私の提案する欲求の調整をする方法は、自分の体や心を客観的に観察して、それらの変化に気付く必要があります。
意識の向け方や練習の仕方は仏教やマインドフルネスが参考になります。
自分の心の状態に気づく着眼点としては、ゲシュタルト療法の「awareness の3つの領域」という考え方が参考になるので紹介します。
まず、ゲシュタルト療法を少しだけで紹介します。
フレデリック・パールズという人が始めた心理療法で、エンプティ・チェアの技法が有名です。
パールズは東洋的な瞑想や禅にも関心が高く、日本の大徳寺で座禅体験などもしていますから、心のとらえ方や扱い方につては、仏教やマインドフルネスとの共通点も多くみられます。
以下の本では、欲求の統合、投影、特定の自我との同一化や脱同一化、変性意識状態など興味深い内容が紹介されています。
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ゲシュタルト療法の気付き(awareness) というのは、マインドフルネスや仏教のサティとよく似た考え方に基づくものです。
気付きを得る対象を3つの領域に分けて教えています。
- 内部領域:体の感覚、衝動、情動
- 外部領域:外で起きていること、物理世界
- 中間領域:思考・イメージ
人を含めて生物は、内部領域や外部領域の情報を得て、環境に適応しながら生きています。
中間領域はそれらを補完するために、将来起こることを予測したり、隠れているもの類推するものです。環境に適応するための中心的な情報は内部領域や外部領域で、これらが少なくなると適応できなくなります。
ところが、人間は補完的な領域であった中間領域が発達して意識が向かい過ぎて、内部領域・外部領域の情報が減って不適応を起こしやすくなってしまいました。
特に考え過ぎる人はこの傾向が強く、内部領域・外部領域の気付きが減ることで不適切な考え、さらなに内部領域に意識が向く悪循環に陥ります。
ですから、このような人は、内部領域や外部領域に意識を向けることを、特に心掛ける必要があります。
この考え方は、仏教の妄想を諫める考え方と共通的を感じます。
体の中で起きていることを指します。
感情や感覚として感じるものです。
体の中に起きていることに意識を向けてみると色々なことに気付きます。
- 首や肩の緊張
- 呼吸の速さや深さ
- 頭に感じる重さ
- 胃やみぞおちに感じる重さ
言葉では表現しづらい感覚も含めて、色々な感情を感じています。
これらに気付くと、様々な心の状態に気づけるようになります。
自分の言動もこの領域に入るでしょう。
多くの言動が自動化され無自覚に行っているために、自分のクセに気付かないことが多くあります。
このクセにも、心の欲求が現れていたりします。
自分が自動で行なっている行動を意識的に行うこと新たな気付きを得られることがあります。
私たちの外で起きていることです。
心の状態で外の見え方も変わってきます。
瞑想をして心が軽くなると、世界が華やかに見えたり、動きや音が興味深く思えたりします。
外部への気付きが増えるといことです。
欲求によって関心が向く先も異なります。
意識が向くのは関心があるがあるからです。
関心があるということは、それに関する欲求があるということです。
考えやイメージのことです。
これらも、欲求が作らせています。
私たちは、自分の考えに突き動かされて、生きている訳ではありません。
考えとは別の欲求が、それを満たすために作り出した思い込みがたくさんふくまれます。
もしくは、欲求を言葉に変えただけのものです。
ですから、自分が生んだ考えの内容を信じ過ぎてはいけません。
それよりも、「どんな内容が出てきているのか?」つまりは、「自分の心は何を考えさせたがっているか」に注意を向けます。
「このように考えるのは、どんな欲求からきているのか?」という態度で自分の考えを観察すると、自分を客観的に観察できるようになっていき、自分の心が判るようになります。
2.基礎知識と基礎スキル
├2.1.建設的な心を作る手順の概要と例
├2.2.欲求について
│├2.2.2..苦しみに関係する欲求の特徴
│├2.2.3..欲求を調和させる
│├2.2.3..過去の経験の影響
├2.3.自分を観察するスキル
│├2.3.1.気付きの3つの領域
│└2.3.2..自分を客観視する
□├2.4.1.ムダな考え
□└2.4.2..慢・執着


