冬から春へと移ろう港町(銚子漁港周辺) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

3年前から毎年足を運んでいる銚子漁港

3月に入り仕事が落ち着いたところで、

例年通り高速バスで行ってまいりました。

 

到着直後、波止場でワシカモメ(左)に遭遇。

特徴であるグレーの初列風切がハッキリ撮れましたが

残念ながらヒヨコ饅頭(?)のまま起きず……。

まあ、とりあえず存在を確認できたのでヨシとします。

(右はお馴染みのウミネコです)

 

 

 

 

 

 

これは銚子に行った日に

現地のカメラマンから初めて聞いたのですが

大量に飛来していたユリカモメの中に

「ヒメカモメ」という珍種が混じっていたそうです。

ユリカモメより一回り小さく羽の色が異なるとか?

 

調べてみると普通にWeb上に情報が出ており

それ目当てで来ている方も多かった模様。

ただ、残念ながら件の珍鳥は姿が見えませんでした。

にしても、あの膨大な数のユリカモメの中から

最初に見つけた人……素直に超人だと思います(汗)

 

 

 

 

 

 

何かのニュースで今年はイワシが豊漁と聞きましたが

銚子漁港でもそれは如実でした。漁の際にこぼれたのか

はたまたカモメたちが落としていったのか

漁港界隈のあちこちにイワシが散らばっていました。

漁師の皆様には大変申し訳ないですがマスク装着していてよかったです

ちなみに、後述する海から離れたハーブガーデン周辺は

カモメも漁船も来ないため、魚が散っていることはありません。

 

 

 

 

 

出港する漁船につきまとうカモメ軍団。

正月の初島を彷彿とさせるものがあります。

(まあ、つきまとう動機は似たようなものですし……)

 

 

 

 

 

ワシカモメに続き、シロカモメ(右)にも遭遇。

白い初列風切のほか、全身が白みを帯びています。

 

銚子に飛来するカモメの仲間というと

ほとんどがセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメで構成され

そこに少数のオオセグロカモメ、ミツユビカモメ

さらに少数のワシカモメ、シロカモメ、カモメ、

そしてタイミルセグロカモメが混じる……という印象です。

よりレア度の高いカモメ科も毎年混じるようですが、

上記のセグロカモメとの差が微々たるものですし

何度も言うようにカモメ科の数が半端じゃないので

情報ゼロから見つけ出すのは至難の業です……。

(図鑑よりなにより、まず時間と場数が必要かと)

 

 

 

 

 

昼食はやっぱり一山いけすへ。

せいぜい年に2回くらいしか足を運ばない銚子なので

どうしても海産物が食べたい……という中

距離的・位置的にちょうどいい位置にあるので

自然とここに足を運んでしまいます。

(この近くに他に大きい飲食店がないのも理由)

丼物が安くてボリューム満点なのが好ポイントです。

 

 

 

 

 

昨年の記録でも紹介しましたが

銚子界隈はちょっと内陸に入ると畑作地帯です。

ノスリなどの山野の鳥も期待できるのですが

今回は漁港周辺のみを回ることにしました。

 

 

 

 

 

ただ、毎年寄っているハーブガーデン・ポケットには

この日も足を運びました。関東地方最東端のハーブ園で

潮風に強いハーブを始め、多彩な植物の販売もしています。

訪問時はちょうど河津桜が満開でした。

 

 

 

 

 

 

河津桜で吸蜜するヒヨドリ(左)とメジロ(右)。

ヒヨドリの方は花ごと食べているように見えます。

 

 

 

 

 

店外で飼育されているウサギ。

やっぱり和む

 

 

 

 

 

カフェレストランもあり、軽食のほか

ここのオリジナルである銚子灯台コーラもいただけます。

薬香草園で飲んだアレと同じく、オーガニックで育てた

ハーブを配合してつくられたクラフトコーラで

茶色のシロップと青い炭酸水という2層構成。

混ぜると、朝焼けを彷彿とさせる橙色になります。

(銚子灯台からの風景がモチーフなんだとか)

 

味はしっかりとコーラらしさを感じさせつつ

どことなく身体に優しい感じも。

ぜひ一度ご賞味いただきたい一杯です。

 

 

 

 

 

ガーデン内では河津桜やリナリアのほか

ローズマリーがちょうど開花期を迎えていました。

「虫よけ」として植えられることの多いハーブですが

一方で蜜源としての効果も高い植物で

この日は多数の二ホンミツバチが飛来していました。

 

海岸域ですが、ちょっと歩けば緑地も豊富にあるので

ニホンミツバチの巣があっても不思議はありません。

 

 

 

 

 

午後は再び漁港周辺へ。

午前中にもちらと見かけましたが

アカエリカイツブリを何度か見かけました。

 

 

 

 

 

こちらはハジロカイツブリの集団。

ここまで多数固まっているのは初めて見ました。

半分以上が夏羽に変わりつつあるようです。

 

 

 

 

 

この大集団、潜水する時は面白いくらいに

みんなで一緒に潜るため、タイミングにもよりますが

一斉に「消える」ことも多々あります。

直前までわらわらしていたのがちょっと目を離した隙に

ドロンと姿を消すのは、初見だと結構驚くかも?

 

 

 

 

 

今回、午後も漁港周辺に残ったので

今まで登ったことのなかったウオッセ21の

銚子ポートタワーに登ってみました。

有料なのでケチっていただけとも言えますが

 

 

 

 

 

 

展望台から望む漁港周辺(左)と内陸部(右)。

上で述べました通り、内陸地には結構まとまった緑があります。

 

 

 

 

 

ミツユビカモメも出現。

これは久しぶりに会ったような気がします。

ユリカモメの中にたまに混じっていますが

飛びながら水面に近づいて魚を獲ろうとしているシーンが

一番識別しやすいかもしれません。

 

 

 

 

 

帰港した漁船にも、やっぱり多数のカモメが。

 

今年は銚子のカモメの数が少ないという声も

一部で耳にしましたが、今冬はこの日1回しか来ていませんし

ご覧の通り結構な数に遭遇しておりますので

ちょっと私の視点では判断が難しいところです。

 

 

 

 

 

 

最後に、銚子駅に向かう途中に通りかかった臨海公園にて。

ここにもローズマリーが植栽されており、

やはりニホンミツバチが多数観察できました。

 

……世界的にミツバチが減っていると聞きますが

こと首都圏の二ホンミツバチについては

私見では明らかに増えているような気がします。

いかがでしょうか?

 

 

 

 

 

【3/4 銚子漁港周辺で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、アカエリカイツブリ、イソヒヨドリ、ウミウ、ウミネコ、オオセグロカモメ、オオバン、オカヨシガモ、カルガモ、カワウ、カンムリカイツブリ、ジョウビタキ、シロカモメ、スズガモ、セグロカモメ、セグロセキレイ、ダイサギ、ツグミ、トビ、ハクセキレイ、ハジロカイツブリ、ヒヨドリ、ホシハジロ、ミツユビカモメ、ムクドリ、メジロ、ユリカモメ、ワシカモメ

昆虫類・・・キタテハ、ニホンミツバチ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年4月16日(日)に開催いたします。

 行先は「里山ガーデン&県立四季の森公園(神奈川県横浜市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。