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ほんとなかよし

本紹介ブログ(と格好つけてる読書感想ブログw)
ノンジャンル手当たり次第読んだ本を紹介♪

ネタバレ自重・的外れで独断偏見に満ちているけど
読んだ誰かが読書をちょっとだけ好きになるブログ

だったらいいな・・・

1950年7月1日、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み―ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇…。31歳の鬼才三島が全青春の決算として告白体の名文に綴った不朽の金字塔。


内容「BOOK」データベースより


「人に理解されぬということが唯一の矜り」と自らを表現する主人公は金閣寺の美に魅了され翻弄され最後には金閣寺を焼く行為に至る。金閣寺焼失は史実に基くもだが、事件そのものを描くより犯人である主人公の心理的変遷を見事に描ききっている。吃音という障害を持つ主人公が自己と世間に軋轢を感じる姿は個人の存在意義を究極までに問い詰める。この主人公の姿勢は「ライ麦畑でつかまえて」のコールフィールドや川上未映子「ヘヴン」の主人公に近い!最後に自らの思想を貫く為に実行する(ライ麦では隠遁生活、ヘヴンでは眼科治療)姿もどことなく相通じるものを感じる。三島 由紀夫氏と言えば軍事クーデター実行のイメージが先行し、金閣寺の実行を反映させて見てしまうのだが、その行動に至るまでの葛藤や苦悩は必見と言える、作者が主人公の友人に語らせている「この世界を豹変させるのは認識だ」とする認識論的なアプローチは考えさせられるものがある・・・僕は三島氏の作品は「潮騒」のみ経験済みだが、潮騒はとても美しい作品だったと記憶している。同時に「潮騒」「金閣寺」通じて感じた事は、米兵や米軍の登場に関して悪いイメージしか受けない点とそれでいて日本の終戦期の危うさや混乱も描かれているため、戦争を経験した作者ならではの戦争観が垣間見れる点も三島作品の魅力の一つともいえる。社会と個人を描く作品は時として危険と言われる、先のライ麦は社会的影響力が強い作品として注目を浴びた事がある(ジョンレノン射殺犯や大統領暗殺未遂犯が傾倒した作品として・・・)金閣寺に関しても危うさを抱えつつも度重なる救済場面が読者の足止めを行なう点も評価したい。僕はライ麦自体もそういったブレーキ要因があると思うのだが、ブレーキが掛からなかった一部の人間のせいで危険な面を備えていると評価されるのが残念でならないのだが・・・さて最後に、金閣寺は、究極の美の一冊。


信州にある「24時間、365日対応」の病院では、今日も奇蹟が起きる。「一止とハルさん」の新たな物語。


内容「BOOK」データベースより


映画神様のカルテの原作「神様のカルテ」の続編。 久方ぶりの再開を果たした旧友が変わり果てていた時に貴方はどうしますか?身近で大切な方と別れる事になれば貴方はどうしますか?そんな人生の転機がテーマとなっています。 今作が前作と大きく違う所は、悪役とまでは言いませんが若干毒のあるキャラが登場する事です、医療現場の問題を示す意味で登場する変わり果てた旧友の姿には不快感の様な物を感じます、これは前作に無かった印象です。しかし夏川氏の作風の良さは結局その毒にも原因があり、その原因を知る事で同情が生まれる、しかもその毒を物事の考え方や視点を変えてみる事で見事に中和しており登場人物が前進していく、このテイストはなかなか高評価できるポイントだと思います。特に「神様のカルテ2」で良かった点は、ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧」の作中登場です!この作品はナチスドイツの強制収容所を経験した精神科医フランクルが書き上げた壮絶極まる生命闘争の記録。作中での「夜と霧」の扱い方は物語り進行上大切な役割を果たすので割愛しますが、作中と同じく人生観を変えてしまう程の名作です。人生や生死観を扱う作品は解釈が難しいです、自らの生命と向き合った精神科医の記録は人生とは?人とは?命とは?を考える点で恐ろしいまでの様相を見せ付けてくれる。「神様のカルテ2」を読む際は、「夜と霧」もセットで読む事をオススメします♪「草枕」よりかは作品の意味を(あくまで自分なりにですが・・・)解釈し易くなるのではないかなぁ~と思います。前作に引き続き、心温まるストーリー♪人生の中で大切なものを見つめ直す機会を与えてくれる一冊。

