「浅葱色の風 沖田総司」
「浅葱色の風 沖田総司」 里中満智子幕末の世に、新選組の一員として戦い、最期は、ひとり寂しく亡くなっていった沖田総司。里中満智子先生の漫画は、小学生当時、購入していた月刊誌「なかよし」に連載されていたので、目にする機会が多かったです。ただ、少し大人っぽい絵柄と物語の展開が、当時の私には、あまりなじみませんでした。本作は、1984年頃の作品。里中先生が、新選組を漫画にしていることは知りませんでした。幼くして両親に死に別れ、実家の負担にならないようにと、近藤勇の「試衛館」に住み込む総司。(幼少期の総司の作画がかわいらしい)新選組として活動した京の町では、幼い子どもたちに慕われています。愛する人に出会いながらも、病のために、身を引きます。そんな総司の姿を、寄り添うように優しく描いています。折しも先日には、「沖田総司終焉の地」として知られる、今戸神社を訪れました。「終焉の地」については諸説あり、本作では、千駄ヶ谷の植木屋ということになっています。ひとりぼっちではなく、幼なじみのおまつに看取られながら、というところが救いです。