阪急6000系 伊丹線仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

元々伊丹を経由するはずだった神戸線の計画変更の贖罪として直角に建設された伊丹線。塚口駅では神戸線と(レール上)接続するため、大手私鉄鉄道法適用区間の最急カーブをもってゆっくりとホームに入線します。そうしてやって来たのが、この6000系です。

 

こちらのの6014F、元々は6024Fと併結した8両編成で宝塚線で走っていましたが正雀工場でリニューアルが実施され、伊丹線に活躍の場を移しています。6000系としては、6015F以来のリニューアル車になりましたね。

 

外観では行き先表示がフルカラーLED化されているのが変更点になるでしょうか。それにしても、ここへ来て6000系にリニューアルが行われたのが驚きです。10両編成の大幅減少で、これより新しい7000系増結車も余っているでしょうに…。

 

そうそう、6014号車は宝塚線で中間に入っていたため、転落防止幌を取り付けるための金具が残されています。不要と言えば不要ですが、撤去するほどのものでもないということですね。あと、連結器は塚口方がこの通り密着式連結器、伊丹方が自動連結器と前後で異なり、10両編成運用の事情を引きずっています。

 

で、側面を見ると…なんとビックリ、種別表示が埋められ、行き先表示だった部分だけが残されています。なお、同様の改造は(実質)トップナンバーの6001Fにも実施されています。

 

そしてこの通り、「普通」と「伊丹-塚口」を交互に表示しています。どうせ通常はこれと「回送」くらいしか表示しませんから、これで十分となったのでしょう。何やらのせでんの7200系みたいですね。


6012Fは数少なくなった乗務員室直後に小窓が無い編成です。

まさか小窓が設置されることなくリニューアルをされるとは、思いもしませんでした。そうこうしてる内に、別の事情でまた小窓が無い車両が出ることになりました。

 

車内です。…うん、パッと見は5000系リニューアル車以来続く色調の化粧板に変更され印象が変わっていますが、幾分簡易的なリニューアルになっているかと思います。

 

そして、こちらは元2200系として製造された6760号車です。この画像では分かりにくいのですが、後程違いに触れましょう。

 

ドアです。開閉ランプの設置と焦げ茶色木目調化粧板への貼り替えなどのメニューで、それ以外は特に変わらず。一時期ブームのように実施されていた窓の拡大・押さえのフラット化などはされていません。押さえのフラット化は引き込まれ防止の観点でもやるべきだとは思うのですが…そんなに変わらなかったのかな?

 

一方でこちらのドア。のせでんの7200系のように左上にLCDディスプレイが設置されています。箱が木目調化粧板仕上げとなっているのにこだわりを感じる一方、ドア自体は相変わらず開閉時にガチャガチャ鳴る仕様なのは変わりません。またこのLCDディスプレイも中央の2番ドアには未設置で、点対称に2箇所の設置に絞られています。

 

車端部です。化粧板の貼り替えのほか、非常通話装置がここへ移っています。慣れというのは恐ろしいもので、5000系のリニューアルで出た時には激しい色調コントラストにビックリしたものですが…。

 

優先座席とフリースペースを有する車端部です。こちらには消火器を収納していますが、サインは少々大人しいです。

 

最前面です。遮光幕は元々緑色だったはずですが、近年登場・リニューアルされた車両と同様の色調のものに交換されています。


小窓が無い6012Fの最前面です。こちらは塚口方の一般座席の区画です。やはり閉鎖的な印象は否めません。


そして伊丹方の優先座席区画です。この区画は暗くなってしまうことから、昼間の節電消灯をしても照明が消えないように設定されています。

 

天井です。6014Fとして登場した編成は元よりラインデリア装備となっています。カバー付きの照明やバータイプの荷棚などは変わらずそのままです。

 

一方こちらは元2200系の6760号車。冷房吹き出し口はスポットタイプで、ラインデリアはありません。この辺を揃えなかったのはやはり支線向けだからなんでしょうね。

 

窓です。阪急では新系列への置き換えやリニューアルでアルミ鎧戸の日除けは消滅傾向にありましたが、ここへ来てアルミ鎧戸を存置したままリニューアルしたパターンが初登場しました(※阪急グループでは北急8000形も該当)。阪急では最後まで残るアルミ鎧戸になりますでしょうか。阪急8000系などと異なり、中央の窓の固定化は行われていません。

 

座席です。ドア間の着席定員は8人で変わらず、そして座席形状もまさかの変わらず…。一時3300系5100系5300系が比較的簡易なリニューアルを実施していましたが、それでも袖仕切りは立派に肘掛けとしても使えるタイプに交換していました。が、今回はそれすらしないほどのお手抜き…いや、お手軽リニューアルです。

 

車端部の4人掛けです。そうそう、脚台のドアコックがある化粧板、何気に濃い化粧板が貼られてるんですよね。1000系もそうなのでそちらに合わせたと考えられますが、リニューアル車では初めてのパターンですね。

 

優先座席です。ワインレッド色のモケットで区別しております。ここには消火器が収納されておりまして、車外に張り出して設置しているため、車内側はフラットになっています。

 

フリースペースとセットになった優先座席です。これまで頑なに握り棒しか無かった阪急のフリースペースにして、やっとこさ非常通話装置が追加されました。やっぱり車椅子等の利用者としてはこの位置にある方が便利なんですよね、工事する側は配線とか面倒そうですけど。

 

最前面の2人掛け、こちらは塚口方の一般座席です。最近阪急では自動放送装置の設置が進んでいますが、この編成ではリニューアル後も自動放送装置は設置されていません。運転台にワンマン運転用機器が設置されたとのことなので、近々そういうことなんでしょうね。


こちらは伊丹方の優先座席です。座席形状はそのままのため、安定のスプリング感は健在な一方、薄く切り立った背ズリはさすがに改良して欲しかったです。まぁ、伊丹線の乗車時間にしてそれを求めるのは贅沢、だからこその簡易的なリニューアルとなったのでしょう。