Sunburst/Eddie Henderson | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 Alphonso Johnsonという大好きなベーシストがいる。Weather Reportでの活躍が一番よく知られるところかもしれないが、Hermeto PascoalGeorge DukeNorman ConnorsFlora Purimといった、これまた自分の大好きな人たちのアルバムで個性的なベースを弾いていてる。本作もまた、そういったお気に入りの名盤の中の一枚。Trumpet奏者Eddie Hendersonのリーダー作であるが、70年代のHendersonやAlphonsoが絡んだアルバムは、どれもが素晴らしい作品ばかりだ。Hendersonについては以前にご紹介したCapricornからリリースされた初リーダー作RealizationやHancockのMwandishiでも取り上げているが、Mwandishi Band関連作は、個人的にHorace SilverMilesCharles Mingusの70年代の作品同様に、あの時代の空気を反映した素晴らしい名作だと思っている。African-Americanのそれぞれが当時、行き着く処まで突き進んでいった結晶ともいえる作品群。それらは今でも聴かれ続け、Musicianに影響を与え続けている、決して色あせることのない傑作として存在している。本作にはHancockこそ参加していないが、Bennie MaupinJulian Priesterが参加している。そして大好きなGeorge DukeがFender RhodesClavinetMini MoogArp OdysseyArp String Ensembleで大活躍しているのだ。勿論、Harvey Masonのキレの良いFunkyなドラムスを相手にAlphonsoのベースもうねりまくっている。

 『Sunburst』はEddie Henderson75年Blue Noteからリリースしたリーダー・アルバム。
アルバム1発目の“Explodition”は作曲者でもあるGeorge DukeのFender Rhodesが転げまくり、Alphonso Johnsonのベースがうねりまくり、HendersonのTrumpetが吼えるJazz Funk。
Harvey Masonの叩く引き締まったFunkyなリズムにのってHorn隊がカッコ良すぎるキメを連発するFunkチューン“The Kumquat Kids”。Alphonso Johnsonの作品。
タイトル曲“Sunburst”はイントロからAlphonso Johnsonのベースが存在感を発揮し、DukeはCosmicなSynthesizerで浮遊感を作り出すと、HendersonのTrumpetが宇宙を駆け抜けていく
再びAlphonso作の“Involuntary Bliss”はWeather ReportのようなMysteriousでスケールの大きいナンバー。DukeのArp String EnsembleMinimalなエレピがSpacyに響き、Mini Moogのソロで暴れまくっている。
Harvey Mason作の“Hop Scotch”は高揚感に満ちた腰が動かされるナンバー。
Henderson作の“Galaxy”は不穏なイントロから始まるSpacyなナンバー。やはりDukeの浮遊感漂うエレピが素晴らしい。Bennie MaupinBass Clarinetも妖しく蠢き混沌とした展開の中、HendrsonのTrumpetが空中を漂っていく。
最後の曲はBennie Maupin作の“We End In A Dream”。この曲のみBuster WilliamsAcoustic Bassを弾き、Billy Hartがドラムスを叩いている。つまりHancock抜きのMwandishi Bandである。
幻想的な音世界はMaupinらしい。Mwandishi関連作に通ずる深海の中を泳いでいるようなDarkな雰囲気が良い。
(Hit-C Fiore)