阪急8000系 ロングシート車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

1988年に、阪急創立80周年を記念し製造された8000系です。今でこそ屋根肩部のアイボリー塗装は当たり前となりマルーン単色塗装のほうが少なりましたが、当時神戸線でのアイボリー塗装車はこの系列だけだったので、特別な存在でした。

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車内です。セミクロスシート車はまた別項に譲るとして、今回はロングシート車をご紹介。この系列から日焼け対策として、化粧板が濃い色のものになりました。

ドアです。化粧板の色が濃くなければ従来車とさして変わりが無く見えます。LED表示機などは黎明期の微妙な時期ではあったとは思いますが設置されていません。

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ドア横の手すりは上辺がフラットになっています。

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車端部です。仕切り扉の窓は高齢者のつまづき防止と、貫通路をトイレとして使われては困るとの考えで下へ拡大されており、この窓の大きな仕切り扉は関西を中心に全国に広がっていきました。


車椅子スペースの設置された車端部です。
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貫通路内には照明が設置されています。ささやかながら感心させられる小さな気配りですが、残念ながら9000系以降には設置されませんでした。


最前面です。窓が大きく取られていて、前面展望に優れています。乗務員室扉と前面貫通扉が左右の窓よりも大きく取られているため前面展望が更にしやすくなりました。

かつて側窓と乗務員室仕切りとの間には温度計が設置されていたのですが、窓の拡大のためか乗務員室拡大のためか、スペースが捻出できずに設置されていません。


天井です。カバーの掛けられた照明が関西を走る車両らしいです。またラインデリアは金色に塗られており、セレブ電車を地で行きます。

窓です。一段窓で、中央の窓は固定式、両側は開閉可能となっており、日除けはアルミの鎧戸となっており、子どもや女性が途中で力尽きてガターン!と落としてしまう光景にたまに出くわします。この日除けを採用したのもこの系列が最後ですね・・。

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戸袋部分には窓の開閉ボタンが設置されています。エアーによる昇降装置となっていて、実際に使ってみるとそのエアーの音を聞くこともできます。
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座席です。まずロングシート、こちらはドア間の8人掛けです。座席下のヒーターを黒く塗ることで座席全体を引き締めた印象にしています。
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車端部の5人掛けです。この系列は他系列に比べて(いい意味で)座り心地が一味違う気がします。

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車椅子スペースです。付帯設備は握り棒のみ、あくまでスペースのみの提供となっています。その横は3人掛けのロングシートとなっています。

最前面の2人掛けです。ここから前面展望を楽しむのもいいですね。

さて、阪急電鉄では従来の携帯電話の電源オフ車両の廃止と、優先座席を全車両神宝方に設置とする体制となりました。それに合わせて、検査に入った編成から優先座席のモケットを順次ワインレッド色に変更しています。

最前面です。かつては座席数の関係からか最前面は神宝京方でも指定から外れていたのですが、今回の体制に移行した際に最前面でも優先座席の指定を受けています。

優先座席です。ゴールデンオリーブとは違った高級感をかもし出していますね。

最前面の2人掛けです。座り心地は特に変わりありません。

向かい側の車椅子スペースを有する優先座席です。もたれられない区画が少ないためか、こちらの方が座られる機会が多いようです。早くもモケットに変化が見られます。

8000系の基本編成で最後に登場した8020Fは、山陽電鉄直通のために6両編成で登場しましたが、後に両先頭車から数えて3両目に、新造車である8620および8790号車を組み込み8連化しています。新造の名義は阪神淡路大震災で被災した2両の代替新造となっていますが、代替の対象が3100系旧3109号車と2071系2087号車・・。8020Fとは全く関係ありませんね(^^;; ここからはその2両をご紹介。
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まずはドア横の手すりから。上辺がこのように斜めに切り落ちた形状となっています。普段三宮方面へ向かうときは前から3両目に乗車しているのですが、8790号車のドア横に立ってこの手すりを持ち「アレ?」と思い撮影比較を行った次第。ちょうど8200系や8300系8315F、8040形などと製造時期が被っているため、このような仕様になっていると考えられます。

天井です。他の車両と違うところは、非常照明が廃止されたため照明カバーが連続調となったことですね。

最後に座席です。一見他の8000系と変わりませんがところがどっこい、座席下のヒーターカバーの角が丸まっておらず、完全な四角形となっています。座り心地自体は全く一緒ですけどね(笑)

 

さて、ここからは色んな8000系を見ていきましょう。派生系列は別項に譲りますが、前面の特徴といえばやはり額縁形状でしょうか。メリハリのある前面になっています。しかしこの特徴が様々な顔を生む結果になろうとは、当時の中の人も想像できなかったでしょう・・・。

8001号車は炭化ケイ素を使った東芝製の新型VVVFインバータ、主電動機を永久磁石同期電動機(PMSM)にいち早く換装された車両です。静かさは中々、聞こえてくるのはお隣の8601号車からのGTO音だったのは懐かしい思い出です(苦笑) 現在当該編成は全電動車が1000系と同タイプのものになっています。
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こちらシングルアームパンタグラフに交換された8008Fです。なかなかイカす編成ですね。
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8連固定編成が出揃った後、額縁形状に起因する風切り音が問題になってきました。そこで、製造途中であった増結用編成で前面がくの字に変更されたものが登場しました。この編成から阪急の伝統であった貫通扉の大きな車番は左上に移動してしまいました。個人的には締りが無いようにみえるのであまり好きになれないですねぇ。
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固定編成にも改造の波が。右側は額縁形状を埋めて空気抵抗を減らしたもので、現在は原型に近い形に復元され、8300系に残るのみとなりました。左側は逆に額縁を削って空気抵抗を減らしたものです。ついでに車番が移動して小さくなりました。この左側の顔が登場したときは「やらかしたな・・」と言うのが率直な感想で、せっかくの8000系の端整な顔つきが台無しです。
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ヘッドマークが付くと割りと様になるようです。この改造は8031号車と8003F、8020Fに施されています。後に改造された8000Fと8001Fは、削る量が減らされ車番もそのままです(一番上の8000Fの画像参照)。やはり、不評だったんでしょうね・・。
8000-38000-4
2015年11月より、神戸線沿線の漫画家がデザインしたラッピング車両が走り始めています。
8000-5
当時の8000系の対象は増結編成8032Fの8032号車で、しばらくは愛称なしのラッピング車両となっていましたが、「爽風 Kaze」という愛称が付けられました。

後にヘッドマークが付いてこの通り。

最後はヘッドマークデザインが変更されておりました。現在はこのラッピングが剥がされ、元の姿に戻っています。

8000系の登場当初は窓下にアクセントとすべく反射板を取り付けていたのですが、夜間を中心に照り返しが眩しかったそうで撤去された過去があります。

なんて言っていると、平成も終わりを迎えようかという2019年、登場から30周年を記念し、トップナンバーが登場時の姿に復刻されました。

復刻直後は前後で異なるデザインのヘッドマークが取り付けられていました。

また往年の社章やHマークもステッカーで再現されています。

復刻最終章は、ヘッドマークを外して往時の日常を再現しています。


個人的に阪急で一番好きな系列である8000系、登場から四半世紀が経ちましたが、まだまだ第一線で活躍してくれそうです。