星流の二番目のたな

デジモンフロンティアおよび
デジモンアドベンチャー02の
二次創作(小説)中心に稼働します。

注)『デジモンフロンティア02~神話へのキセキ~』は
管理人が勝手に想像するフロンティアのその後の物語です。
続き物、二次創作の苦手な方はご注意くださいませ。


テーマ:
 ブラキモンが長い頭をもたげる。たったそれだけで、ぐんと高度を増し、15メートル上空のレディーデビモンと同じ目線になる。
「何が――!?」
 予想しない事態に、レディーデビモンが唖然として動きを止める。
 ブラキモンが首を大きく横に振る。風を切る音とともに、レディーデビモンが吹き飛ばされた。
 レディーデビモンは羽を広げて、地面にぶつかる手前で踏みとどまった。
 しかし、すぐに重い地響きが聞こえる。空を見上げれば、四肢で地面を踏みしめながら迫るブラキモンの姿。レディーデビモンは一瞬気おされるが、すぐに表情を引き締める。
「くっ、《ダークネスウェーブ》!」
 無数のコウモリの群れがブラキモンに迫る。
 が、ブラキモンの足元を駆け抜けて、グレイモンとガルルモンが前に出る。
「《メガフレイム》!」
「《フォックスファイアー》!」
 赤と青の炎がコウモリを焼き払う。
 全てのコウモリが地面に落ちた時、既にレディーデビモンの姿はなかった。
「逃げたのか!?」
「いや、まだ近くにいるはずだ!」
 太一の言葉に、ヤマトが素早く返し、辺りを見回す。
 ブラキモンのそばの茂みが音を立てる。
「そこか!」
 ジュエルビーモンが素早く槍を突き出す。
 しかし、槍を引き出してみると、力尽きたコウモリがぶら下がっているだけ。
「しまった、囮だ!」
 賢が叫ぶやいなや、別の茂みからレディーデビモンが飛び出した。
 無防備な伊織に向かって。
 レディーデビモンの鋭い爪が光る。伊織はとっさに顔を腕でかばった。
 白い服の袖が、破れて地面に落ちる。
 
 
「――っ、貴様!」
 レディーデビモンが顔をゆがめた。
 伊織を切り裂く寸前、テイルモンの《ネコパンチ》が爪を弾き飛ばしていた。
 伊織の頭に乗り、テイルモンがふふんと勝ち誇る。
「あんたが伊織とブラキモンに執着しているのは分かってたからね。ブラキモンに歯が立たないなら伊織を狙うと思ってたのよ」
「あ、ありがとうございます」
 頭に乗られて重そうな顔をしながら、伊織がお礼を言う。袖は破れたが、肌には傷一つない。
 ジュエルビーモンが伊織とテイルモンを抱きかかえ、安全な場所に避難させる。
 レディーデビモンがすぐに後を追おうとするが、鮮やかな光が間を遮った。
 光の正体は大きなシャボン玉だった。直径が1メートルくらいあり、日の光を反射して虹色の光を放っている。
 場違いなほど、のどかな光。それが、一つ、二つと数を増していく。
 シャボン玉を吐き出しているのはブラキモンだった。シャボン玉とは真逆に、怒りのこもった目をレディーデビモンに向ける。
「伊織を傷つけようとした罪、オレは許さんぞ!」
 シャボン玉が次々に吐き出され、レディーデビモンに向かっていく。
 レディーデビモンが近くのシャボン玉を引き裂いた。が、すぐに悲鳴を上げて自分の手を押さえる。レディーデビモンの手からは煙が上がり、データが分解されかけていた。
 逃げようとするが、既に四方も空もシャボン玉で埋め尽くされている。
「《ブラキオバブル》!」
 ブラキモンの咆哮で、シャボン玉が次々と破裂した。虹色の光が美しく跳ねる中で、レディーデビモンの悲鳴が聞こえる。
 その輝きが消えた後には、データの欠片さえ残っていなかった。
 
 
 
