Z世代や21世紀に生まれてきた子供たちは、 よく宇宙人👽に喩えられます。
何をしでかすのか予測不可能で、親の言うことを聞かず、親は子供に振り回されてしまい、躾もうまくいかない。
昭和世代からしてみれば、全然違う特性をもっていると思えてしまうので、
「子供が何考えているのか分からない」
「子供に何をしたらいいのか、分からない」
となってしまいます。
そして親や教師は、子供の成長を支援し見守る中で悩む事が多々あります。
実は「困った子」は「困っている子」で、「困った親」は「困っている親」なのかもしれません。
日々の多忙さ(忙:心を亡くす)から心の余裕がなくなり、目には見えない大切なもの(心など)に目を向けることができなくなってしまうことがあります。
人は誰しも生まれた時は皆まっさらで、育つ家庭や環境で人格が形成されていきます。
子供にとっていろいろなことを吸収していく大事な時期に、大人が自分の価値観(ものさし)でよいかダメかを決めてしまうと、子供の本来もっているよさや可能性が潰されて(出る杭は打たれて)、その後の人生に影響を及ぼしてしまいます。
金子みすゞ記念館 館長の矢崎節夫 先生の講演を伺うと、100点満点で生きてきた赤ちゃんが、成長するにつれて少しずつ自尊感情や自己肯定を下げて点数を減らしていくのは、大人の価値観を押し付けてしまっていることによる影響が否めないように思います。
私たち大人も皆、最初は赤ちゃんで、子供を経て大人になってきたはずです。
子供の気持ちを一番分かるはずの大人が、無意識のうちに思い込みや先入観をもって子供に接し、それが固定観念となり、偏見や差別につながってしまうことがあります。
「あの子は何を言ってもダメ」ではなく、「なぜそうした行動を取るのか」を考え、子供の心に寄り添った対処が大切です。
目には見えてこない、表面には現れてこない子供の奥底にある本当の気持ちに気付いてあげること。
「ダメな子」はいない。
大人がダメにしてしまっている。
ものの見方は一つだけではない。
「見方を変えると見え方が変わってきます」
別の方向から見ると違うものが見えてきます。
一人一人それぞれ皆違ったよさや可能性、個性、特性などをもった子供たちの輝きを受け止め、更に輝きを増すようにするために、
「みんな違って みんないい」
の大切さが伝わってくる絵本です。