和歌山電鐵2270系「たま電車ミュージアム号」仕様車 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

三毛猫が鉄道を支えて15年以上が経過、和歌山電鐵で新しいデザインの2270系が走り始めました。

 

その名も「たま電車ミュージアム号」、和歌山電鐵では初の語尾が「号」になった車両です。

 

側面にはたまの生写真が。ミトーカデザインなのは相変わらずですが、車体に生写真をあしらったのって初なのでは…?

 

今回のモデルチェンジに選ばれたのは、元「おもちゃ電車」の2276Fです。既に元南海色の車両は無くなってますので、やむを得ずデザイン変更をしたのでしょう。この編成でも窓が無い区画がありますが、たま電車とは異なり完全には埋めていません(※おもちゃ電車時代に埋めた窓も有りますが)。

 

乗務員室扉の両側にもデザインが施されています。

 

「たま電車」との並び。モノクロベースな2本ですが、ミトーカデザインが彩りを加えています。元々黒じゃなく焦げ茶色になる予定でしたが、現行のものにデザイン変更されて運転を開始しています。

 

「うめ星電車」とも。HPにて運用は公表されてますので、狙っての乗車も可能です。

 

車内です。まずは貴志方の2706号車からまいりましょう。一応は「通勤電車」であるこの車両、もはや”暴力的”とも言える程の大変貌を遂げています。

 

ドアです。黒塗りの化粧板で、外観もそうですがJR九州の36+3を彷彿とさせます。整理券発行機も同じく黒に塗られています。

 

ワンマン運転対応用の片開き扉です。窓には最近のミトーカデザインのマイブーム、格子柄の模様を貼り付けています。模様には猫のシルエットも入っています。

 

車端部です。ここへ来て、座席がほぼ無くなっております。観光列車を兼ねることで、普段使いの不便さが浮き彫りになってしまっておりまして、釣り合いがまた難しいですね。そこを悩むほど混まないのかもしれませんが…。

 

最前面です。こちらも構成はそのままながらデザインは大幅変更、化粧板は木目をベースに模様を付けたもので、仕切り窓にはドア同様に格子柄風のステッカーを貼っています。前面展望派の方は残念なのもありますが、ワンマン運転の業務には大きな支障は無いのでしょうか。

 

窓には握り棒とテーブルがあります。駅で買ったコーヒーを置いて前面展望に勤しむのもいいですが、縁取りは無い上にローカル軌条&台車付近ということでとても跳ねますので、飲み物の転倒・落下には気を付けないといけません。

 

天井です。ここはもうえらい変貌のしようです。吊革は吊り手部分が木製になっているのはいつものことですが、化粧板はたまで埋め尽くされ、照明は電球状のLED灯となっています。あと荷棚は全て無くなっており、もう完全に観光方面へ寄せた感があります。

 

窓です。一段下降窓は変わりませんが、窓には木の枠が追加されています。そして、後述のテレビモニターの部分は外側もそうですが完全ではないものの埋められています。窓にステッカーを貼っただけかもしれませんね。

 

日除けを全て降ろしてみました。全ての日除けがたまをあしらったものに交換されています。

 

それで、ですよ。座席形状のおかげで、こんな区画の窓も有ります。

 

この区画に、日本一日除けが降ろしにくい窓(※当ブログ比)の称号を差し上げたいと思います。称号と言うより汚点かもしれませんが‥(^^;;

 

トランプのデザインをあしらった区画もあります。かわいいですね。
 

そして一部の窓は額縁状となっており、実在する絵画をミックスしたものとなっています。「ミュージアム」だけあって、ということですね。

 

続いては座席です。相変わらずと言いますか、いろんなタイプが有りますので、ひとつひとつ見ていきましょう。あ、そういえばですが、「おもちゃ電車」時代には南海時代のオリジナル座席が残っていましたが、今回のリニューアルでついに姿を消しています。

 

まずはソファ席から。よく他の観光列車で見かけるタイプに似ていますが、背ズリは半分程度になっています。まぁ、同じ高さでも背ズリは垂直ですから、高くても低くてもそんなに変わらないかもしれません。

 

こちらは例の「日本一日除けが降ろしにくい窓」の原因ともいえる座席。昔は背ズリのクッションも無かったですから、ちょっと進歩したとも言えるでしょうか。

 

そしてこちらが1人掛け×4と2人掛け×1。無難と言えば無難な区画、隣との間隔が空いているのでおひとり様向けの区画とも言えますし、荷棚が無いのでここにちょっとした荷物を置けるようになっています。ゆとりはありますが、着席人数は大幅に減少しています。

 

ベートーベンの下は優先座席です。ステッカーはありますが、これだけジャムだと優先座席と中々気づきません(^^;;

 

一区画あるプチグループ席です。3人程度でわいわいやるのもいいでしょう。

 

そして、ここからは残念席。背ズリが木な上に形状も中々厳しいです。これ、本当にやめておけばいいのに・・。

 

