JR四国史上最凶の迷車と言っても過言ではないでしょう、某雑誌の速報を見た時にはひっくり返りそうになったのを今でも覚えています。キハ32形気動車を大(?)改造し、0系新幹線の様な前面に仕上げています。誰が言ったか「四国新幹線」「ディーゼル新幹線」「日本一遅い新幹線」と色々なことを言われておりますね。まぁ愛されてる証拠でしょう(笑) 新幹線であれば運転台に当たる部分は行き先表示となっており、ボンネット部分は…こうしないと前見えんわな。
宇和島方は塗装のみ合わせています。恐らく両側ともやりたかったんでしょうけど、そうすると緊急時に他の車両を連結出来なくなるので泣く泣く諦めたのでしょうね。
車内です。ブルーが溢れた色使いに、キハ32形ではあり得ないものが手前に…。
運転台です。構造自体は変わりませんが、前面の飾りは運行に多少の支障をきたしているような気がします。運賃表ですが、何気に東海道新幹線の駅名まで入っていたりします。
天井です。こちらも相変わらず照明は中央の蛍光灯一列のみ、高い部分の化粧板を貼り換えているのみですね。一段飛び出ているのは冷房装置で、蛍光灯の光を窓側まで届ききれていない原因となっていそうです。
窓です。横引き式のカーテンはこれまた生地が交換されています。二段窓に変更はありません。
座席です。長~いスーパーロングシート、こちらもモケットが貼り換えられていますが健在です。座り心地も平々凡々、惜しむらくはやっぱり間に仕切りのひとつやふたつは欲しいですね。
で、一番気になるのはやはりこの転換クロスシート。モノ自体は一応0系新幹線に搭載されていた本物で、かつて北海道の青函連絡快速「海峡」として活躍していた50系客車に移設されていたものを持ってきて、モケットを新幹線時代と同じものに貼り換えたようです。ちなみに転換出来るのは左側のみ、窪川行きでは空いていれば座りながらの前面展望が出来ますが、宇和島行きではボックス配置となります。
転換クロスシートにしてセンターアームレストを取り付けたのは特急型車両としてのプライベート空間を意識したものなのでしょうが、窓側・通路側問わずサイドアームレストとの使い勝手が異なるのは違和感でしかないと思います。この点からみても、未だに論争が絶えない「センターアームレストはどっちのもの」問題の答えがこれで、本来的に使うことは想定せず、両者を空間として仕切る存在というのが第一のような気がしています。
通路側の回転式のインアームミニテーブルも健在です。今でも残っている車両ではそうですが、どっちに回せばしっかり固定できるのかがよく分からずにしきりにクルクル回す光景が見られたり・・(笑)
荷棚上の冷房ダクト部分には座席表をイメージしたステッカーが貼られています。これ、当時の0系新幹線もこうだったわけでは無いと思うのですが‥ご存じの方、教えて下さい。
また支柱には乗車記念のプレートがあります。建前上は記念撮影スペースなんでしょうね、このクロスシート‥。
その直後のロングシートです。手前側は転換クロスシートがデンと鎮座しているため、少し狭く感じるかもしれません。
宇和島方にはロングシートを短くしてショーケースが設置されました。四国を走る(走った)列車の模型が展示されています。50系改造のジョイフルトレイン、「アイランドエクスプレス四国」が懐かしいですね。
そして窪川方にもミニケースがあります。歴代山陽新幹線の車両が入っていますが、最下段には…あれ?(笑)
柱間にもJR四国の車両たちが飾られています。
車内にはポストがあり、切手を貼って投函すると、オリジナルの消印を押して郵送してくれるとのこと。ばんえつ物語もそうですが、乗ってから見つけたのでは話にならないのはちょっと残念ですね。この車両に関してはワンマン運転なので切手やはがきを販売するのは普通の観光列車よりも更に難しいわけですが‥。
予土線をゆっくり走る新幹線、運用は基本的に固定されており運用情報がホームページに載っているので、狙っての乗車も可能です。このシュールな車両に乗りに来てはいかがでしょうか。