前の2つの記事で、「自分とつながっている」とか「人生をコントロールできている」と感じられるか否かは、意識的にコントロールできるか自動的なコントロールになっているかが、関係していることを書いてきました。
じつは、思考も多くが自動的なコントロールになっていて、本当の自分から離れています。
思考の多くが意識的でないものというのは、なかなか実感できないかもしれませんね。
そこで、まず「意識的ではない状態」、つまりは「自動的な状態」で「本当の自分から離れている状態」について説明します。
自分から離れている状態
やる気をだしたいのに、やるきがでない。
集中したいのに、集中できない。
思うように体が動かない。
そんな時は、自分が感じているものをしっかり観察できなくなっていたり、自分の動きをしっかり把握できなくなっています。
感じていることや自分の動きをしっかり把握できるようになると、これらの問題は消えていきます。
こうなってしまうのは、自動的なコントロールに頼りきっている状態が長いことが原因の一つです
自動的なコントロールの状態
それでは、思考や動きを自動的なコントロールに頼っている時というのをあげてみましょう。
- ~ながら(複数のことを同時にしている時)
- 感情的になっているとき
- 急いでいるとき・焦っているとき
- 力んでいるとき
- 結果や評価に意識が向いている時
などです。
これらの時、私たちは自分がやっていることや、自分が感じていることに意識が向いていません。
つまり、「いまここ」から離れていて、自分の意図とは違う動きになっていていも気づけない状態です。
前の記事で「がむしゃらに練習しても成果がでない」と書きましたが、がむしゃらな時は上のような状態になっていて、自動的なコントロールに頼っている状態になっています。
自動的なコントロールでも、偶然うまくいった時にその方法を覚えることがありますが、同様に偶然悪い癖を覚えることもあります。
スランプの一つの原因です。
本来人間は、自分が意図したとおりに自分を動かしたり、動作のパターンを覚えさせることができますが、自動的コントロールに頼り切るとその能力を活かすことができません。
この状態が長くつづくと、「本当の自分とつながれていない」「人生がうまくいかない」と感じるようになります。
"考えながら" も、自動的なコントロールになっている
意識しないと気づきづらい "ながら"に、「考えながら」があります。
何かに取り組む時に、つい私たちは
- あの仕事は大丈夫だろうか
- 勝てなかったらどうしよう
- なんで、こんなことがうまくいかないのか
といったことを考えがちです。
思考は意識を強くひきつけてしまいます。
つまり、自分が感じていることや動作へむけるべき意識が向かなくなり、自動的なコントロールになってしまいます。
そして、「うまくいかない」となります。
この「考えながら」を避けて今取り組んでいることに意識を向け続けるには、「新鮮な興味」「さわやかな情熱」が必要になると思います。
マインドフルネスの呼吸瞑想(座禅)は、思考に向きがちな意識を、自分の行動や感じているものへ意識を向けなおすトレーニングでもあります。
勘違いしやすいこと
最近、私が以下を意識しているのは、この記事で書いたような考えからです。
- 力まない・急がない
- 新鮮な好奇心を持つ・さわやかな情熱を持つ
- 自分の動きや感覚に注意を払う
これらを意識しはじめると、これまでの私は以下を混同していたように思います。
- 「情熱を持つ」と「力む」・「感情的になる」
- 「速くやる」と「急ぐ」「焦る」
- 「自分に向き合う」と「こだわる」
これらの違いについても、記事にしていきたいと思います。