先週はキャスター付き家具の滑り止め対策をお伝えしました。
今週は、4本脚の家具の滑り止めについて取り上げます。
4本脚の家具といえば、
テーブル、机、ソファがあるかと思います。
食卓やソファへの対策も順にお伝えしていきますが、
きょうは、メタルラックの滑り止め対策です。
メタルラックも、4本脚の重さのある家具。
お子さんの部屋、洗面所、キッチンなど、
狭い空間で、ドアのそばに4本脚のラックは使っていませんか?
6月25日、26日の記事でも、
出入り口=脱出口のそばに家具を置いた話をしましたが、
床を滑る家具の地震対策~「クッションゴム」を使う
床を滑る家具の地震対策~「クッションゴム」を使う②
出入り口のそばに置いた家具は、
地震の際に床を滑って、ドアを塞ぐ可能性があります。
それなのに、
私は、4畳半という狭い空間の出口のそばに
メタルラックを置きました。

置いた以上、対策しなければなりません。
メタルラックの滑り出し防止に、使ってみたのは、
手持ちのゲルマット。
ちょうど脚のポールの太さにあったサイズのゲルマットが
予備にありました。

狭い部屋に閉じ込められるかもしれないのに、
なぜ、出入り口のすぐ横に家具を置いたのか。

20年前の阪神淡路大震災のとき、
倒れた棚の下から這い出した私。
そのとき棚が倒れてきた記憶はありませんが、
地震後の写真が残っているせいか、
その後は寝室に家具を置かずに暮らしてきました。

それが、50代半ばで体調を大きく崩して、
暮らしを見直したとき、
それまでの4畳半の寝室の使い方を見直しました。
現在、メインの寝室は、広い和室に。
寝室だった4畳半の部屋は、
泊まり客が来たときに使ってもらう部屋でもあり、
ふだんは、ゆっくりテレビを見たり、くつろぐ場所にも
使っています。
テレビだけ置くなら、
もっと低くて小さな台でもよかったのですが、
ほかにも置きたいものがあり、
別のところで使っていたメタルラックを転用。
レイアウトの制限もあって、出入り口の横に置きました。
もっと軽い家具を選ぶことも考えられたけれど、
限られた予算と時間の中で空間を整える必要があって、
「これがいいよね・・・」となりました。
「快適さに必要」と思えばこその、出入り口そばのラック配置。
「安全第一」とは、私は考えられない・・・のです。

暮らしはいろいろな制約がある中で、
自分や家族にとって、
「そのとき大事なこと」を、しっかり確保することも必要。
そのうえで、地震への備えもできる限りして、
被害を少しでも小さくできたら・・・、
それが、『減災収納』の想いです。

ゲルマットは、サイズも厚さも豊富に出回るようになっています。
普及したことで、10年前に比べれば、
価格も手ごろになってきました。
暮らしの変化に応じて、すぐに地震対策を取れるように、
ゲルマットなど嵩張らないすべり止めは、
予備を用意しておくとよいです。
「あ、あそこが危ないかも?」と思ったとき、
すぐに試すことができますから。