本データは、2024年06月18日 時点のデータです。年2度を目処に更新する予定です。

 

(8)フリーになっった人数とピックプレー
  

このブログの本来の主題の一つは、1-1/6~1-6/6で記載したように
サッカーのセットプレーにおいて、ピックプレーを理解していただき、
お気に召せば活用していただこうとしていることにあります。
  
で、この本題とも言えるデーターを掲載します。
しかし、以下の点で、「全て・公平」にというわけには行かないデータだ
ということを、ご理解いただければ幸いです。

 

①母数:3728
映像でチェックしたコーナーキックは、4307本ですが、
コーナーキックを受けるための攻防が写されていない場合も多く、
駆け引きを確認できない場合を除いています。

②ピックプレーの有無・成否は、あくまで見た目で判断しています。
偶然発生したピックプレーも、「成功したピックプレー」としていますし、
守備選手があまりにも見事にピックプレーを躱した場合は、
「何も無かった」と見落としている場合もあります。 
なので、かなり、高い目のピックプレー成功率になっています。

 

 

データ採取を出来たコーナーキック本数 : 3728 本
走り込んだ総人数  :  10391
走り込んだ平均人数  :  2.79
フリーになった人数 : 1775 人
フリーになった平均人数 : 0.48 人
フリーになった選手のボール受け率 : 31.77%
ピックプレー発生数 : 665 回
ピックプレー平均発生数 : 0.18 回/キック
ピックプレー成功率 : 81.80%

完璧なデータとは言えませんが、私の言いたい点は、以下の通りです。
  
①走り込む人数が少ない。
一般的に3~5名が走り込む体勢を取っているが、
最初から諦める選手もいて、実際に走り込んだ数は少ない。
②自力では、ほとんどフリーになれていない。
③フリーになっても。ボールを受けられていない。
→ キッカーと受け手の意思統一が出来ていない。
④成功率が高いのに、ピックプレーの発生数が低い。

ピックプレ-に関して経年で増減を見ると以下のようである。

2016年を頂点(0.29回/本)に減り続け、
2018~2020年には(0.1回/本)を切って、絶滅が危惧される状況になった。
2021WEリーグ・プレシーズンマッチ以降は増加傾向にあって、
(0.17回/本)まで回復している。

 

 

 

A:WEリーグ開幕前減少した経緯

 

①使える選手が居なくなった、使わなくなった。
川村選手(当時ベガルタ)、中村選手・左山選手(当時新潟L)、田中明日菜選手(当時I神戸)、國澤さん(当時AC長野)、岩清水選手(東京NB)など、ピックプレーをよく使っていた選手が移籍・故障・出場機会減少で、減ってしまっている。

継承されていないのは、寂しい。

 

②チーム事情で減っている。

例えば浦和。
・2016年からブロック&ランのピックプレーをやり始めた。
当初、へんてこなモノだったが徐々に良化。
秋には、柴田選手や猶本選手がブロッカーとして、
走り込む選手達を良いサポートをするようになっていた。

・2018年猶本選手がキッカーになり、そして海外移籍。
身長の高い若手の台頭で、柴田選手がPKエリア内に入らなくなって、
浦和のピックプレーはほぼ消滅した。
代表活動では菅澤選手は、猶本選手のブロックを使っているところを見せていたので、
おそらくは、ピックプレーをやりたかったのだろうが、チームではやらなくなった。


 

B.WEリーグの傾向

 

B.WEリーグの傾向

2021プレシーズンマッチで使うチーム数も、プレー数も増えたピックプレーだが、
シーズンに入って減った。
その後は、増加傾向にあって、2023-2024シーズンでも増えている。

a)全般
2023-2024シーズンは、メインターゲットとなっている選手がピックプレ-を
使っているところをよく見た印象がある。
市瀬選手(S広島R)・岸川選手(千葉L)・大賀選手(N相模原)らが使っている。

b)各チームの印象など
独自のサンプリング評価なので、統計的には論じにくいが、印象で記述する。

①AC長野
2023年1月に移籍するまで、水谷雄一GKコーチが指導されていて、頻度が高かった。
、ゴール前密集陣形や大人数を動かすフォーメーションプレーの中で、
要素技術として組み込んでいた。
水谷コーチ移籍後少していたが、2023-2024シーズン後半は増えてきた印象である。

②千葉L・N相模原
偶発的にピックプレ-が生じ易い配置を、ときおり見せている。
セットした時点で6人程度の選手を密集させておいて、
そこから4・5人がゴール前に詰めて、残った選手はコボレに対応するためにPKエリア外に下がる。
ブロッカーを明確に決めているわけではないが、ゴチャゴチャしている間に、ピックプレ-が生まれている。

 

 

C.全体的印象

 

まだ、WEリーグでは、個人、または、コンビレベルの技術であって、
チームの文化となっているチームは、ほとんど無いのだと思う。
また、監督・コーチの嗜好にも大きく影響しているようである。

 


 

 

 

 

更新履歴
 2018年04月27日 作成
 2018年08月05日 なでしこリーグ前半・リーグカップ
           ・Tournament of Nations 終了時点
 2018年11月10日 なでしこリーグ 終了時点
 2019年08月25日 なでしこリーグカップ終了時点
 2020年01月04日 2019なでしこリーグ・皇后杯終了時点

 2021年03月04日 2020なでしこリーグ・皇后杯終了時点

 2021年07月03日 2021WEリーグプレシーズンマッチ終了時点
 2022年02月15日 2022アジア杯終了時点
 2022年05月31日 2021-2022WEリーグ終了時点
 2023年02月09日 皇后杯終了時点 (アーカイブ)
 2023年06月30日 2022-2023WEリーグ終了時点(アーカイブ)
 2024年02月11日 2023-2024WEリーグ7節終了・皇后杯終了時点(アーカイブ)
 2024年06月18日 2023-2024WEリーグ終了時点
 
 

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