クロサギの舞う凸凹海岸。夏も行こうかと検討中(真鶴半島) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

今日は新規開拓スポットを紹介します。

行先は、神奈川県のほぼ南西端に位置する真鶴半島

東海道線の真鶴駅(左写真)より徒歩で向かいました。

(バスも出ているのですが本数が少ないので)

目指すは半島の突端部。距離はそれほどではないのですが

このあたりはリアス式海岸で高低差が激しいため

真鶴港(右写真奥)に到達するまでにも

結構坂を上り下りする羽目になりました。

 

 

 

 

 

丘の上から見下ろした真鶴港周辺。

住宅地も斜面に建てられているものが多いですね。

ここまで凸凹した地形は関東でも珍しいかも?

 

 

 

 

 

真鶴港の前に、こんなものが。

レイズドベッドのプランターです。

このタイプのものであれば、車椅子の方でも

乗ったままガーデニングを楽しめるそうです。

この日は複数配置されており、いずれも写真のように

砂利とパンジー・ビオラを組み合わせたものでした。

 

 

 

 

 

港に現れたアオサギ

今更ですが、臨海域で一番よく見かけるサギです。

 

この日の一番の目的は、真鶴半島突端部に

よく現れるというクロサギだったのですが

海岸を好むというクロサギ以上に

アオサギの方が目にする機会は多いです。

(元々の個体数が圧倒的にアオサギの方が多いので)

 

 

 

 

 

真鶴港から半島突端部へ向かう途中。

このように海の目の前を歩ける遊歩道があります。

岩場に降りることも可能で、タイドプールを覗くと

アメフラシ(後述)なんかが結構見られるのですが

かなり滑りやすいので軟な靴で安易に踏み込むのは

やめておいた方がいいかもしれません。

(実際、試したら何度か滑りそうになりました)

 

 

 

 

 

地図上での距離より大分歩いた気がしますが

どうにか半島突端部の真鶴岬まで到着しました。

この一帯は真鶴半島自然公園という

県立の公園になっており、

火山岩に由来する起伏の激しい地形が特徴です。

 

この一帯は漁場としても有名ですが

磯遊びの名所としても知られており

時期によってはウミウシなども観察できるとか。

暖かくなったら足を運んでみたいものです。

 

 

 

 

 

初めて、かなりマトモに撮れたソウシチョウ

外来種なのであまり嬉しくないのですが(爆)

一応、目の前に出たのでちゃんと撮影します。

 

 

 

 

 

海岸線をぶらぶら歩いていると

お目当てのクロサギはすぐに現れました。

この後もそこそこコンスタントに出てきたので

飛来数はかなりのものと思われます。

 

クロサギの飛来地というと

名前が知られているのは城ヶ島ですが

あそこは立ち入れる区域が限られている上に

最近はどうも不作傾向(詳しくは上のリンク先参照)

仮に出てきたとしても距離が遠いので

最近は専ら江の島で探しておりました。

 

恐らくここ真鶴岬は江の島より飛来数が多く

単純にクロサギが撮りたいのであれば

「ここ一択」と言ってもいいかもしれません。

 

 

 

 

 

なかなか精悍な顔つきです。

黒い羽に黄色い目というのがいい。

 

 

 

 

 

波が打ち付けてきて、咄嗟に飛び立った瞬間。

ちなみに動き方などは他のサギと同じで

特段本種の方が素早いとかいうことはありません。

 

 

 

 

 

クロサギのいる風景

(右下の岩の上にいます)

 

左奥に見える街は熱海……ではなく

どうやら湯河原のようです。

ちなみに東海道線ですと真鶴駅の隣が湯河原駅、

さらにその次の駅が熱海駅となっています。

 

天気がよければ岬から熱海市街地も見えますし

熱海港からフェリーで行ける初島も望めます。

 

 

 

 

 

 

ちょっと海も覗いてみましょう。

まだ2月でしたが、この日はそこそこ暖かく

釣り客や磯を漁っている子供たちも何人かいました。

 

タイドプールを覗いてみると

探すのに苦労しないレベルの相当数のアメフラシが(汗)

ちなみに私は未だにイ●ムシとケム●は触れませんが

アメフラシとウミウシは何も問題なく持てます(左上)。

でも、イソメとかゴカイはやっぱり持ちたくない(爆)

 

 

 

 

 

これはクロヘリアメフラシのようです。

あいにくこの日はクロサギが目当てであって

磯を探る予定はまったくなかったため、

いただいた水中カメラは持ってきておりませんでした。

次に訪れる際には必ず持参したいところです。

 

 

 

 

 

別角度から見た真鶴岬の風景。

切り立った崖、草原、岩場、海……と

大体似たようなコンテンツで構成されています。

 

右奥に見えるのが真鶴の名所  三ツ石(みついし)です。↓

 

 

 

 

 

クローズアップするとこんな感じ。

名前の通り3つの岩で構成されているようですが

中央の「しめ縄」の方が印象に残りやすいかも。

 

鳥居やしめ縄があるために神聖な区域に見えて

一見すると立入禁止エリアに見えるかもしれませんが

干潮時であれば渡ることも可能だそうです。

(真鶴町のWebサイトに記載されています)

ただし、潮が満ちたら歩いて戻れなくなるので

生半可な気持ちでは行かない方がいいでしょう。

ウミウシなどを探したいなら手前の海岸で十分かも?

 

 

 

 

 

 

ジョウビタキ♂(左)とホオジロ♀(右)。

ホオジロは集団で飛来しているようでした。

ジョウビタキもそこそこ数が多いようです。

 

 

 

 

 

岩肌の上に枝垂れているのは

どうやらノイバラの枝みたいです。

 

ノイバラは蜜源植物としても優秀なので

春に磯遊びに訪れた際には、昆虫の飛来にも

気を配った方がいいかもしれません。

 

 

 

 

 

岩礁に立つウミウ

 

 

 

 

 

カニを捕まえたクロサギ

彼らの食事シーンは何気に初撮影です。

 

磯場などの海岸線を棲み処とするクロサギは

魚よりも、むしろこういう小動物を狙うのが

得意なのかもしれません。

 

 

 

 

 

かなり距離がありましたが

2羽のクロサギが飛んでいるシーン。

 

そもそも、クロサギの飛ぶシーン自体が

今回初めて観察したものだったりします。

「クロサギの飛来地」という前評判を耳にして

実際のところはどうなのかとやや疑っていましたが

これは評判通り、いや評判以上と言えるかも?

それほど苦労することなく見つけられましたので

もし、まだクロサギを見たことがないという方が

いらっしゃいましたら、ぜひ足を運んでみてくださいませ。

 

 

 

 

 

波に揺られるウミアイサの集団。

実際はこれの3倍くらいの群れでしたが

なぜかメスしかいませんでした。(?_?)

 

 

 

 

 

本日最後の一枚。

海の男です。

(ちゃんと海の方に顔だけ向けているところが好き)

 

 

 

 

 

【2/11 真鶴半島で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、イソシギ、イソヒヨドリ、ウグイス、ウミアイサ、ウミウ、オオバン、カワウ、カンムリカイツブリ、クロサギ、ジョウビタキ、ソウシチョウ、トビ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ホオジロ、メジロ、ヤマガラ、ユリカモメ

その他・・・アゴハゼ、アメフラシ、オオヘビガイ、クロヘリアメフラシ、ホンヤドカリ、ムラサキウニ、ヨロイイソギンチャク

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年3月17日(日)に開催いたします。

 行先は「皇居周辺」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。