2018年からMycujoo配信やなでしこリーグのYouTube配信が始まり、2020年は全試合YouTube配信、WEリーグ:2021-2022からはDAZNとなり、各チームを均等に観戦できるようになりました。

新潟Lに関しても、合計52試合、攻撃188本・守備269本のデータを蓄積しています。

 

以下に新潟Lの2022-2023WEリーグのコーナーキックの状況の概容と、2023-2024の予想を記載していきますが、原則下図のような配置を基に述べていきます。

 

長期離脱:
MF川村2021/9~2022/02〜?、FW26武田2022/11~8ヶ月
DF 3羽座(I神戸)2021/9〜2022/10、DF 4三浦2022/08~2022/10、MF 7園田瑞2022/08~2022/09、FW 8石淵2022/08~2022/10、FW 8石淵 2022/12~2023/04、FW 9児野2022/08~2023/01、GK21高橋2022/11~2023/01
 
退団
DF3羽座2023/06引退、MF13加藤2023/07N相模原、DF14北川2023/07I神戸、DF15イ・ヒョギョン2023/01世宗(韓)、MF16園田悠2023/07EL埼玉、MF27沼尾2023/07、MF28森中2023/06C大阪
 

 

攻撃と守備体制の例として下図を示します。

 
第22節:2023/06/10
 
(1)2022-2023シーズンの全般傾向。
 
リーグ戦で3得点でリーグ2位、無失点は立派。
なお、全得点が11道上選手。
 
 
レベルを(A)~(E)で評価。あくまで私の視点です。
 
① 高さ関係:突出してはいないが強い・・(C)

10人平均で163.3cmは 平均的。
2022-2023シーズンは、11道上選手(169cm)、20山谷選手(164)、14北川選手・4三浦選手(163)がコーナーキックの主力で、15イ・ヒョギョン選手(166)が抜けて19ブラフ選手(167)が入っている。ジャンプ力と空中姿勢が良い選手が多いので、身長以上に強いイメージがある。
 
② 軸になる攻撃:11道上選手中心(B)

川村選手がファーサイドで構えてズドン、と言うのが2020年までの筋書きだったが、長期離脱中で、2021-2022シーズンから11道上選手中心になっている。
11道上選手はゴール前に詰めた後、ボールの落下点に動き直すのが上手いし、強い。
2022-2023は、ややファーサイド狙いで、11道上選手を越えたら、3羽座選手・4三浦選手・20山谷選手と言うコンセプトだった。
 
③攻撃の工夫・戦略:ピックプレーの文化はどこへ?(D)
 

このチームにはピックプレーの文化があって、他チームの過去の所属者も含めて、ピックプレーを使う選手を多く輩出していた。

だが、発動率が低下、2021-2022は2回(/25本)、2022-2023は3回(/35本)しか確認できていない。

 

④守備力:マンツーマンはなかなか強い(B)
シュートの被弾率24.5%(全データ平均23.8%)と平均的。
フリーで先着を許したのが7.5%(同15.9%)と優秀。
 
2020年から、ゾーン固定するのは2人だが、2人目がニアポスト脇では無くて、ゴールラインから10m程離れた位置という珍しいシステムを続けている。
 
このチーム時々マーク漏れをやらかす。
毎年のように見かけるので、指揮系統を曖昧にしていると私は疑っている。
 

 

 
(2)データ
 
A.なでしこリーグ・リーグカップ公式記録より
 
 
 
B.独自収集データより
 
あくまで、私が観戦・ブログ化した試合が対象ですし、独断と偏見で判断して集めたデータです。
①集計表とシュート率・被シュート率のグラフ各2枚
②左右CKの集積図
③コーナーキックの配球分布
 
 
 
 

 

 

 

 

 

イメージ 1

 

 

(3)詳細評価

 

以下話が長いです。興味のある方は読んでいただければ幸いです。

 

A.攻撃詳細

 
2022-2023リーグ戦で3点。点を取ったのは、全て11道上選手。

 

シュート打ち率は、ほぼ平均で22.9%(全データ平均23.8%)。

先着率は、良くて40.0%(同31.9%)。

フリー先着率は、良くて20.0%(同15.9%)。

まずまずと言うところ。

 

a)ニアでの合わせ(B)
 
以前からニアを基本狙っていない。
 
36本の独自記録の内、ニアヘ先頭で出てい行ったのは、14北川選手が15本(ターゲット1/先着1)、11道上選手が7本(同2/0)。
 
 
b)中央からファーでの競り(B)
 
川村選手が中心で、しっかり溜めてランニングジャンプで競り勝ってズドンというのが、2020年のシナリオだったが、2021-2022シーズンから長期離脱中。
 
11道上選手がメインターゲットになったが、少しタイプが違って、L字型の動きをすると良いプレーになることが多い。

とりあえず予定の位置に真っ直ぐ走り込むのだが、ボールの軌道下付近に入ってからの修正が的確で、その動きがディフェンスをセパレートするケースをよく見る。

 

 
 

c)ショートコーナー・ローボール(C)

 
2020年までは、年に0~3度程度しか見たことが無かった。

2022-2023も3回。

 

ショートコーナーの内容としては、守備に追い詰められ、苦しいクロスを上げていて、

良い形とは言えなかった。

 

突出したドリブル突破力の有る選手が居ないので、脅威とは言えない。
 
d)キッカーと戦術選択(B)
 
2022-2023シーズンは、31白井選手(左14本/右0本)、10上尾野辺選手(4/7)、7園田瑞選手(0/6)他。
 
基本的にパンチの効いたボールというより、曲げて落とす球質で蹴っている。
 
e)ピックプレー(D)
 

