5月14日(日)に行われたWEリーグ第18節@ノエビアスタジアム神戸。

首位攻防戦:I神戸と浦和との勝ち点差は4。
I神戸にとって、浦和に勝てれば肉薄できて、プレッシャーを掛けられるが、
引き分け以下では、残り試合数も少なく、優勝の希望はほぼ断たれる。
今リーグ戦の最重要試合。

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I神戸は11勝3分1敗で2位。27得点9失点。
STATS的には、シュート数(242/被125)など、順位なりの数字が並んでいる。
元々薄い選手層でスタートしたが、23浜野選手が移籍、怪我人も出た。
冬期中断にC大阪堺から2人借りたが、攻撃力が低下している。
9田中選手以外ほとんど点が取れていなくて、第11節以降勝ち点を溢すことが多くなった。

この試合のシステムは、3-5-2。
いつものメンバー・いつもの配置でスタートしている。



浦和は13勝1分1敗で首位。35得点14失点。
STATS的には、シュート数(214/被103)など、上位の数字が並んでいる。
メンバー的には主力に怪我人が多く出て、年末・年始はギリギリの状態だったが、
GK12福田選手・DF30石川選手の台頭やコンバートで、なんとかやりくり。
その間も勝ち点を拾い続けたのが、今首位に居る最大の要因。
現在は怪我人が復帰し、多少の余裕が出てきている。

この試合のシステムはいつもの4-2-3-1。
こちらは3試合連続で同じメンバーと配置。10安藤選手のCB、19塩越選手のボランチ。
ちょっと心配なのが、一旦怪我から復帰した2長船選手が、これで5試合登録が無いこと。



 

前半、やや浦和優位に進んで先制、シュートも多く打ったが、ディフェンスの前からがほとんどで、大きな差は感じられない内容。
後半は逆にI神戸が少し押し気味に進んで追い付いたが、浦和が決勝点を取り大一番を制した。

ボール支配率: I神戸 48%-52% 浦和 (Footystats.org)

シュート状況は下図の通り。



 

I神戸は痛恨の敗戦。
連覇が霞んだ上に、第20節に3位:東京NB戦もあり、2位も危うくなった。

この試合、戦い自体は良くやっていたと思う。
勝ち越し点が取れそうなシュートが複数枠を捉えていたし、
失点に関しては2点とも不運な面も有った。
でも、こうして勝ちきれないのが、第11節以降のI神戸。
連覇をする力も運もなかったと言うことなのだろう。

戦術的には、前半安全に行き過ぎて、押し込まれ、先制されたかな?
両WBが11清家選手・15島田選手に引っ張られて、両SBを使ったビルドアップを許し、流れを持って行かれていたのが、悔やまれる。

後半は立て直せていて、良かったと思う。
だが、同点に追い付いた後、勝つために前掛かりになるのは仕方ないが、
4竹重選手の出血で代わったばかりの25筒井選手が、いきなり11清家選手との1対1になり、簡単に抜かれて決勝点を与えたのはまずかった。
27小山選手のサポートがある状態で一度だけでもスピード差を実感しておけば、もう少しは25筒井選手も抵抗できただろうし、横の5三宅選手も備えることができただろう。



一方の浦和は、残り4節で勝ち点差を7にした。
上位との直接対決も終わっているし、優勝はカウントダウン状態になった。
先制点・決勝点とリードを許すこと無く進め、決勝点を入れた後15分余りは安全運転で締めて完勝と言える。
だが、内容的には、それほど良く無かった。
前半押し込んだものの、得点シーン以外ではディフェンスを崩し切れていないし、後半は少しだが劣勢。
守備陣はよく耐えていたが、攻撃は8猶本選手のミドルシュートと11清家選手の突破以外くらい。その11清家選手だって、クロスで2点を演出したが、それ以外は概ね抑えられていて、優勢に進めることはできていなかった。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃態勢。

I神戸はゾーン固定配置5人のMIXディフェンス。

浦和は、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。



先発を背の順に並べると以下の様になる。



 

