なぜ、人は感情を感じるのでしょう?
動物には感情はないのでしょうか?
私たちが幸せを感じるためには、感情は直接的な影響があります。
そして、幸せな生き方や幸せな人間関係を築くためのコミュニケーションにも、感情は重要な役割を持っています。
感情の役割について考えてみましょう。
そもそも感情とは何でしょう?
感情というのは、体の中の状態が元になっています。
脳には体の中の感覚器官から状態を示す信号が送られてきます。「ドキドキしている」「緊張している」「胃がシクシク」そんな信号です。
その信号について、体の外で起きていることや経緯を加味することで、「悲しい」「うれしい」などの感情として認識します。
「吊り橋効果」というの聞いたことがありますか?
「吊り橋効果」というのは、スリルを感じる場面を異性と共有すると恋愛感情につながりやすいというものです。
これは、本来はスリルから感じたドキドキが、異性がそばにいることで、恋愛と脳が錯覚することで起こるものです。
では、感情の元になる体の状態の変化は、なぜ起こるのでしょうか?
脳には、思考とは別に自分が生き残ったり種を繁栄させるための行動をさせるようとする機能があります。その機能が、考える前に次の行動に適した体の状態に変化をさせます。
例えば、
- 疲労が蓄積すると、やるが気が低下して、体を休ませる
- 脅威が近づくと、広い視野や細かい精度を落として、集中力と瞬発を優先する
- 腐敗したものを食べないように嫌悪がある
- 社会で生きていくために、気心のしれた人といると幸せを感じる
といったことがありますね。
私達は「やる気が低下したから動かない」と考えやすいですが、脳の仕組みとしては「多く動がない体の状態にする」というよう動いています。
そして「多く動かない体の状態」を、脳の体の状態を認識する部分が「やる気がしない」というように認識させてくれます。
つまり、脳が動かない方が良いと判断して体に指令を出した状態を「やる気がない」と認識しているのです。
ですから、動物にも感情はあります。
意思の力で感情を押し殺すのは、脳がすでに決めて体の状態も変えたことに反する決断をするということになります。
動物の進化のなかで集団で生活する者が現れた時、感情はコミュニケーションの役割も担うようになりました。
集団で活動できるように、相手が何を感じているかを察知して、それに適した行動をとるようになったのです。
- 他の個体が脅威を感じたら、自分も身構える
- 他の個体が喜びを感じたら、一緒に行動することで、自分もメリット得る
- 他の個体が疲弊しているのを感じたら、保護する。
といった行動です。
これによって、集団で助け合ったり、他の個体の経験の恩恵を共有できたりします。
この能力によって競争に勝った種が生き残り、その最もすぐれた遺伝子を受け継いだのが、私達人間です。
このようなコミュニケーションは、人が言葉を持つようになるずっと前から進化の中で獲得したもので、動物同士のコミュニケーションでも基本的な仕組みとなっています。
私たち人間にとっても、言葉や論理的な思考とは関係なく発生するコミュニケーションで、今でも私たちに言葉以上に大きな影響を与えています。
このように感情の元になっている体の状態の変化というのは、進化の競争の中で私達を勝ち抜かせてくれた優れたシステムです。
感情というのは、体の状態の変化を認識できる形に、脳が変換したものでしたね。
ですから、感情やそれの元になった体で感じている感覚を大切にする必要があります。
でも、時々実際の状況にそぐわない感情や衝動が生まれることがあります。
が、脳にはそれを調整する機能もあります。
私たちは進化を勝ち抜いたのですから、優れたシステムをもっているのです。
でも、それは意志の力ではありません。
意志は直接感情をコントロールすることはできません。
感情や体の状態を状況に合うように調整しているのは、意志とは別のところにあります。
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