 戦いを終えたブラキモンに、伊織が駆け寄る。ブラキモンの体が縮み、幼年期のウパモンまで退化した。
 その丸っこい体を、伊織が優しく抱き上げる。
「お疲れさま」
「いおり、ケガしてないか?」
「うん」
 ほほえましいやり取りに、仲間達もほっと息を吐く。
「レディーデビモンは倒せた。後は」
 ヒカリがテレビの方に目を向ける。ノイズの混じったテレビ画面では、現実世界の様子は分からない。
「大輔くん達、大丈夫かな……」
「俺達も渋谷に行こう」
 太一の言葉に、全員がテレビの前に戻る。一戦交えた後だが、休んでいる暇はない。
 デジヴァイスでゲートを開き、一同は現実世界に飛んだ。
 
 
 
◇◆◇◆◇◆
 
 
 
少し短めですが、キリが良いのでここまで。
《ブラキオバブル》の解説には「アワ」って書いてあるんですが、シャボン玉の方がきれいだし、伊織の良心の紋章の表れにもなるかな、と思ってシャボン玉としてみました。公式であまりブラキオモンの技描写がないのをいいことに←
 
クリスマスイブ? 何の予定もなかったので、家事と小説執筆とゲームがはかどって、とっても楽しい一日でした☆
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 次の日。ユピテルモンが出した期限まであと1日。
 この日の朝、純平が目を覚ました。



 すぐにノゾム以外の全員が純平の部屋に駆けつけた。
 純平は背中に枕を当てて体を起こしていた。顔色はまだ青白くて、元気もない。
 隣のベッドには、パタモンとボコモン、ネーモンが爆睡している。エンジェモンがパタモンに退化してることからも、どれだけ大変な状況だったか分かる。
 純平の横の机には、皿に乗ったアンブロシアがある。ユニモンからもらった最後の1枚だ。
 それを、純平は悲しそうな顔で見つめている。
 それを見て、俺は泣きたい気分になった。
 やっぱり、謝らなきゃ。純平が死にかけたのは俺のせいなんだ。
 でも、先に純平がぽつりとつぶやいた。
「ビスケットとかよりカツ丼が食べたいんだけどなあ」
「……へ?」
 開けた口が塞がらなくなった。
 友樹が腰に手を当てて、唇を尖らせる。
「いきなりカツ丼なんて食べたらおなかがびっくりしちゃうよ。今はアンブロシアで体力を回復させないと」
 年下に叱られて、純平がわざとらしく肩をすぼめる。
 それを見て、泉が呆れ半分安心半分で息を吐く。
「そんな冗談が言えるのなら大丈夫ね」
 みんなから笑いがこぼれる。
 俺は謝るタイミングを見失っていた。どうにか言葉を絞り出す。
「あの、俺……」
「ふぃにふぃてふぁいからふぃにふるな」
 純平が頬張ったまま、でもきっぱりと言った。
 アンブロシアを飲み込んで、改めて俺の顔を見る。
「俺が気にしてないからお前も気にするな。俺はお前のせいだなんて思ってない。しんどかったのはお前も同じだろ」
 それだけ言って、またアンブロシアを頬張り始める。これ意外とうまいな! なんて言って、またみんなを笑わせている。俺のためにわざと明るくしてるんだって、今更気づいた。
 俺の目に、ちょっと少しだけ涙がこみ上げてきて、慌ててそっぽを向いた。
 でもすぐに兄貴に気づかれる。
「あれ、お前泣いてるのか?」
「っ、んなわけないだろ!」
 そんなごまかしが通じるわけなくて、みんなにからかわれる羽目になった。



