心の整え方の基本
各手順の詳細を説明していきます。
今回は「感情の引き金を書き出す」です。
端的に言うと、「気分が悪くなることを書き出す」ということになります。
「気分が悪くなること」が「気分が悪い感情」の引き金で、それを書き出します。
次の手順で引き金に出会っても、「気分が悪い感情」が出なくなるようにします。
そうすると、それまで気分が悪くなる引き金だったものが引き金でなくなります。(引き金の無効化)
つまり、イヤだったり不安に思っていたことが穏やかになり、「まっいいか」「なんとかなるさ」と自然に"感じられる"ようになります
参考:ワークの原理
多くの引き金の無効化に取り組むと気分が悪くなることが激減して、爽快な気持ちになりますから、是非取り組んでみてくださいね。
この手順は、書くと色々な気づきが得られるので、ノートでもPCでも良いので書きながらやってください。

まずは、不愉快なことを思いつくまま書きだしてみましょう。
不快なことは、場所、できごと、モノ、人、人の行為、自分の能力・・・なんでも書き出します。
何が嫌いか、怖いかを具体的に書き出します。
嫌怖の
引き金を探すように、細分化してみえください。
例えば、こんな感じです
- 会社に行きたくない
- xx案件の件で、催促が来るかも(嫌怖)
- 間に合わなかったら評価が落ちるかも(嫌怖)
- 鶏肉が嫌い(嫌怖)
- また、気持ち悪くなるかも(嫌怖)
- みんなが食べている時、自分が食べないとイヤな思いをさせるかも(嫌怖)
- 山田さんはイヤ(嫌怖)
- 山田さんは、ミスばかりする!(怒り)
- それでは、プロジェクトを失敗してしまう(嫌怖)
- 客や部下から文句を言われてしまう(嫌怖)
細分化した引き金に 固念が関係している場合が多く、後で固念の解消にも使います。
特に、怒りや不満には不安やみじめさなどの嫌怖が隠れているので、それを具体的に書いてみましょう。
書きながら、体に出てくる
嫌な感じに注意を払って観察しましょう。
特に強い反応を感じられたものから、次の「感情・感覚を確認して鎮める」に取り組みますから、印をつけておくと良いと思います。
現在のことでも、過去・将来ことでも、フィクションでも、思い浮かべた時に不快に感じるなら、それがネガティブ感情の引き金ですので書き出します。
最初は、以下に関することを思い浮かべると、書き出しやすいと思います。
他人や環境に関すること
- 不安・心配ごと・プレッシャー
- 怒り・不満・腹立たしいこと
- 困っていること
- 変わってほしいこと
- 嫌いなこと・苦手なこと
- 悲しいこと・絶望的なこと
- 嫉妬
- 他人の不愉快な言動・態度
自分や過去に関すること
- 劣等感
- できなくて、困っていること
- 罪悪感
- 後悔
- やらなければ、いけないこと
今苦しい人ほど沢山書けると思いますが、
ある程度書けたら、次の手順に移りましょう。
怒り・不満には、何か不安なことや嫌なこと(つまり
嫌怖)が隠れていますから、それも書き出してみましょう。
この感情の引き金を無効化するワークは、「深刻さ」や「かたくなさ」を和らげるという効果もあります。
参考記事:心が自由ということ
この「深刻さ」や「かたくなさ」は、無理な目標にしがみつかせたり、心配しても仕方がないことを心配させたりします。
このワークで、それが適切な状態に修正されていきます。
ニーバーの祈りはご存じですか?
このワークでは、ニーバーの祈りを実現しやすい心の状態に修正されていきます。
ニーバーの祈り
神よ、変えることのできないものを静かに受け入れる平穏を、
変えるべきものを変える勇気を、
そして、それらを見分ける知恵をお与えください。
「思い出したくもない」「考えたくもない」と思うものもあるかもしれません。
が、そういうものほど向き合う必要があります。
それらは、あなたが思い出そうとしなくても、勝手に頭に浮かび、あなたを苦しめています。
瞬間的に消えてしまって、「思い出した」ことに気づかないこともありますが、偏桃体を刺激します。
「考えたくもない」というのは、その強い不快感を怖れているからで、
嫌怖の引き金になっていることがわかります。
その不快さが強いため、新たな三毒を作る元にもなっています。
私は苦しかったころ、絶望的な自分の境遇、元妻への激しい怒りに向き合いました。
向き合うことで、絶望感が無くなり、元妻への不満を考えることが馬鹿らしくなっていきました。
この取り組みが、私のウツ抜けに大きな効果があったと思います。
やってみると分かりますが、それに向き合い始めはとても苦しいですが、向き合った後はとてもスッキリします。
そして、数度取り組むと苦しさは消えます。
「考えたくもない」ことが、どれだけ自分を苦しめていていたかを実感すると思います。
少し時間がたつと、「絶望感が思い込み(固念)だった」「他者への怒り(嫌怖)が自分を苦しめていた」ことに気づけると思います。
悲しい現実は、どんなに目をそむけたい酷いことで、無かったことにしたくても、しっかり向き合って受け入れるしか無いのです。
目をそむけている限り、苦しみ続けます。
このワークで説明している方法は、効率よく受け入れられます、
このワークは、一部の精神疾患にも効果があります。
イメージ暴露療法と同様の手順を含みます。
ある基準を超えた場合に疾患とされますが、誰でもメンタルが疲れると似た状態になることがあるので、参考になることもあるとおもいます。
例えば、私は苦しかったころ、対人恐怖(人に声がかけづらい)、強迫症(家の施錠をもう一度確認したい)に近い状態になっていました。
このワークに取り組むと改善します。
以下に精神疾患ごとのポイントを書きます。
ウツ
絶望感、劣等感、後悔、罪悪感、不安、などを中心に書き出して、それに伴う「感情・感覚を確認して鎮める」と改善します。
パニック障害・強迫症症状の引き金となる、場面、ことがら、もの、出来事、考えを書き出します。
それらは症状の引き金になっているだけでなく、強い嫌悪感、不安、怖れなどの引き金になっていると思います。
それらを「感情・感覚を確認して鎮める」と改善します。
不安障害・対人恐怖(社交不安症)
不安や苦手に感じる出来事や場面があると思います。
それを書き出して、それらを書き出して「感情・感覚を確認して鎮める」と改善します。
適応障害
無理に適応としていること(暴欲)、それが上手くいかないことへの焦り(嫌怖)があると思います。
それらを書き出して「感情・感覚を確認して鎮める」と改善します。
PTSD(トラウマ)
怖ろしさ、悲しみの記憶があると思います。それらを、書き出して向き合います。
過去の記憶については、このあと別の記事で扱う予定です。
目的ごとに、三毒の引き金を洗い出す方法があります。
詳しくは後ほど記事にしますが、概要を紹介します。
葛藤の解消
三毒同士が競合していて、決められない状態です。
各案を採用した時のメリット・デメリットの中に、三毒の引き金を探します。
本番に強くなる
良い結果に対する暴欲や嫌怖に関する考えが引き金になっていたり、苦手なシチュエーションの中に三毒の引き金があります。
人間関係の改善
相手の苦手なことろを書き出してみましょう。
その相手が、自分の将来に影響力を持つ場合は、その将来の不安を書き出してみましょう。
目標実現
やるべきを書き出して、それが難しいと感じる理由を書き出してみましょう。
目標が実現しない場合のみじめな将来を書き出してみたり、目標を捨てた場合にどうなるか書き出してみましょう。
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