浦和は苦しいですね。
メンバー的に見て最下位にいるべきチームとは思えないのですが、
チームを繋いでいた選手が抜けたということなのでしょうか?
 
フィジカル負けしない岸川選手の流出、豊富な運動量で気の利いた守備をしていた藤田選手の引退で、ハイプレッシャーが効かないし、続かない。
2014シーズンを制したバランスのとれたチームは影も形も見当たらないような惨状ですね。
良いときのイメージだけを追い求めず、現状のチームで何をすべきか見直すべき事態だと思いました。
 
対するI神戸は、新潟Lや日テレ相手に苦戦した組み立てもそれなりに可能になって、試合を通して支配し、大量点を上げての勝利でした。
 
ただ、守備陣に「ポッカリ空いた瞬間」があり、先制点を許したし、
後半にも危ないシーンを作ってしまいました。
チャンピオンを狙うチームとしては集中力を失ってはならない場面で、Aランク説教ネタというべきでしょう。
 
 
 
では、いつもの通り、この試合でのコーナーキックの詳細を見ていきます。
 
 
(1)両チームのディフェンスシステム
両チームともマンツーマン中心の2名固定配置。似たような配置を採ってきた。
 
イメージ 1
 
 
(2)統計
 
例によって、私が採っているSTATSを紹介します。
なお、I神戸は2次攻撃で1点取っておりますが、シナリオ通りでは無いので統計からは外しています。
                 浦和L     I神戸
コーナー本数         2       8
得点(1次攻撃)        0       1
 
センタリング→シュート   0      1/1
センタリング→パス     0      1/0
ルーズボール        0       0
クリアー             2/0     3/1
キーパーパンチ       0       0
キーパーキャッチ      0      1/0
* フリー/競り合い
キックミス
ショートコーナー不発    0       0
フリーになった選手    0/1     2/8
   (ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む  0/0     7/1
   (成功/不成功)

(3)特記すべきプレー
 
I神戸はクロス・ループが生じ、私好みのピックプレーが沢山見られたし、きれいな得点もあった。
 
最近のブログ同様で繰り返しになるが、特に4田中選手が単にゴールやニアに向かうだけではなく、クロス(2-4:リンク参照)が生じるようにファーへ横や斜めの動きをして、「何か起こす」可能性を高めている。
 
また、開幕戦などで4田中選手がニアで流して10大野選手のゴールを生んできたことも、このプレーの有効性を増しているようである。
さらに、この試合から、14京川選手もループ(2-6:リンク参照)を沢山見せてくれて、ニアでボールを効率よく受けられるようになりつつあるようだ。
ただ、レベルは確実に上がっている様だが、私に言わせれば、改善の余地は沢山ある。

4田中選手にしても、クロスパターンのみで、何回か自分のマークマンをゾーン固定配置された選手にぶつけるラッシュ&ピックA(2-2:リンク参照)のチャンスが有ったができていないし、他の選手はピックプレーで補佐側に回る動きは、ほとんどできていない。
そのため、4田中選手がニアに走ると、単調なプレーになっている。

なおこの試合では、スペースを作ってキッカーに狙わせる「全体芸」もあって、チームとしてコーナーキックからの得点力UPを狙っていることが、うかがえるゲームだった。
 
一方浦和Lは、コーナーキックの工夫として見てもさっぱりで、論じるべきレベルにはない。
 
A.I神戸4分のコーナーキック
 
例によって4田中選手がファーに向かって走り、ゴールに向かってきた16チョ選手をマークする15北川選手の進路を防ぎ、16チョ選手がフリーになっている。また、11高瀬選手と17三宅選手もクロス。11高瀬選手がファーでフリーになっている。
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 
B.I神戸54分のコ-ナーキック
 
初動が画面に映っていないので推測ではあるが、ループのピックプレーを2連発し、ニアに低いボールを流し、シュートに至った。
ファーのPKサークル付近に6名集め、18杉田選手と14京川選手が走り込み、京川選手のシュート。なかなかの全体芸である。
なお、18杉田選手がどうやってフリーになったのかは、守備選手の引き離され方からループではないかと推定する。
その後ボールは一度クリアされたが、2次攻撃で3鮫島選手の放り込んだボールを田中選手が押し込んだ。
 
イメージ 4
 
イメージ 5
 
 
C.I神戸83分コーナーキック
 
4田中選手がクロスを狙ってファーへ行こうとしたが、ループして来た14京川選手をマークする8猶本選手が向かって来たので、ブロックした。
なお、76分にも同じ組み合わせのクロス(2-4:リンク参照)で、14京川選手がフリーになっていることから、ひょっとしたら、二人で合わせられるようになってきたのかもしれない。
 
このプレーでは16チョ選手も加わって、14京川選手の動きは、2人をループ(2-6:リンク参照)したことにもなっていて、ニアで完全なフリーになっている。京川選手が流したボールをファーへ回った4田中選手が沈め、非常に美しいゴールになる。
 
イメージ 6
 
イメージ 7
 
 
このプレーでは4田中選手と8猶本選手の体格差から、
4田中選手がブロックを打った後、直ちにファーへ走れている。
大きな選手がブロッカーになった時のメリットである。
 
また、浦和Lのゾーン固定されていた選手(10吉良選手・13白木選手)は、
ともにコーナーに正対しているだけで、後ろから入ってくる選手を全く見ていない。
ちゃんと見ていれば、フリーで入ってきた14京川選手に安易に前を取られることも無いし、体をぶつけることもできたはず。
他のチームも似たようなものだが、バスケットのゴール下を守っていた私に言わせれば、甘いプレーである。
 
以上です。
 
***
 
ブログ内関連記事