このチームにはピックプレーの文化があって、他チームの過去の所属者も含めて、ピックプレーを使う選手を多く輩出している。

2020年には下の2箇所で頻繁に見られたが、2021-2022以降は、発動率が低下したまま。

①14北川選手がほぼ毎回ニアに出る際にラッシュ&ピックA(リンク参照)

②20山谷選手が5川村選手(長期離脱)とファーサイドでクロス(リンク参照)

2022-2023ではショートコーナーなどを除いた30本中わずか3回に留まっている。

 

 

f)ゴール前密集隊形(C-)
 
基本的にやらないチームで2018年の5回以来まとまった使用はしていないが、
昨今のトレンドに乗っかったのか、2022-2023は7回。
密集に向かって蹴るだけで、企画性は低い。
 
 
g)相手ゴールキーパーの守備範囲限定(B)
 
GK脇にセットしていたのは3羽座選手で、CBだけあってがポジショニングは上手い。
ただ、セットしていない試合も有って、戦略上重要視していないようだ。
 
 
h)その他
 
特にはない。
 

B.守備詳細
 
a)基本守備体系
①ゾーンディフェンス
やらない。
 
②マンツーマンディフェンス
2020年~ちょっと変わった守備隊形を敷いている。
ゾーン固定配置(ストーン)の17滝川選手の位置が、ニアポスト脇では無く、離れた図のような位置に配置している。
また、2人を前戦に残す逆襲重視の配置もしている(右図)。
 
③ショートコーナーには、積極的には対応している方に入る。
 
b)各選手の傾向・特徴
 
走り込む相手に対応しているのは、DF4人が主体。
独自記録では14北川選手・4三浦選手・3羽座選手・20山谷選手の守備機会が多かった。
基本密着守備をするタイプ。
 
ヘルプディフェンスはあまりやらない。
 
 
c)マンツーマンのマークの強さ(B)
 
・シュート被打率:平均的。
独自集計データで2021-2022は24.5%(マンツーマンのデータ全体平均24.0%)とやや良い。
 
・マーク力
 
平面的な動きに関して言うと、独自採点で(4.96点:平均で5.15)と良くリーグ3位。
3羽座選手:4.32、北川選手4.50とよく守れている。
 
**採点は、3点完璧なディフェンス勝ち、4点ディフェンス勝ち、5点イーブン、6点オフェンス勝ち、7点オフェンスフリー、8点オフェンス"ど"フリーで評価。
 
 
d)ゾーン配置選手(ストーン)の強さ(A-)

11道上選手がしっかり構えている。強さ・高さはリーグ上位。
浦和の菅澤選手と比べてもほぼ同等。
周りもよく見えてもいる。
ただ、ほぼ1人で守っているので負担も大きい。
 
e)逆襲力(B-)

前戦に2人残した逆襲重視の姿勢を見せることもしばしば。
上尾野辺選手が拾って、「パス1発」は十分あり得る。
ただ、特別ドリブルが上手かったり、走りが速い選手が居ないので、フィニッシュまで行けるかは疑問。

 

 
f)統制(D)
毎年のように、ノーマーク選手を出しているところを見ているこのチーム。
ニアポスト脇にゾーン固定された選手が全体のマーク状況を確認・指示しているチームはよく見るが、新潟Lの場合その配置が無い。
指揮を誰がやっているのか、曖昧だと思って見ている。

 

 
(4)この約5年間の傾向・推移
 
A.個人の力の増減

a)キッカー
2015年:上尾野辺選手中心。
2016~2019年:上尾野辺選手・阪口萌乃選手でインスイングを中心に蹴っていた。
2020年以降は上尾野辺選手・園田悠選手使い分け。
2022-2023では白井選手が左CKを多く蹴っている。
 
球威よりも、キックの精度で勝負するタイプ。
 
b)ヘディング力
比較的大型選手が多く、継続して平均以上を保っている。
リーグの3・4番手くらいを推移している。
2021-2022からは川村選手が長期離脱したが、道上選手の加入でレベルを維持している。
 
c)攻撃のメインターゲット・頼れるプレー
2016年以降、左山選手のファー側狙い。時々大石選手のニアのインメージ。
2019年・2020年は、川村選手のファー側がメイン。
2021-2022以降は、道上選手のようだったが、特に集中的に狙っていた訳では無い。
 
d)ピックプレー
2016年以降左山選手がフィニッシャー役で、中村選手がブロッカー役で、何度もピックプレーを見せている。4-50(リンク参照)

 

2019年、川村選手と山谷選手が見せたピック&ロールは、あまりにも見事。
時々こう言う印象的なプレーを見せるチーム。
 
2020年はニアで北川選手がラッシュ&ピックA、ファーで川村選手がクロスを使っている。
2021-2022以降は急に減っている。
 
e)守備の統制
 
2018年~2020年は中村選手が故障がちで、度々司令塔不在?になったように見えた。
2021-2022以降は誰が統制を取っているのかよくわからない。リーダー不在だったのかも。
 
 
(5)2022-2023シーズンの予想など

 

橋川監督が就任と多くの選手の出入りが有って、当面流動的な選手起用となる可能性が高い。

また、長期離脱中の川村選手の復帰如何で、戦力・戦略も大きく変わるだろう。

 

ただ、羽座さんの引退と北川選手の移籍によって、マーク力は確実に落ちるので、守備が心配である。

 

 

 

 

履歴

 2020/01/23 作成(アーカイブ)
 2021/03/18 更新(アーカイブ)
 2022/09/02 更新(アーカイブ)
 2023/08/18 更新
 
以上です。
 

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