Stephen Stills Live/Stephen Stills | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Stephen Stillsも一度、生演奏を目の前で観てみたいMusicianの一人である。Electric Guitarもいいけれど、変則チューニングを駆使したAcoustic Guitarの弾き語りを是非とも生演奏で楽しみたい。そんなStillsがManassas解散後にAtlantic Recordsを離れColumbia Recordsに移籍してソロ活動を開始、アルバム『Stills』を75年にリリースし、同じ年に半年もたたず世に出したLive Albumが本作である。ここでは、バンドを従えた演奏をA面Electric Sideとして収録、B面にはAcoustic Sideとして、得意のAscoustic Guitarでの演奏と歌を楽しめるように制作されている。アルバム2枚で終わってしまったManassasではあったが、Stillsに対する周囲の期待は高かっただろうし、Stills自身も気合が入っていたのだろう。Manassasは73年に2nd Album『Down the Road』をリリースした後、活動停止状態に入ってしまうが、メンバーを変えながら再編、するとDavid CrosbyとGraham Nash、そしてShowの後半にNeil Youngが参加したSan FranciscoのWinterland Ballroomで行われた公演で知られる彼らの最後となる10月のTourを何とかやりとげるのだった。Tour終了後に解散が発表され、Stillsは74年初頭にソロの東海岸Tour、そして再結成されたCrosby, Stills, Nash & YoungTourが始まっている。しかし、Tour後にCSNYのアルバムは制作されることはなくStillsはColumbiaと契約、上述の『Stills』をリリースしている。本作はその74年に行われた3年ぶりのソロTourの模様を収録している。メンバーはBarnstormのメンバーでManassasではCalvin "Fuzzy" Samuelの代役としてベースを弾いていたKenny Passarelliに、後にChicagoに加入するギターのDonnie Dacus、Manassasのアルバムにも参加していた鍵盤のJerry Aiello、ドラムスにはRuss Kunkel、そしてPercussionにManassasのJoe Lala

 

 『Stephen Stills Live』はStephen Stills75年にリリースしたLive Album。ChicagoのAuditorium Theatre74年3月に行われたCocertの模様が収録されている。

アルバム1発目はCrosby, Stills, Nash & Young69年にリリースされたDebut Albumに収録されていた“Wooden Ships”。ここではよりWildな演奏でいきなり盛り上がる。タメのきいたFunkyなリズム隊にのってWah  GuitarやHammondが攻めまくる後半が最高である。

Buffalo Springfieldが解散後の68年にリリースしたアルバムLast Time Aroundに収録されていた“Four Days Gone”、ここでもJerr AielloのHammondが最高でEmotionalに盛り上げている。淡々と歌われる3拍子のBalladだが唸りを上げるHammondとギターが激カッコイイ。

Manassasの1st Albumに収録されていたBluesyな“Jet Set (Sigh) ”で始まりJoe Walsh73年のアルバム『The Smoker You Drink, The Player You Get』に収録されたヒット曲“Rocky Mountain Way”を挟む“Jet Set (Sigh) /Rocky Mountain Way/Jet Set (Sigh)”。力強いドッシリ腰を落としたご機嫌なBoogieのMedleyでA面は終了する。

B面1曲目は71年にリリースされた2nd Solo Album『Stephen Stills 2』の冒頭を飾った“Change Partners”。Acoustic Guitarをかき鳴らしての弾き語りは、伸びやかな楽曲のMelodyが生き生きと歌われて実に気持ち良い。

Robert Johnsonの“Crossroads”から“Crossroads / You Can't Catch Me”から Chuck Berryの56年のSingle“You Can't Catch Me”へのMedley“Crossroads / You Can't Catch Me”。こちらもたまりませんなあ。

Crosby Stills & Nash1stに収録されるはずだったFred Neilの“Everybody's Talkin'”はStillsのRootsがわかる激渋の1曲。

Crosby Stills & Nashの『Déjà Vu』に収録されていたStillsのアコギ弾き語り4 + 20”。これはやっぱり沁みますなあ。

アルバム最後をシメるのは『Stephen Stills 2』収録の“Word Game”。こちらはより生命感に満ちたノリの良い仕上がりで、実に渋い終わり方。

(Hit-C Fiore)