互角の範囲のマッチアップ関係だが、浦和がやや有利。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー

シーズン1の大一番で見応えのある試合だったが、コーナーキックの内容は乏しかった。



A.I神戸のコーナーキック


a)体制

キッカーは、7脇坂選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 9田中選手4竹重選手
・正面からファーへ: 11髙瀬選手2守屋選手27小山選手
・GK脇: -
・ショートコーナー: 10成宮選手
・コボレ狙い: 3土光選手
・セーフティー:  6伊藤選手5三宅選手



b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (51:19 ポインタ1:19:35) 右CK 7脇坂選手→18柴田選手カット。再CK。
2本目 (51:33 ポインタ1:19:49) 右CK 7脇坂選手10成宮選手7脇坂選手10成宮選手モドシ→5三宅選手フィード。4竹重選手オフサイド。
3本目 (63:0 ポインタ1:31:16) 左CK 7脇坂選手→9菅澤選手ヘディングクリア
9田中選手シュート・30石川選手ブロック・18柴田選手・19塩越選手クリア→16水谷選手
27小山選手回収・ドリブル→2守屋選手クロス→7脇坂選手シュート→30石川選手カット・GK福田選手確保。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

3本目 (63:0 ポインタ1:31:16)の3次攻撃(7脇坂選手のシュート)は惜しかった。
30石川選手がカットしたのだが、勝敗を分けたプレ-だった。

ただ、3本のコーナーキックの1次攻撃には見るべきところは無し。



B.浦和のコーナーキック

a)体制

キッカーは8猶本選手(右利き)。

 受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 9菅澤選手・11清家選手
・正面からファーへ: 30石川選手・15島田選手
・GK脇: 10安藤選手
・ショートコーナー:  18柴田選手
・コボレ狙い: 19塩越選手
・セーフティー: 17遠藤選手・16水谷選手

b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (19:16 ポインタ31:33) 右CK 8猶本選手→9田中選手ヘディングクリア
⇒19塩越選手回収フィード→7脇坂選手ヘディング→3土光選手ドリブル(16水谷選手を躱して)・15島田選手。スローイン。
2本目 (22:59 ポインタ35:16) 左CK 8猶本選手→19塩越選手ヘディング(折り返せず)。スローイン。
3本目 (29:45 ポインタ42:2) 右CK 8猶本選手→30石川選手シュート。左へ外れてGキック。
4本目  (85:48 ポインタ1:54:4) 右CK 時間つぶし 8猶本選手→9菅澤選手→8猶本選手ドリブル→27小山選手・9菅澤選手。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

こちらも特に記載すべき内容は無かった。




 以上です。


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関連記事など、外部リンク

DAZN(有料)
I神戸 vs 浦和 : 第18節 WEリーグ | 5/14 日曜日
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:6k1x2xtym96fsw204gmz6k2c/6k1x2xtym96fsw204gmz6k2c

WEリーグ_Youtube
【公式】ハイライト:INAC神戸レオネッサ vs 三菱重工浦和レッズレディース【Yogibo WEリーグ 第18節 2023.5.14】
https://www.youtube.com/watch?v=Rs8i3ujspcw

Footystats.org
サッカーデータと順位表 › 日本 › WEリーグ › INAC神戸レオネッサ vs 浦和レッドダイヤモンズ・レディース
https://footystats.org/jp/japan/urawa-red-diamonds-ladies-vs-international-athletic-club-kobe-leonessa-h2h-stats#4324378

I神戸_HP
2022-23 Yogibo WEリーグ 第18節 vs.浦和戦の試合結果とコメント
https://inac-kobe.com/match/result/383

浦和_HP
23.05.14 2022-23 Yogibo WEリーグ 第18節 vs INAC神戸レオネッサ 試合後監督コメント
https://www.urawa-reds.co.jp/redsladies/ladies_news/2022-23-yogibo-we%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b0-%e7%ac%ac18%e7%af%80-vs-inac%e7%a5%9e%e6%88%b8%e3%83%ac%e3%82%aa%e3%83%8d%e3%83%83%e3%82%b5-%e8%a9%a6%e5%90%88%e5%be%8c%e7%9b%a3%e7%9d%a3%e3%82%b3%e3%83%a1/

23.05.14 2022-23 Yogibo WEリーグ 第18節 vs INAC神戸レオネッサ 試合後選手コメント
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サッカーダイジェストWEB
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