「お母さん、殺されたのよ」―学校から帰ってきた美幸は、家で母が殺害されたことを知らされる。警察は第一発見者である父を疑うが、彼には確かなアリバイがあった。しかしその言動に不審を抱いた美幸は、VIP専用の調査機関“探偵倶楽部”に調査を依頼する。探偵の捜査の結果、明らかになった意外な真相とは?冷静かつ迅速。会員制調査機関“探偵倶楽部”が難事件を鮮やかに解決。


内容 「BOOK」データベースより


『依頼人の娘』のタイトルで刊行され、文庫化に伴って改題『探偵倶楽部』。東野圭吾さんお得意の探偵モノ短編集でシリーズ化はされていない作品。私はミステリー系はあまり読まない方だが東野作品だけは夢中になって読んでしまう(いや、ミステリー系は夢中になると止まらない事が解っているから読まないだけなのかもしれない・・・)。東野作品の凄い所は、ミステリーそのものの謎や解明、トリックなどが秀逸なだけでなく、登場人物の心理背景や心理戦が巧みに描かれている点だと思う。ミステリーの基本は、謎解きであろうが、実はその謎を解く事で犯人や周囲の心理的真相が解明されて、その思惑に読者が背筋の凍る戦慄を覚える事になる。さて、今回の「探偵倶楽部」だが、若干心理描写に持っていく為に、あっけなく人が殺されすぎている様な気がしてならない、これは「探偵倶楽部」作品自体の閉鎖性がそうさせるのか、初期作品の作風なのかは知らないが、2000年代作品に比べて後味の悪い作品が多い。VIP御用達の探偵倶楽部の手腕はプロそのもので感情などを挟まず徹底して事件の真相解明を行なう。事件の多くはトリックよりも動機が重視され、しかもその動機の多くは「自らの利益の為に殺す!」だ。ミステリーの中には「殺すべき相手だった」という動機に情状酌量を残したトリック重視の作品が多くて、そんな作品の方が、あ~楽しかったと思えるだろうが・・・そんな甘えを許さないのが今回の作品である。事件の裏にうごめく人間の醜さや計算高さなどは胸糞を悪くさせるに十分で、救いのない終わり方等は実際の殺人事件の取り返しの付かなさに匹敵する現実味を帯びている。・・・ように思うwドライでクールな探偵もの ゾっとするには最適な一冊。


神の手を持つ医者はいなくても、この病院では奇蹟が起きる。 夏目漱石を敬愛し、ハルさんを愛する青年は、信州にある「24時間、365日対応」の病院で、今日も勤務中。 読んだ人すべての心を温かくする、新たなベストセラー。第十回小学館文庫小説賞受賞。


内容 「BOOK」データベースより


映画公開中の神様のカルテを再読。神様のカルテは本屋大賞2位って事で書店にずらぁ~と並んでいた時期があり購入、作品の有する心温まるストーリーに涙した1人となった・・・その後に、映画化の情報をキャッチし、しかも私が大好きな宮﨑あおいがハルさんを演じるとなると特別な一冊に生まれ変わった事は言うまでもない。本当ならば映画を見るまでに復習をしておくつもりだったのだけど、他に魅力的な作品ストックを消費しきれずに結局映画を見終わった後での再読となりました。現在公開中の神様のカルテの内容までは多くは語れないので、映画と原作両作品印象の違いなどを書いてみようかなと思います。映画は監督や役者がいるので当然彼らの主観や姿勢が反映された像を見る事が出来ます、例えば主人公一止!人気絶頂アイドル嵐櫻井くんが見事に演じきったわけだけども、映画の一止は変人を意識しすぎたのか若干寡黙で思慮深い印象を持った。反面原作の一止は雄弁で話術が優れている印象、これは当然文字上の一止を想像しているので私自身の脳内補完が主たる原因であるのだろうけども、原作は一止の一人称視点で描かれているって点も大きな原因だろう。映画と同じシーンであっても一止が語る場面と映像として捉える場面では大きく違うと思う。無言で頷くシーンがあったとして、映像として背景や心理を予想して観る場合と一止が心情を吐露しつつつ頷く場面を文字で読むのとでは全然印象が変わってくると思う。そしてその違いは随所ある。映画と原作を見比べてその違いを感じてみるのも映像化作品の醍醐味ではないでしょうか?批判めいた事は嫌いなのですが、映画化にあたって少し残念だったのは、やはり2時間という映画の時間制約上仕方の無いエピソードカットや登場人物のカットだろう。映画の続編を原作にそって作るならば必要となる鍵の人物が映画には登場していないし、配役上キャラ性格設定が変わってしまっている人物もいるのが残念といえば残念。まぁこれは原作を忠実にという前提での残念であるので映画そのものが残念などと言う気はさらさらないし、むしろ一つの作品として成立した高評価を与えたい。最後に、神様のカルテは現役医師が医療現場を主軸にした人生の岐路に立たされた医師を描いた作品となっている、悩みながらも目の前の医療に勤しむ姿は人生に苦悶しつつも歩み続けねばならぬ社会人共通の苦しみを共感できる、そして一止の出した答えに人は感じるものがあると思う。刹那主義と言ってしまえば決まりが悪い、一歩一歩の歩みを大切にする人生観を教えてくれる一冊。

