私は1996年頃に妻と二人で清平の先祖解怨に参加しました。祈祷会はドンドン、チャカチャカと太鼓や鐘の音が鳴り響く日本では経験したことのない異様な雰囲気でした。そのことを数年たって、ある人に話してみたら「それは韓国のシャーマンだよ」と言われました。
最近ふと、そのことを思い出し、韓国のシャーマンと統一教会の結びつきを調べたくなりました。そこで何かいい本がないかとネットで検索してみたら崔吉城(チェ・キルソン)氏の「キリスト教とシャーマン文化」が出てきました。副題の -なぜ韓国にクリスチャンが多いのか- にも興味を持ちました。著者の崔氏ですが母親がシャーマンを信仰するという家庭に育ちながらも、シャーマン文化に疑問を抱き、クリスチャンになったという方です。韓国のシャーマン文化や、なぜ韓国にクリスチャンが多いのか、など多岐にわたって書かれているのですが、私の関心事である韓国シャーマン文化と統一教会の結びつきを中心に私の感想を書いてみます。
まず統一教会のシャーマン(霊能者)と言えば、清平教の「大母様」です。この方は一霊能者ですが、韓総裁の母親の霊が降臨したという人でした。これは現代人からすれば胡散臭い(うさんくさい)話ですが、ほとんどの統一教会員は信じました。今も現役の方は信じていると思います。こういう話は1988年にもありました。文鮮明氏の亡くなった次男興進氏の霊がアフリカの黒人青年に降臨したということです。ゆえにこの青年のことをブラックフンジンと呼びました。この話は正直、私も信じてしまいました。(ただ後でこの黒人青年自身が最初から興進の霊は入っていなかったと証言しています)
こういう死者の霊が地上の人に降臨するというのは韓国シャーマンの世界では当たり前のことだそうです。むしろ、これがシャーマンの仕事です。日本でも恐山(青森県むつ市)のイタコが有名です。他にシャーマンの仕事として死者同士を結婚させることだそうです。統一教会の霊界祝福も韓国シャーマン文化から来ているようです。また未婚で死んだ人はこの世への恨みや未練が大きく、そういう霊を放置しておくと、この世の人を祟(たた)るということです。従軍慰安婦の霊が日本人に祟るというのもこのシャーマン文化から来ているのだと思います。
興味深い話としてはキリスト教と韓国シャーマン文化は親和性があり、これが韓国でキリスト教が広まった理由だということです。シャーマンは海難事故などで亡くなった霊を呼び寄せ慰めます。これは自分には罪がないのに人類救済のため十字架で殺されたイエス・キリストへ思いを寄せるクリスチャンの気持ちに近いということです。またシャーマンが霊能力で病気を治すのは、イエスの奇跡と重なるのだそうです。ゆえにシャーマン文化の下地がある人ほどキリスト教を受け入れやすかったようです。宗教というのは現地の土着の信仰と融合しながら広まっていくものです。日本の宗教と言えば仏教ですが、仏教はキリスト教の一神教は受け入れませんし、キリスト教側では仏教の仏は偶像礼拝になり、これも受け入れられません。ここが日本と韓国のキリスト教の広がり違いのようです。
私たち日本人から見れば、統一教会にシャーマン文化が入っていることが奇異に思えますが、韓国人の、特に高齢者から見れば不自然ではないようです。しかし1970年以降、韓国でもこのシャーマン文化は迷信でありバカバカしいものと見られるようになったそうです。清平の修練会に参加するのは、ほぼ日本人で韓国人はわずかだと聞きます。最近の韓国人はシャーマンが行う先祖解怨など迷信であり、バカバカしいと思っているからでしょう。それに対して日本人は見るもの、聞くもの全て新鮮がゆえに、疑いなく清平の先祖解怨を受け入れたのでしょう。
問題は文鮮明氏と韓鶴子氏が調子に乗り過ぎたことです。七代ぐらいで辞めておけば今回のように霊界から怒りを買わずにすんだのです。
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