寒いと全然動かなくなります(花をたずねて鎌倉歩き・11月) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

11月の「花をたずねて鎌倉歩き」に参加。

自分の講座の1週間ちょい前の話ですが

この日はイマイチ天候がよろしくなく

風が強く、気温もあまり上がりませんでした。

時期の割に寒くなると野鳥ですら動きが鈍りますので

もちろん昆虫などもってのほか。

いつも飛んでいるアキアカネやウラナミシジミも

全然見つかりません。

 

写真は、明月院近くで撮影したキセキレイ

集合時間前に散歩した時に見かけたのですが

その後、講座中に皆さんと通りかかった際にも

ほぼ同じ場所をウロウロしていました。

(さすがに同一個体と見て間違いないでしょう)

 

 

 

 

 

虫はほとんど動きませんでしたが

水中のカニは元気(?)な様子。

こんなところにもモクズガニがいることに驚かされますが

実は前にも撮影した記録があります。

 

 

 

 

 

こちらが明月院

アジサイの名所として知られていますが

当然この時期には花期が終わっています。

そもそもアジサイシーズンの明月院なんて

入苑までに1時間待たされるなんてこともザラですから

この講座で行くことはまずありません(汗)

 

ただ、秋はリンドウが非常にきれいです。

コケとの組み合わせがとてもよく調和しています。

 

 

 

 

 

 

リンドウのクローズアップ(左)と

センリョウの実(左)。リンドウについては

例年と比べるとやはり開花期は遅れ気味のようでした。

 

 

 

 

 

一方、明月院の境内には

イングリッシュガーデンのような花壇もあり

そちらではバラも開花していました。

他にもキク科を中心に色々と花が咲いていましたので

陽が出ていれば虫も飛んだのかもしれませんが

あいにく曇天で気温も低く、何か飛んでいる様子はナシ。

しかしそんな中でふと近くのケイトウに目を向ければ……↓

 

 

 

 

 

なんと、クダマキモドキがとまっていました。

秋になるとよく出てくるお馴染みの昆虫ですね。

花穂に摑まってジッとしています。

 

 

 

 

 

そのクダマキモドキが、こちらにも2匹

より念入りに探せばもっといたのかもしれません。

この日の講座中に初めて見た昆虫だったので

皆さんと一緒にしっかりと観察させていただきました。

 

 

 

 

 

切通しを通って、北鎌倉から鎌倉方面へ。

この手の地形はある意味で一番

「鎌倉らしい」と言えるかもしれません。

ただ、朝夷奈と違って川は流れていません。

 

 

 

 

 

葉の裏に隠れてジッとしている

ツマグロオオヨコバイの集団。

(微妙にキモいですがまあご愛敬)

 

冷たい風に曝される厳しい環境下では

こうして動かずにやり過ごすしかない模様。

ちなみにコイツらの食事は植物の汁なので

腹が減ったらその場で口吻を刺せばよく

そういう意味でも理にかなった休憩方法と言えます。

 

 

 

 

 

これは、歩道に出てきてしまっていた

やや大きめでずんぐりとしたフォルムの蛾。

調べてみたところ図鑑にも掲載されており

ミツモンキンウワバというヤガの仲間であることがわかりました。

 

遭遇率・・・2 (レア種ではないらしい)

インパクト・・・3 (地味だけれどそれなりに大きい)

美しさ・・・2 (見ての通りビジュアル面はイマイチ)

俊敏性・・・2 (あまり速くは飛べない様子)

知名度・・・1 (明日には名前を忘れています)

 

前回のムネアカセンチコガネと違って

非常に覚えにくい名前です。

まあ、知らなくても氏にやしないので

堂々と忘れてしまいましょう(爆)

 

アスファルトの上を這っていましたので

当然撮影する私も地面にヨツンヴァイン四つん這いになり

同じ目線の高さで撮影します。

講座参加中であろうとします。

他の参加者の皆さんも長い付き合いで既に慣れていらっしゃるらしく

全く変な目で見られることはありません(爆)

 

 

 

 

 

海蔵寺へ。ここはスギゴケが非常に美しく

低アングルからマンリョウと組み合わせて撮影してみました。

何となくスギゴケが低木に、それ以外の細かなコケは草原に、

そして奥のマンリョウが途轍もない大木(世界樹?)に見えて

一つの風景のように見えてくる気がします。

その場合、右側に位置する本物の大木は

さしずめ切り立った巨大な崖……といったところか?

 

高低差のあるコケを使うと

こういう小さな風景が生まれるのです。

 

 

 

 

 

解散後、御谷(おやつ)の方に行ってみると

葉の上にとまっているウラナミシジミを見つけました。

上記のツマグロオオヨコバイなどと同じで

やはりジッとしていて動きませんでした。

 

この一週間後の「首都圏生きものめぐり」講座では

晴天&20℃以上という気候に恵まれたこともあり

結構多くの昆虫が飛び回っていましたので

この日は非常に対照的だったと言えます。

ただ、荒天時も彼等は見えないところに隠れているだけで

死に絶えてしまうわけではないというのは重要。

天気さえよくなれば、すぐに活動を再開します。

 

 

 

 

 

 

鶴岡八幡宮には、すでに冬のカモが大分来ていました。

オナガガモ(右)はまだ気持ちエクリプス気味だったかも?

本格的にカモでにぎわうのは12月以降なので

引き続き鎌倉訪問時には様子を見ておきたいと思います。

 

 

 

 

 

昼食には生しらす丼をいただきました。

湘南の名物ということもあり

小町通りでは何店舗か取り扱っていました。

(季節ものなので時期を外すとまず食べられませんが)

 

以上、10月の鎌倉中央公園での講座時と比べると

やはり大分生きものの数は減っていましたが

それでもモクズガニや新顔の蛾など

面白い出合いはあったので充実していた気がします。

なお、今日からちょうど一週間後が12月の講座になります。

今年最後の鎌倉散策、楽しみにしております。

 

 

 

 

【11/11 鎌倉市内で撮影した生きもの】

鳥類・・・イソヒヨドリ、オオバン、オナガガモ、カルガモ、キセキレイ、シジュウカラ、トビ、ハクセキレイ、ヒドリガモ、ヒヨドリ

昆虫類・・・アオバハゴロモ、イセリアカイガラムシ、ウラナミシジミ、クダマキモドキ、ツマグロオオヨコバイ、ミツモンキンウワバ、ヤツデキジラミ、ワカバグモ

その他・・・モクズガニ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年12月17日(日)に開催いたします。

 行先は「旧芝離宮恩賜庭園~浜離宮恩賜庭園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。