本データは、2024年02月11日 時点のデータです。年2度を目処に更新する予定です。

 

(8)フリーになっった人数とピックプレー
  

このブログの本来の主題の一つは、1-1/6~1-6/6で記載したように
サッカーのセットプレーにおいて、ピックプレーを理解していただき、
お気に召せば活用していただこうとしていることにあります。
  
で、この本題とも言えるデーターを掲載します。
しかし、以下の点で、「全て・公平」にというわけには行かないデータだ
ということを、ご理解いただければ幸いです。

 

①母数:3547
映像でチェックしたコーナーキックは、4074本ですが、
コーナーキックを受けるための攻防が写されていない場合も多く、
駆け引きを確認できない場合を除いています。

②ピックプレーの有無・成否は、あくまで見た目で判断しています。
偶然発生したピックプレーも、「成功したピックプレー」としていますし、
守備選手があまりにも見事にピックプレーを躱した場合は、
「何も無かった」と見落としている場合もあります。 
なので、かなり、高い目のピックプレー成功率になっています。

 

データ採取を出来たコーナーキック本数 : 3547 本
走り込んだ総人数  :  9869
走り込んだ平均人数  :  2.78
フリーになった人数 : 1718 人
フリーになった平均人数 : 0.48 人
フリーになった選手のボール受け率 : 32.13%
ピックプレー発生数 : 621 回
ピックプレー平均発生数 : 0.18 回/キック
ピックプレー成功率 : 82.29%

完璧なデータとは言えませんが、私の言いたい点は、以下の通りです。
  
①走り込む人数が少ない。
一般的に3~5名が走り込む体勢を取っているが、
最初から諦める選手もいて、実際に走り込んだ数は少ない。
②自力では、ほとんどフリーになれていない。
③フリーになっても。ボールを受けられていない。
→ キッカーと受け手の意思統一が出来ていない。
④成功率が高いのに、ピックプレーの発生数が低い。

ピックプレ-に関して経年で増減を見ると以下のようである。

2016年を頂点(0.29回/本)に減り続け、
2018~2020年には(0.1回/本)を切って、絶滅が危惧される状況になった。
2021WEリーグ・プレシーズンマッチ以降は増加傾向にあって、
(0.17回/本)まで回復している。

 

 

 

A:WEリーグ開幕前減少した経緯

 

①使える選手が居なくなった、使わなくなった。
川村選手(当時ベガルタ)、中村選手・左山選手(当時新潟L)、田中明日菜選手(当時I神戸)、國澤さん(当時AC長野)、岩清水選手(東京NB)など、ピックプレーをよく使っていた選手が移籍・故障・出場機会減少で、減ってしまっている。

継承されていないのは、寂しい。

 

②チーム事情で減っている。

例えば浦和。
・2016年からブロック&ランのピックプレーをやり始めた。
当初、へんてこなモノだったが徐々に良化。
秋には、柴田選手や猶本選手がブロッカーとして、
走り込む選手達を良いサポートをするようになっていた。

・2018年猶本選手がキッカーになり、そして海外移籍。
身長の高い若手の台頭で、柴田選手がPKエリア内に入らなくなって、
浦和のピックプレーはほぼ消滅した。
代表活動では菅澤選手は、猶本選手のブロックを使っているところを見せていたので、
おそらくは、ピックプレーをやりたかったのだろうが、チームではやらなくなった。


 

B.2021-2022WEリーグの傾向

 

2021プレシーズンマッチで使うチーム数も、プレー数も増えたピックプレーだが、
シーズンに入って減った。
その後も、減り続けている。

①AC長野
基本は大人数を動かすフォーメーションプレーを嗜好しているが、
その中の要素としてピックプレーも使っている。
ただ、指導していた水谷雄一GKコーチが2023年1月に移籍したので、
その後減少している。

②浦和・S広島R
2021プレシーズンマッチでは盛んにピックプレーをやっていた両チームだが、
WEリーグ開幕後は、一旦ほとんど見られなくなった。
ただ、2022-2023リーグ戦後半になって、増えている。

③千葉L
2021-2022WEリーグの後半になって頻度高く見られるようになったが、
2022-2023リーグ戦では、ほとんど消滅している。

2023-2024シーズンは再び増えている。

④新潟L
過去所属していた選手にピックプレーの使い手が多いので、
唯一教育していたのではないかと思っているが、
最近は、新たな選手が出ていない。
 

 

 

C.全体的印象

 

まだ、WEリーグでは、個人、または、コンビレベルの技術であって、
チームの文化となっているチームは、ほとんど無いのだと思う。
また、監督・コーチの嗜好にも大きく影響しているようである。
 

 

 

 

更新履歴
 2018年04月27日 作成
 2018年08月05日 なでしこリーグ前半・リーグカップ
           ・Tournament of Nations 終了時点
 2018年11月10日 なでしこリーグ 終了時点
 2019年08月25日 なでしこリーグカップ終了時点
 2020年01月04日 2019なでしこリーグ・皇后杯終了時点

 2021年03月04日 2020なでしこリーグ・皇后杯終了時点

 2021年07月03日 2021WEリーグプレシーズンマッチ終了時点
 2022年02月15日 2022アジア杯終了時点
 2022年05月31日 2021-2022WEリーグ終了時点
 2023年02月09日 皇后杯終了時点 (アーカイブ)
 2023年06月30日 2022-2023WEリーグ終了時点(アーカイブ)
 2024年02月11日 2023-2024WEリーグ7節終了・皇后杯終了時点
 

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