「ツレがうつになりまして。」


スーパーサラリーマンだったツレがある日、突然「死にたい」とつぶやいた。会社の激務とストレスでうつ病になってしまったのだ。明るくがんばりやだったツレが、後ろ向きのがんばれない人間になった。もう元気だったツレは戻ってこないの?病気と闘う夫を愛とユーモアで支える日々を描き、大ベストセラーとなった感動の純愛コミックエッセイ。


「その後のツレがうつになりまして。」


仕事のストレスでうつ病にかかったツレは、明るい前向きな人間から、暗いがんばれない人間になった。でも、三年間の闘病生活を妻とともに乗り越え、回復したのだ。ツレの性格は以前と違うし、あきらめたこともたくさんあるけれど、ふたりは少しずつ変化を受け入れていく―。うつ病後の日々を描く大ベストセラーの純愛コミックエッセイ第二弾。


内容 「BOOK」データベースより


どんだけ宮﨑あおい好きやねんって罵声は甘んじて受けよう。宮﨑あおいと堺雅人の篤姫夫婦が再臨する映画の原作って事で購入してみました。僕は篤姫を見ていないのですが、篤姫夫婦人気に肖ったと言うよりもむしろ「ツレうつ」の夫婦イメージにぴったりな二人が配役されているのでは?と思う。失礼な事を承知で言うが境雅人さんのイメージって・・・なんか「うつ」っぽいw偏見ですよ!あくまで個人的にそう思うだけで!でもって「ツレうつ」の、てんさんに宮﨑あおいさんは最適かもしれない!夫を支える妻役は神様のカルテを見れば抜群だったし天衣無縫ぶりは少年メリケンサックなどで証明されている。・・・と、作品自体より映画化を語ってはいけないな。「ツレうつ」はうつ病になった旦那とそれを支える妻の2視点から描かれた闘病の記録。ユーモア溢れる絵と台詞で本来不幸な筈の闘病が軽快に描かれている点が度肝を抜く!うつや精神を扱う作品の多くはどこか学術的で観察眼や実戦理論に満ち溢れ、その作品自体が人の心を重くする。しかし「ツレうつ」は読めば心が軽くなる。僕は大嫌いなジャンルだが癒し系やスピリチュアル系が好きな人が読むと良いのかもしれない・・・では何故この軽快さが生まれるのか?と問われれば一重に作者てんさんの夫への愛。実の所それだけが処方箋だったかの如く描かれている、うつ病に関して~しなさい。だとか~した方が良い等の事は二の次に、私たちはこうしました!でも実は逆効果のこともやっていた!と赤裸々に書かれている所が面白い。頭ごなしにうつ病を広めるのではなく闘病生活をあるがままに描いて人々にうつ病そのものを伝播している、そしてそこにあったのは献身的で愛情に満ちた妻の姿と新しい自分を受け入れる為に努力した夫の夫婦の姿だけなのである。うつ病を学ぶ為に読むも良し!夫婦のあり方を学ぶ為に読むも良し!オススメできる一冊。さて、核家族化と少子化が進み少数精鋭で家族を築かねばならぬ現代社会で、闘病は地獄である。本当に頼るべきは家族である事を実感するのは闘病生活を送ったものでないと解らないだろう、私自身も真の闘病には程遠い経験しか積んだ事はないが、本当に家族の大切さや社会や周囲の冷たさを実感するには十分な出来事があったばかりである。本当に家族を大切にしましょうね。