―――
 


 テイルモンがデジヴァイスを机に置いた後も、しばらく歯を食い縛ったままだった。
「少し休憩しましょう」
「大丈夫……続けて」
「私も休憩が必要なんです」
 テイルモンに言われて、僕は仕方なくうなずいた。ベッドに横になったまま、意識して肩の力を抜く。
 テイルモンは僕の体に負担がかからないように慎重にスピリットを動かしてくれている。
 それでも、息が詰まったり吐き気がしたり、肌がちぎれるような感覚がしたり、いつもどこかが辛い。テイルモンが飲み物をすすめてくれるけど、唇を濡らすのが精一杯だ。
「痛みを和らげる薬草を探してきます」
 テイルモンがそう言って部屋を出ていった。
 目線を、むき出しになっている自分の胸に向ける。胸の中心に、薄赤い光が見えるようになってきた。光の中心には黒ずんだ影がある。スーリヤモンのスピリットだ。
 まだ十分じゃない。今日中に、肌のすぐ下まで動かしたい。
 指で胸に触れる。痛みはだいぶ引いた。テイルモンが戻ってきたらすぐに始めてもらおう。
 考えてすぐに、部屋のドアが開いた。思ったより早く戻ってきたな。
 でも、入ってきたのはテイルモンじゃなかった。
「輝二、さん」
 仲間の中でも、ほとんど……いや、全然話したことのないヒトだ。信也も一緒に旅したことはなくて、どんな性格なのかよく分からない。
 ただ、僕を見る目は一番厳しくて、嫌われてるんだろうなって思ってる。
「純平の部屋にお前だけ来なかった。信也に聞いたら、お前の作戦と、この部屋を教えてくれた」
 輝二さんは素っ気なく説明して、ベッドの横のイスに座った。自然と見下ろされる形になる。
 数秒、無言の時間が流れる。
 先に話し出したのは輝二さんだった。
「お前、ルーチェモンだった時の記憶があるんだってな」
 その言い方に、僕は顔をしかめる。
「僕は彼のデータから作られたけど、彼とは違う」
 輝二さんの目は冷たいけど、精いっぱい向かい合う。
「自分が人形だって知るまでは、ルーチェモンの記憶を自分のだと思い込んでた。でも今は、僕の頭の中に他人の記憶が入り込んでるだけだと思ってる。僕自身の記憶は、信也と出会った後の時間だけ」
「口で言うだけならいくらでも言える」
「僕のこと、倒したいと思ってる?」
 肝心なところを聞くと、輝二さんは少し考えてから答える。
「お前が信也と親友になってなければ、倒すか遠ざけるかしてた。今でも、怪しい動きをしたら倒すつもりでいる」
 正直に言われて、むしろほっとした。
「ありがとう。僕は信也達を裏切る気はないけど、もしもの時は倒してくれていいよ」
 僕の言葉に、輝二さんが意外そうに目を丸くした。
 輝二さんが正直に気持ちを伝えてくれたから、僕も正直に伝える。
「僕も、みんなを傷つけたくないから」
「……そうか」
 輝二さんが眉間にしわを寄せながらつぶやいた。
 ドアが開いて、テイルモンが入ってきた。輝二さんを見つけて驚いて足を止める。
「どうかしたんですか?」
「いや、様子を見に来ただけだ。もう行く」
 そう言って、輝二さんが立ち上がる。
 出ていく前に、輝二さんがふと足を止める。半分だけこっちを振り返る。
「……倒していいって言われたら、逆にノゾムを倒せる気がしなくなってきた」
 輝二さんが出て行った後、テイルモンが薬草の準備を始める。
 輝二さんが入ってきた時は緊張していたのに、今は話せて良かったと思えた。
 辛いスピリットを動かす作業だけど、信也だけじゃない、輝二さんやみんなのために頑張ろう。
 
 
 
☆★☆★☆★
 
 
 
ども、お久しぶりの更新です。爆弾投下というような話にはなりませんでした。前の記事のコメントにちらっと書きましたが、むしろ書きかけの原稿のデータが消えるという自爆をしました(泣)
次回からいよいよ最終決戦です。
 
ところで、ハッカーズメモリー、買いましたか?←
星流は12日間の旅行とその疲労を癒している間に色々趣味のものがたまっていて、この3日間で(知人に受け取りを頼んでいた)デジステのDVDを入手したり、設定集届いたり、ハカメモ発売されたりで、消化が追いついていない状況です(苦笑)戦隊とライダーとウルトラマンの各2回分の録画(約3時間)を消化するだけでも大変だったのにっ!
嬉しい悲鳴ですが、順番に楽しみたいと思います。
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