
同列のサービスや製品が出てきたときこそが
インターネットが産業を革命したといえるのではないだろうか。

おわり

ネット企業は社会に新たな経済的価値を生み出しているのか その2

携帯電話以外のインターネットサービスが本格的に普及を
始めるきっかけとなった大きなきっかけは、
ソフトバンクがADSL業界に参入をし、
個人ユーザーが初期コストがほとんどかからず、
格安でブロードバンド常時接続で
インターネットが利用できる環境が整いだしたことである。

ユーザー数は2002年末ごろから急激に増加するとともに、
通信コストを気にしないユーザーの増加に伴って
インターネットを利用したサービスの利用も増加していった。

これによって、ネットバブル崩壊後も生き残っていた
インターネットサービスを提供する企業は息を吹き返し、
収益を好転させることに成功し、
2004年以降IPOを果たすという企業が続々と出てきているほか、
すでに上場していた企業も業績好調によって
株価が急激な上昇を遂げている。

この中でもポータルサイトなどのメディア事業を行っている企業では
トラフィック増加によって広告収入が増加している。

企業のインターネット広告に対する認知度も改善されて、
効果的な広告手段として他の媒体と同様の取り扱いをする
大手企業が増えてきている。

また、インターネットを利用した物販(EC)も取り扱いが大きく増加しており、
ブログを通じたアフィリエイトなどでの広告手法も駆使して
インターネットを利用してモノを買うという行為が一般化している。

このほか、オークションサイト利用の活発化や
インターネットを利用した金融取引(銀行や証券、保険など)も増加を続けている。

こうしたインターネットサービスの利用が増加していくなかで、
一つの疑問が生じてくる。

インターネットを利用したサービスは社会に新たな経済的価値を生み出しているのか?

続く

ネット企業は社会に新たな経済的価値を生み出しているのか その1

インターネットが日本で広まりだして10年くらい経過する。

ネットバブルと言われる1999~2000年を過ぎて
ネットサービスは一旦淘汰の時期を迎えていた。

それはたしかにそうである。
ユーザーが圧倒的に不足していたからだ。

もちろん当時もインターネットに接続していたユーザーは多かった。
しかし、接続環境はダイアルアップによる従量課金型ナローバンド
ユーザーが大半だったのだ。

常時接続をしていたのは、企業や大学と一部のCATVユーザー程度で
ADSLもFTTHもまったく普及をしていなかった。

こういう環境ではユーザーは接続の従量課金を気にして
インターネットでお金を払ってサービスを利用するということを
積極的にせず、インターネットサービスは儲からなかったのである。

一方で携帯電話を利用した着メロなどのコンテンツサービスは
パケット代のみしか通信料がかからずに、
コンテンツ代金をキャリアが徴収するので別途払う必要がなかったことから
急速に利用が普及し、
そこで収益を得てきた企業は業績を拡大し、続々とIPOを果たしたのである。

よく考えると同一のサービスを提供している企業が
10社以上も上場しているという業種は近年ではまれに見る乱立ぶりといってもいい。
大手おもちゃメーカー1社分程度の売上高しかない市場規模で
それだけの会社が上場しているというのは異常な状態と考えてもよいだろう。
それでいてコンテンツ企業の時価総額の合計はかなり巨大である。
これは、なにかがおかしいのである。

それはさておき、日本では他の国と違って、
携帯電話でのインターネット利用の普及が広まって
人々はインターネットでサービスにお金を払うということを
経験していったのである。

そして、PCを利用したインターネットサービスに光明をもたらす出来事が起こったのである。

続く。