神の手を持つ医者はいなくても、この病院では奇蹟が起きる。 夏目漱石を敬愛し、ハルさんを愛する青年は、信州にある「24時間、365日対応」の病院で、今日も勤務中。 読んだ人すべての心を温かくする、新たなベストセラー。第十回小学館文庫小説賞受賞。
内容 「BOOK」データベースより
映画公開中の神様のカルテを再読。神様のカルテは本屋大賞2位って事で書店にずらぁ~と並んでいた時期があり購入、作品の有する心温まるストーリーに涙した1人となった・・・その後に、映画化の情報をキャッチし、しかも私が大好きな宮﨑あおいがハルさんを演じるとなると特別な一冊に生まれ変わった事は言うまでもない。本当ならば映画を見るまでに復習をしておくつもりだったのだけど、他に魅力的な作品ストックを消費しきれずに結局映画を見終わった後での再読となりました。現在公開中の神様のカルテの内容までは多くは語れないので、映画と原作両作品印象の違いなどを書いてみようかなと思います。映画は監督や役者がいるので当然彼らの主観や姿勢が反映された像を見る事が出来ます、例えば主人公一止!人気絶頂アイドル嵐櫻井くんが見事に演じきったわけだけども、映画の一止は変人を意識しすぎたのか若干寡黙で思慮深い印象を持った。反面原作の一止は雄弁で話術が優れている印象、これは当然文字上の一止を想像しているので私自身の脳内補完が主たる原因であるのだろうけども、原作は一止の一人称視点で描かれているって点も大きな原因だろう。映画と同じシーンであっても一止が語る場面と映像として捉える場面では大きく違うと思う。無言で頷くシーンがあったとして、映像として背景や心理を予想して観る場合と一止が心情を吐露しつつつ頷く場面を文字で読むのとでは全然印象が変わってくると思う。そしてその違いは随所ある。映画と原作を見比べてその違いを感じてみるのも映像化作品の醍醐味ではないでしょうか?批判めいた事は嫌いなのですが、映画化にあたって少し残念だったのは、やはり2時間という映画の時間制約上仕方の無いエピソードカットや登場人物のカットだろう。映画の続編を原作にそって作るならば必要となる鍵の人物が映画には登場していないし、配役上キャラ性格設定が変わってしまっている人物もいるのが残念といえば残念。まぁこれは原作を忠実にという前提での残念であるので映画そのものが残念などと言う気はさらさらないし、むしろ一つの作品として成立した高評価を与えたい。最後に、神様のカルテは現役医師が医療現場を主軸にした人生の岐路に立たされた医師を描いた作品となっている、悩みながらも目の前の医療に勤しむ姿は人生に苦悶しつつも歩み続けねばならぬ社会人共通の苦しみを共感できる、そして一止の出した答えに人は感じるものがあると思う。刹那主義と言ってしまえば決まりが悪い、一歩一歩の歩みを大切にする人生観を教えてくれる一冊。