思考や感情にも自動的なものと意図的なものがあります。
考えは、すべて意図的なものと感じますよね?
でも、
- 思考ぐるぐる(考えが止まらない)
- ある考えが頭から離れない
- 余計なことを言ってしまった
ということがあると思いますが、このことからも思考が必ずしも意図的なもの(望んでいるもの)ばかりではないことがわかります。
思考の多くはこの自動的なもので、自分が何を考えているかに気づいていません。
つまり、自動的な部分にお任せ状態になっています、
認知療法ではこれらを自動思考と呼んで、それに気づく練習をします。
気付いた思考の中に認知のゆがみをみつけて、それを適切な考えに修正していくことで、意図的な思考に変える練習をします。
練習方法としてはコラム法が有名だと思います。
マインドフルネス瞑想では、呼吸に意識を向けることで自動思考に気付いたり、自然に湧いてきた考えに意識が向いたら呼吸に意識を向けなおすことで、自動思考に振り回されない練習をします。
このように自動思考に着目するのは、私たちが自動的に湧いてくる思考からも影響を受けていて、自分の心を傷つけたり周囲の出来事の認識をゆがめて、不快な感情がでてきたり不適切な言動に駆り立てられるからです。
そのように自動で湧いてくる不適切な思考に気づいて対処する必要がありますが、自分が意図しない思考に気づけなければ対処ができません。
ここで疑問が生じるかもしれませんね。
「自分で考えているんだから、私の意図なんじゃないの?」
と
結論からいうと、自分が望む考えばかりではありません。
- 不安になっても仕方がないところで、リスクばかりを考える
- やるしかないのに、やりたくない理由ばかりを考える
そんな経験は誰しもあると思います。
このような時、意図しない思考が湧いてきていることに気づいています。
思考には、「意図(自分の望み)から湧いてくる思考」と、「自動で湧いてくる思考」があります。
「思考が意図」ではなく「意図から湧いてくる思考」と「クセで出てくる意図とは関係のない思考」という意味です。
思考は、"話す"、"動く" などと同じ行動の一つです。つまり、考えさせる(行動させる)別の部分があります。
思考が行動であることに気づくと、主に言動について書いた以下の記事が思考にも当てはまることがわかってきます。
自動的な思考にも、気づきづらい悪い癖が沢山あります。
がむしゃらに(力んで)問題解決をしようとしても、自動的な思考に頼っている状態なのでなかなか解決しません。
自動的な行動は過去の経験だけなので、新しい発想が難しいのです。
以下のようなときに、自動的な思考にどっぷり頼っています。
- ~ながら(上の空、意識がしっかり向いていない)
- 感情的になっているとき
- 急いでいるとき・焦っているとき
- 力んでいるとき(悩んでいるとき)
- 結果や評価に意識が向いている時
これが続くと、自分とのつながりが感じられなくなっていきます。
そして、自動的な思考を適切なものに変えるためには、一度このような状態から抜けて意図的な思考にする必要があります。
その方法を考える前に、「思考は意図ではない」とすると ”意図" ってなんだ?
となるかもしれませんね。
以前書いた「真我」とか「ほんとの自分」が関係します。