さらに、背ズリが金属の格子状になった座席。後ろで飛び跳ねるたまを見せるためですよね、意図は分かりますけど、座る側のことも考えて欲しいっす。この車両では、座り心地の上ではこの座席が一番ダメです。

 

車体中央にはテレビモニターが置かれています。こちらも木の枠で囲っており、こういうところの「見せ方」は素晴らしいと思います。その下はミトーカデザインおなじみ本棚となっています。

 

車端部はフリースペース、ショーケース、座席がセットになった情報量の多い区画になっています。おもちゃ電車時代から比べると、ショーケースがひとつ減っています。

 

向かい側は座席が全て撤去され、観光列車らしい区画になっています。でも、これは「おもちゃ電車」時代からの流用ですね。

 

車端部にはカラクリ人形のケースがあります。ここから「にゃーにゃー」鳴き声が聞こえてくるのですが‥ずっと聞こえてくるとちょっと‥ねぇ、言いずらいですけど、ネコ好き以外には「ずっと」は耳障りです。駅に到着する際など、機能面での使い勝手があってもいいのではないでしょうか。

 

木のユニットの上には車番があります。ちょっと目立ちません。

 

床はフローリング、たまの生写真やイラストが描かれているのですが‥これ、ファンの方は踏み絵っぽくてちょっと心境複雑なのでは、と思います。

 

続いて和歌山方の2276号車へとまいりましょう。2706号車とは構成が異なりますね。

 

ドアです。黒を化粧板として使用するの、あまり見ないと思うんですよね。

 

そして運転台の片開き式。南海ズームカー時代はここの位置にドアは無く、当時の貴志川線向けに改造されてこの位置に移設されています。

 

車端部です。妻面には木のユニットが取り付けられ、貫通路には暖簾がかかっています。暖簾の丈は長く、括って開けておくことをデフォルトとしています。

 

最前面です。デザインは2706号車と大きく変わりませんね。

 

ここまでフルモデルチェンジしても、運賃表示機は昔のまま、LED表示式です。

 

左側には各種ステッカー。ミトーカデザインって、結構元のプレートをベースにしたものに追加するケースが多かったのですが、この車両ではそれが面倒になったか、一枚のステッカーにまとめています。それでも、元のメーカーズプレートをあしらうのはミトーカデザインの流儀なんでしょうね。

 

天井です。こちらはお隣の車両と差異は特にありません。黒に明るい照明のコントラスト、美しいです。

 

車端部の吊革はカラフルになっていますね。また照明も小さいけれども明るいLEDのスポットライトが設置されています。

 

窓です。額縁のキャラクターがそれぞれ異なっております。

 

続いて座席です。こちらもたくさんの種類が有りますね。

 

優先座席のソファシートです。座面クッションを見ると3人掛けですね。硬めかつ背ズリが垂直で座り心地が良いとは思いませんが、他に比べると恵まれているかと思います。

 

向かい側のロングシートです。6人掛け部分は2人ずつ肘掛けが入っています。赤いモケットの方も申し訳程度に肘掛けが入っていますが、役に立つほどのものではありません。なんで付けたんでしょう…。

 

そしてこちらはコの字型のグループシートです。ここの座席はクロスシートとしても取ることが出来まして、クロスシート派の方が陣取ることも有ります。隅にテーブルのような台がありますが‥これは何と捉えればいいんですかね?

 

車端部のドア付近にも逆L字型のグループシートが有ります。これ、張り出している側は通行にはかなり邪魔です。ワンマン運転でそれなりに通行量も多いので、その旨も考慮して設計して欲しいものですが‥。

 

で、こちらにも苦行席があります。どちらも背ズリは硬い木、進んで座ろうとは思いません。

 

こちらも木で背ズリはほぼ直角、見る分にはきれいですが、使うとなった瞬間にモヤモヤが募ります。公共交通機関にして、デザイン全振りなのは本当によろしくないと思います。たまがチラ見するデザイン、別に座席じゃなくてもいいじゃないですか‥。

 

車端部のフリースペースとセットになった座席です。こちらは側窓も封鎖されていますね。

 

そして、こちらは座席が設置されています。ここの座席もまた座り心地がトップレベルで悪く、角度は付けられているもののほぼ直角で、座ると突っ返されるような感じになります。そして、上にはやはりカラクリボックスがあるため、にゃーにゃー鳴き声がエンドレスで流れます。

 

さて、元々「おもちゃ電車」だったこの編成、たま電車ミュージアム号化に際してすべてが変わったかと思いきや、こんなところにでっかい痕跡、ガチャガチャです。木の枠は「おもちゃ電車」時代のままですが、塗装が変更されてい何か飾りの額縁が追加されています。あと、地味にガチャガチャの機種が変わっています。

 

ガチャガチャの上にはたま駅長の置物があります。この三毛猫の功績たるや、もう語るまでもありません。

 

そして、ガチャガチャの横にはお子様の遊び場が有ります。

 

窓側にはホワイトボードがあります。電車の中で直接絵が描けるって、今までになかったので中々斬新です。上部には猫の目をイメージした穴が開けられています。

 

デザインを一新、ローカル線をトコトコと走ります。