幸せの教えとして、「やりたいことをやる」というものがありますね。
でも、アルコール依存症の人が、「酒を飲みたい」という衝動のまま、お酒を飲んでいると幸せになれません。
「あいつに文句を言いたい」という衝動に従って、誰かに文句を言っても幸せにはなりません。
幸せになる「やりたい」と,不幸になる「やりたい」があります。
その見極め方を考えます。
以前の記事「積極的なのは幸せ、消極的なのは不幸せ」で、脳の働き方に「接近システム」と「回避システム」というものを説明しました。
これは、そのまま心の状態としてとらえることができます。
これを知っておくと、2種類の「やりたい」の違いが理解しやすくなります。
気持ち良いことに向かわせる心の状態
脳の接近システムが働いている状態
「係わる心」とします。
- 何かをしようとする心の状態
- ものごとに積極的、肯定的
- 能動的、自発的
- いろいろなものに興味が向く
- ワクワクや充実感、幸福感を感じやすい
幸せになれる「やりたい」は、この心の状態の時のものです。
危険や不快を回避させる心の状態
脳の回避システムが働ている状態
「避ける心」とします。
- 何かを避けようとする心の状態
- ものごとに消極的、懐疑的、批判的
- 受身的、反応的
- 考えが偏りやすい
- 不安・悲しみ・悩みを感じやすい
この状態が続くと、いきづらさを感じ、良い考えが浮かびづらくなります。
そして、目の前に向かいたいものと避けたいものがあると避けたいものが優先されやすい傾向があります。
目の前に美味しいものがあっても、猛獣の気配を感じたら逃げる必要があるからです。
そして、避ける心になっている時は、「やりたい」に気づきづらくなります。
「やりたいことがわからない」というのは、避ける心の状態になっている結果とも考えられます。
動物は、基本的に「やりたい」か「やりたくない」かだけです。
でも、人間は「やりたくないからやりたい」があります。
- 不安や孤独を感じないために
- みじめさを感じないために
- 損した気分にならないために
つまり、避ける心からくる「やりたい」です。
この心の状態の時の「やりたい」には注意が必要です
- やっても幸福感につながらない
- 考えが偏っているので、うまくいきづらい
- 新たな問題につながりやすい
人間関係の悪化や経済的な問題など
ここでは、「やりたくないからやりたい」を「ニセのやりたい」、
本当のやりたいを「ホントのやりたい」とします。
「ニセのやりたい」は「ホントのやりたい」よりも、強い衝動を感じることが多いです。
避けたいものが優先されることが関係しています。
そして、「ニセのやりたい」が多いとき、「ホントのやりたい」に気づきづらくなります。
だから、この「偽やりたい」には注意が必要なのです。
「ホントのやりたい」は、係わる心の状態です。
「ニセのやりたい」は、避ける心の状態です。
係わる心の状態と、避ける心の状態がそのまま当てはまります。
感情・感覚の違い
ホントのやりたい
- 楽しさ、清々しさ
- 自由、開放的、心地よさ
- ワクワク
- 期待感、充実感
ニセのやりたい
- しかたなさ、悲壮感
- 窮屈、閉塞感、不安
- ピリピリ
- 切実感、緊迫感
思考の違い
ホントのやりたい
- 考えが柔軟
- 〜したい、〜なら良いな
- 新しい事実に気づく
- 肯定的
- 建設的
ニセのやりたい
- かたくな
- 〜べき、〜しなきゃ
- 状況の変化が無いように感じる
- 批判的、懐疑的
- 破壊的
「ニセのやりたい」の思考については、「不幸せな時の考えの特徴」で紹介した、認知のゆがみも参考になります。
まずは、自分が避けようとしていることに気づき、その時に何を感じているかを観察したり、その時の考えに認知のゆがみがないかをチェックすると良いと思います。
これを続けていると、「ニセやりたい」に気づけるようになります。
そして、避けようとしている時の感覚を処理していくと以下のような効果もあります。
- 心が軽くなる
- 目標を達成しやすくなる
- 「ホントのやりたい」に気づきやすくなる
- 「ホントのやりたい」を実行しやすくなる
「ホントのやりたい」に気づくためにも「ニセやりたい」に注意して、放置せず解消していきましょう。
